ウィーンの観光地まとめ!
ウィーン(独:Wien、英:Vienna)はオーストリアの首都。人口は180万人超、都市圏では260万人の人口を誇ります(オーストリア全体の約3分の1)。モーツァルトやベートーヴェンなどが活躍した街は「音楽の都」として知られ、旧市街などは「ウィーン歴史地区」として世界遺産に登録(2001年)されています。
今回は「世界遺産」、「宮殿」、「美術館」、「教会」、「ブランド本店」、「買い物スポット」、「建築」のカテゴリーに分けて、ウィーンでおすすめしたい観光地を紹介します。ぜひこちらの記事を参考に、ウィーン観光を計画してみてください!
※2023年6月現在、新型コロナによる影響はほとんどありません。
世界遺産
1.シェーンブルン宮殿(Schloss Schönbrunn)
神聖ローマ皇帝「レオポルト1世(1640年〜1705年)」が息子のヨーゼフ1世(1678年〜1711年)のための離宮として建設させたバロック様式の宮殿。「シェーンブルン宮殿と庭園群」として1996年に世界遺産として登録されています。並木道が美しいシェーンブルン庭園にはシェーンブルン動物園などもあり、多くの観光客が訪れるウィーンの人気観光スポットの一つになります。おすすめシーズンなどは以下のボタンから確認してください。
その他宮殿
2.ベルヴェデーレ宮殿(Schloss Belvedere)
ハプスブルク家に仕えていたオイゲン・フォン・ザヴォイエン(Eugen von Savoyen、1663年〜1736年)が建てた宮殿。オイゲンの死後はマリア・テレジアに売却され、現在は美術館などとして利用されています。グスタフ・クリムトの傑作である「接吻」などが見所で、こちらも多くの人が訪れる場所になっています。
美術館、博物館
3.美術史美術館(Kunsthistorisches Museum Wien)
美術史美術館は皇帝フランツ・ヨーゼフによって建設され、1891年に開館した美術館。神聖ローマ皇帝「ルドルフ2世」などハプスブルク家の歴代皇帝達のコレクションを中心に展示されています。ルネサンス、バロック期の絵画が見所で、写真のピーテル・ブリューゲルの代表作の一つ「バベルの塔」などを見ることができます。そのほか、コインコレクション、古代エジプトのコレクション、古代ギリシャや古代ローマのコレクション、ハプスブルク家の皇帝達が収集した美しい金細工品などの美術品も展示されています。
4.ウィーン帝国宝物館(Imperial Treasury Vienna)
ヨーロッパ屈指の君主ハプスブルク家が収集した宝物等が展示されている博物館。一番の見所は2680カラットのエメラルド。ハプスブルク家の門外不出の秘宝や皇帝のマント、宗教関連の祭具、金羊毛騎士団関連の展示品も見所になります。なお、写真の王冠は神聖ローマ皇帝「ルドルフ2世(1552年〜1612年)」の王冠です。
5.アルベルティーナ美術館(The ALBERTINA Museum Vienna)
女帝マリア・テレジアの娘婿「アルベルト・カジミール・フォン・ザクセン=テシェン(Albert Kasimir von Sachsen-Teschen、1738年〜1822年)」が創設した美術館。ハプスブルク家の宮殿が美術館として改装され、コレクション数は100万点超を誇っています。ルノワールやモネなどフランス印象派の作品から現代美術、版画、ミケランジェロやラファエロのデッサンなどが展示されています。
6.レオポルド美術館(Leopold Museum)
オーストリアの美術コレクター「ルドルフ・レオポルド(1925年〜2010年)」と妻のエリザベートが収集した5000点以上のコレクションを基礎とする2001年に開館した美術館。特にグスタフ・クリムト、エゴン・シーレのコレクションが見所で、クリムトの傑作「死と生」やシーレの自画像などは必見です。そのほか、オットー・ワーグナー設計のデスク、ヨーゼフ・ホフマンなどがデザインしたグラス類なども展示されています。
教会
7.シュテファン大聖堂(Domkirche St. Stephan)
12世紀頃からの歴史を持つ大聖堂。神聖ローマ皇帝「フリードリヒ3世(1415年〜1493年)」などハプスブルク家の君主が埋葬されているほか、モーツァルトの結婚式と葬儀が行われた場所としても知られています。ウィーン観光の中心部に位置していますが、混雑して中に入れないというほどではありません。
8.皇帝納骨堂(Kapuzinergruft)
神聖ローマ皇帝「マティアス(1557年〜1619年)」の妻である皇后「アンナ・フォン・チロル(1585年〜1618年)」の命により、1622年〜1632年に建てられた教会にある納骨堂。ハプスブルク家の皇帝、皇后、子供などの棺が安置されている場所になり、マリー・アントワネットの母「マリア・テレジア」、シシィの愛称で知られる皇后エリザベートの棺などを見学することができます。
9.ヴォティーフ教会(Votivkirche)
1853年に皇帝「フランツ・ヨーゼフ1世」が暗殺未遂に遭った後、弟のメキシコ皇帝「フェルディナンド・マクシミリアン」の命により、1856年〜1879年に建設された教会。兄の命を救ってくれた神に感謝するという目的で建設されています。最大の見所はきらびやかなステンドグラスで、ほぼ全ての窓がステンドグラスになっており、ウィーンで訪れた教会の中で一番印象に残った場所になります。ぜひみなさんも訪れてみてください。
ブランド本店
10.A.E.ケッヒャート(A.E.KÖCHERT)
フランス人のエマニュエル・ピオテが1814年にウィーンに金細工工房を開いたのが始まり。1831年に宮廷御用達宝石商の称号が授与され、1849年にはフランツ・ヨーゼフ1世のお抱え宝石商として任命されています。1858年にフランツ・ヨーゼフ1世が皇妃エリザベートのために27個のダイヤモンドの星のセット「シシィ」の製作を依頼。シシィは「エリザベートの星」として現在でも人気商品の一つになっています。
11.フライ・ヴィレ(FREY WILLE)
ミカエラ・フライが1951年に設立したジュエリーブランド。エナメル加工が特徴的で、グスタフ・クリムトやゴッホ、モネなどの作品をオマージュしたジュエリーが人気。素材は18Kのイエローゴールド、ホワイトゴールドが多くの商品で採用されています。ウィーン本店などヨーロッパを中心に、上海、ドバイ、リヤドなどで直営店が展開されています。
12.ロブマイヤー(J.&L.Lobmeyr)
ヨーゼフ・ロブマイヤー・シニアが1823年に設立したクリスタル製品ブランド。1835年にハプスブルク家の宮廷御用達になり、現在もハプスブルク家の紋章が本店入口上部に飾られています。ヨーゼフ・ホフマン、アドルフ・ロースといった著名建築家兼デザイナーとのコラボレーションで生まれた製品が根強い支持を受けています。
買い物スポット
13.コールマルクト(Kohlmarkt)
ミヒャエル広場(Michaelerplatz)とグラーベン(Graben)を結ぶ全長約190メートルの通り。ディオールやフェンディ、グッチなど世界的なファッションブランドに加え、ブレゲやカルティエ、ショパールなど高級時計・宝飾品店が多いのも特徴。1770年に創業した宝飾品や銀食器を手掛けるロゼット&フィッシュマイスター(ROZET&FISCHMEISTER)、アドルフ・ロース(Adolf Loos)が設計した書店「MANZ」なども訪れておきたい場所です。なお、コールマルクト周辺がウィーンのブランド店街になります。
14.シュテッフル・デパートメントストア(Steffl Department Store)
1895年に設立された老舗デパート。シュテファン大聖堂の愛称「シュテッフル」が名前の由来。イザベル・マラン、ケンゾー、MSGMといったブランドがブティック形式ではなく、立掛けられて販売されています。そのほか、ボス、マックスマーラ、ミッソーニ、レッド・ヴァレンティノなどの衣料品も取り扱われています。バッグはバーバリーやフェラガモ、トリー・バーチなどが販売されています。トイレが無料で利用できるため、観光客は押さえておきたいデパートになります。
15.ウェストフィールド・ドナウ・ツェントルム(Westfield Donau Zentrum)
1975年に開業したウィーン最大級のショッピングセンター。ウィーン東部のドナウシュタット(Donaustadt)に位置しています。約260のショップがテナントとして入っており、ZARA、H&Mといったファストファッションブランドのほか、BOSSやマイケルコース、スーパーマーケット、家電量販店、雑貨店などがあります。中心部からやや離れている場所にありますが、ウィーンで最もおすすめできるショッピングセンターということで掲載しています。
16.ナッシュマルクト(Naschmarkt)
地下鉄U1・U4「Karlsplatz」駅、地下鉄U4「Kettenbrückengasse」駅近くに位置する全長約450メートルのマーケット。ドライフルーツ、アラブ系のスウィーツを販売する店舗などアラブ系の店舗が目立ちます。野菜や果物、チーズ、アジア系食材を取り扱う店舗のほか、ギフトショップもあります。マーケットの縦半分がレストランなどの飲食店になっており、ギリシャ料理などを味わうことができます。また、土曜日にはフリーマーケットが開催されていることもあり、ウィーンで最もおすすめしたいマーケットになります。
17.デザイナー・アウトレット・パルンドルフ(Designer Outlet Parndorf)
ウィーン近郊のパルンドルフ(Parndorf)に位置するアウトレット。アルマーニやグッチ、プラダなどの人気ブランドを中心に140店以上のブティックが展開されています。ドルチェ&ガッバーナやエスカーダ、ヴァレンティノの出店により、近年魅力が増しているアウトレットです。バーバリーやグッチ、ジミーチュウなど20ブランドの割引率、アクセス方法などは以下のボタンからご覧ください。
建築
18.オットー・ワーグナー設計の建築物
オットー・ワーグナー(1841年〜1918年)はウィーン分離派の中心人物の一人で、オーストリアを代表する建築家。写真左は1904年〜1906年に建設された郵便貯金局。写真右は1898年〜1899年に建設されたメダリオンハウスになります。これらの建物のほか、マジョリカハウス、シュタインホーフ教会、グラーベンホーフ、ヴィラ・ワーグナー Iなども印象に残った建物になります。オットー・ワーグナー設計の建築物は別の記事を執筆していますので、以下のボタンからご覧ください。
19.アドルフ・ロース設計の建築物
アドルフ・ロース(1870年〜1933年)はオーストリア=ハンガリー帝国のブルノ(現在のチェコ)出身の建築家で、近代建築の先駆者の一人。1893年に叔父を頼ってアメリカに渡り、シカゴの高層ビル群に影響を受けています。ウィーン分離派及びウィーン工房の装飾性を非難し、写真左の代表作「ロースハウス(1909年〜1912年)」はすっきりとしたデザインになっています。
20.フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーの建築物
フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(1928年〜2000年)はウィーン出身の芸術家。画家を志していたフンデルトヴァッサーは1949年にウィーン美術アカデミーを中退し、イタリア、パリ、北アフリカなどを訪問。1950年代になるとウィーンやパリ、ミラノなどで展覧会を開催し、1961年には第6回日本国際美術展で毎日賞を受賞しています。建築物のデザインも手掛け、写真左のフンデルトヴァッサーハウス、シュピッテラウ焼却場などがウィーンに残っています。
最後に
今回は筆者の印象に残った観光地をおすすめスポットとして紹介しました。気になる場所はありましたか?
今回紹介した観光地以外では、モーツァルトが居住した現存する唯一の建物「モーツァルト・ハウス」、ベートーベンが暮らしていた「ベートーベン記念館」や「ベートーベン博物館」、ハイドンの家など多くの音楽家関連の観光地もあります。音楽好きな方はぜひ訪れてみてください。
なお、今回紹介した観光スポットの場所は以下のグーグルマップで確認してください。