ウィーンで教会巡りをしませんか?
モーツァルトの結婚式と葬儀が行われた大聖堂があった?!ハプスブルク家の皇帝、皇后が眠る納骨堂とは?美しいステンドグラスを見ることができる見逃せない教会はどこ?
今回はオーストリアの首都「ウィーン」でおすすめしたい教会10ヵ所を紹介します。皇后エリザベートとオーストリア皇帝「フランツ・ヨーゼフ1世」の結婚式が行われた教会、ナポレオンの依頼で製作されたモザイク画を見ることができる教会などを紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
ウィーンのおすすめ教会10選
1.シュテファン大聖堂(Domkirche St. Stephan)
シュテファン大聖堂は12世紀頃からの歴史を持つ大聖堂。神聖ローマ皇帝「フリードリヒ3世(1415年〜1493年)」などハプスブルク家の君主が埋葬されているほか、モーツァルトの結婚式と葬儀が行われた場所としても知られています。ウィーン観光の中心部に位置しているため、中には多くの人がいますが、外で行列になるというほどではありませんでした。筆者が訪問した際はミサが行われており、パイプオルガンの音が体に響いてくる感じでした。なお、内部のショップ入口にある手形に触ると良いことがあるとかないとか。ぜひ、みなさんも現地で確認してください。
■内部
2.ヴォティーフ教会(Votivkirche)
1853年に皇帝「フランツ・ヨーゼフ1世」が暗殺未遂に遭った後、命を救ってくれた神に感謝するという目的で弟のメキシコ皇帝「フェルディナンド・マクシミリアン」の命により、1856年〜1879年に建設された教会。きらびやかなステンドグラスが見所で、一部だけが豪華というわけではなく、ほぼ全面に綺麗なステンドグラスが飾られていました。美術的な価値は低いとされていますが、関係ありません。訪問して絶対に後悔しないと思います。この教会だけは訪れてください。
■ステンドグラス
3.カプチーナ教会(Katholische Kapuzinerkirche)
カプチーナ教会は、神聖ローマ皇帝「マティアス(1557年〜1619年)」の妻「アンナ・フォン・チロル(1585年〜1618年)」の命により、1622年〜1632年に建てられた教会。アンナは資金提供をした後に亡くなりましたが、三十年戦争の混乱などを経て完成しています。見所は皇帝納骨堂で、マリー・アントワネットの母「マリア・テレジア」や皇后エリザベートなどの棺を見学することができます。興味のある方は以下から詳細を確認してください。
4.アウグスティーナ教会(Augustinerkirche)
ハプスブルク家のドイツ王「フリードリヒ3世(1289年〜1330年)」の命により、1327年〜1339年に建設された教会。マリー・アントワネットの両親であるマリア・テレジアと神聖ローマ皇帝「フランツ1世」、皇后エリザベートとオーストリア皇帝「フランツ・ヨーゼフ1世」の結婚式が行われた場所でもあります。筆者は平日午前9時頃に訪問。15名ほどの団体客がいましたが、その後すぐに一人になりました。内部はパイプオルガンの音色が絶えることなく流れており、少し重々しい雰囲気でした。
■教会内部、マリア・クリスティーナ大公妃の慰霊碑
5.聖ミヒャエル教会(Michaelerkirche)
ホーフブルク王宮のミヒャエル門の前に位置する教会で、ウィーンで最も古い教会の一つ。11世紀には前身となる教会が存在し、現在の聖ミヒャエル教会は1220年頃に建てられたと考えられています。オーストリアの宮廷詩人「ピエトロ・メタスタージオ(1698年〜1782年)」など多くの貴族や富裕層が地下に埋葬されています。1350年頃に描かれたフレスコ画やモーツァルトのデスマスクなどが見所です。教会前の広場には多くの人がいますが、こちらの教会を訪れている方は少数でした。なお、教会を訪問される方は扉の音に注意してください。
■内部
6.ミノリーテン教会(Minoritenkirche)
ボヘミア王「オタカル2世(1230年頃〜1278年)が1276年に礎石を置き、1350年に完成した教会。訪れた教会で唯一暖房が効いていた教会であり、訪れた3月初旬はまだまだ寒く、教会に入った際の暖かさには涙が出そうになりました。見所は1809年にナポレオン・ボナパルトの依頼により、イタリアのモザイク画家「ジャコモ・ラファエリ(1753年〜1836年)が製作した最後の晩餐のモザイク画になります。ステンドグラスも綺麗なので、ウィーン観光の際はぜひ訪れてみてください。
■「最後の晩餐」とステンドグラス
7.ショッテン教会(Schottenkirche)
フライウング広場(Freyung)に位置する12世紀に建設された教会。筆者が訪問した際は5名の訪問者がいましたが、牧師の人達がお祈りの言葉を読み上げている最中で、席につながる門は閉じられていました。古い歴史のある教会ですが、内部は装飾のきれいな教会という印象で、特にユリウス・シュミット(Julius Schmid、1854年〜1935年)によって天井に描かれたフレスコ画は見事です。
8.マリア・アム・ゲシュターデ(Maria am Gestade)
ウィーンで最も古い教会の一つ。こちらの場所には9世紀に礼拝堂が建てられていたと考えられており、現在の建物は1394年〜1414年に建てられたゴシック様式の建物になります。訪問者はいませんでしたが、浮いている床石を踏んで大きな音がした時は驚きました。訪問される方は念の為、注意してください。写真では上手く撮れませんが、祭壇上部のステンドグラスがとても綺麗です。
9.ドイツ騎士団教会(Deutschordenskirche)
ドイツ騎士団の本部。ドイツ騎士団は中世ヨーロッパの三大騎士修道会の一つ(残りはテンプル騎士団、聖ヨハネ騎士団)。こちらの建物は14世紀に建てられたもの。中には中年男性の一人しかおらず、ものすごく厳粛な感じがしました。壁に掛けられた紋章などが見所になります。
10.聖三位一体ギリシャ正教会(Griechenkirche zur Heiligen Dreifaltigkeit)
現在の外観は19世紀の改築工事を経て完成したものになります。ギリシャ正教会の教会の内部は豪華な印象ですが、こちらも独特な豪華な装飾が目を引く建物です。天井画も見事ですが、係の人がいるため、長く滞在することが難しそうな感じでした。筆者以外の訪問者の方達も、短い滞在時間で教会を後にしていました。しかし、内部装飾の豪華さは一見の価値があるため、訪問者や教会の迷惑にならないように見学させてもらうと良いと思います。
■内部
最後に
今回はハプスブルク家に関連する教会、ステンドグラスが見所になる教会、中世からの歴史を持つ教会などをおすすめ教会として紹介しました。どの教会もそうでしたが、内部には厳粛で静かな空気が流れているため、訪問される方はその他訪問者の迷惑にならないように気を付けてください。
今回紹介した教会は基本的には観光の中心地になるシュテファン大聖堂から徒歩圏に位置しています。最も離れているヴォティーフ教会で徒歩19分です。徒歩でウィーン観光を楽しみながら、その次いでに今回紹介した教会を訪れるというプランがおすすめです。ぜひ、こちらの記事を参考にして頂き、ウィーン観光を計画してみてください。なお、教会の場所については、以下のグーグルマップにまとめています。