【ウィーン帝国宝物館】ハプスブルク家の門外不出の秘宝を見よう!

ウィーン

ハプスブルク家が収集した宝物にビックリ!

ハプスブルク家の門外不出の秘宝があった?!エメラルドの巨大さに驚愕?!約10キロの金が使用された豪華な水差しと洗面器とは?

今回はハプスブルク家「門外不出の秘宝」など見逃せない12の展示物を中心に、ウィーン帝国宝物館を紹介します。営業時間やおすすめチケットの価格などもしっかり掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください。

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ウィーン帝国宝物館(Imperial Treasury Vienna)について

ウィーン帝国宝物館は、ホーフブルク王宮で最も古い棟にある宝物館です。ヨーロッパ屈指の君主ハプスブルク家が収集した宝物館ということで、ここでしか見られないような宝石の数々に圧倒されます。一番の目玉は大きなエメラルドで、野球ボールより大きいのではないかというくらい巨大で本当に圧倒されました。また、オパールなども大きなものが揃っており、それらだけでも一見に値します。

宝石以外では、門外不出の秘宝として「メノウの鉢」、「ユニコーンの角(イッカクの牙)」が展示されているほか、広げられた皇帝のマントやローブも圧巻。さらに、マリア・テレジア関連の展示物、神聖ローマ皇帝「マティアス」、フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトの妻「マリア・ルイーザ」などの肖像画、ゴールデン・ローズ、宗教関連の祭具、金羊毛騎士団関連の展示品も見所です。

筆者が訪れた際は、学校の校外学習で混雑する時もありましたが、すぐに移動してくれたので特に気になることはありませんでした。すぐに見終わる、規模が小さいなどとネットで言われている宝物館ですが、さっと見れば1時間くらい、しっかり見れば2時間くらいの滞在時間が目安になると思います。

なお、ハプスブルク家に対する興味で評価が全くことなる場合があるため、ハプスブルク家に興味がある、オーストリアの歴史を知りたいと思う方は絶対に訪れた方が良いです。その一方、ハプスブルク家に興味がない、歴史を知りたいと思わないという方は訪れなくて良いと思います。

見逃せない展示品12選

■1.皇帝ルドルフ2世の冠

神聖ローマ皇帝「ルドルフ2世(1552年〜1612年)」の王冠として、1602年に金細工師のヤン・フェルメイエン(Jan Vermeyen)が製作したものになります。真珠やダイヤモンド、エメラルドなどの宝石が贅沢に使用されており、製作当時のハプスブルク家の勢いを感じることができます。

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■2.オーストリア皇帝のマント

1830年に製作されたマント。Philipp von Stubenrauch(1784年〜1848年)がデザインし、Johann Fritzが刺繍を担当。赤のベルベット生地に金の刺繍が施されています。

■3.ローマ王(ナポレオン2世)の揺り籠

1811年にフランス・パリで製作されたローマ王(ナポレオン2世)の揺り籠。ナポレオン2世の母親は神聖ローマ皇帝フランツ2世の長女マリア・ルイーザ。パリ市が280キロ以上の銀を使用したこちらの揺り籠をマリア・ルイーザに献上したものになります。

■4.皇室の洗礼に使用された水差し、洗面器

1571年に製作された皇室の洗礼に使用された水差しと洗面器。約10.5キロの金が使用された豪華な水差しと洗面器は、ケルンテン公国からオーストリア大公のカール2世(1540年〜1590年)の結婚祝いとして贈られたものになります。そのため、水差しの中心部などにケルンテン公国の紋章が入れられています。

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■5.マリア・テレジアが寄贈した洗礼セット

女帝マリア・テレジア(1717年〜1780年)によって寄贈された洗礼セット。1757年に製作したもので、金色の刺繍に目が行きがちですが、小さな真珠でも豪華に装飾されています。

■6.メノウの鉢

ハプスブルク家の門外不出の秘宝の一つ。キリストの聖杯として信じられ、巨大な一つのメノウの塊から切り出されたこちらの鉢(幅76センチ)は、ローマ皇帝「コンスタンティヌス大帝(270年頃〜337年)」の宮廷で作られたと言われています。

■7.ユニコーンの角(イッカクの牙)

こちらもハプスブルク家の門外不出の秘宝の一つになります。伝説の一角獣「ユニコーン」の角だと信じられていましたが、実際はイッカクの牙になります。

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■8.エメラルド製の容器

手工芸品として世界最大級のエメラルド(2680カラット)。神聖ローマ皇帝「フェルディナント3世(1608年〜1657年)」の依頼によって、1641年に現在のチェコ・プラハで製作されたものになります。コロンビア産のエメラルドを使用され、香油入れなどとして使用されたと考えられています。

■その他宝石類

■9.ボチカイ・イシュトヴァーンの冠

オスマン帝国のスルタン「アフメト1世(1590年〜1617年)」がボチカイ・イシュトヴァーン(1557年〜1606年)に送った冠。ボチカイ・イシュトヴァーンはトランシルヴァニア(現在のルーマニアの一部)でハプスブルク家に対して反乱を起こし、オスマン帝国がその反乱を支援。ハプスブルク勢を追い出すことに成功し、ボチカイはトランシルヴァニア公として選出され、その際に贈られた冠になります。

■10.聖体顕示台

1660年〜1680年頃に現在のイタリア・ミラノで製作されたと考えられている聖体顕示台です。聖体顕示台とは、聖体賛美式を行う際、聖体を納めて顕示するための祭具になります。宗教戦争として始まった三十年戦争(1618年〜1648年)後にカトリックの強化が推進され、聖体顕示台にはイエズス会の紋章「IHS」が入れられています。

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■11.シチリア王「ルッジェーロ2世」のマント

1133年〜1134年に製作されたシチリア王「ルッジェーロ2世(1095年〜1154年」)のマント。神聖ローマ皇帝「フリードリヒ2世(1194年〜1250年)」の戴冠式がローマで行われた後、神聖ローマ帝国の宝物になったと考えられています。なお、こちらのマントはシチリア島のパレルモの王宮工房で製作され、ライオンとラクダが描かれています。ライオンはルッジェーロ2世のオートヴィル家の紋章獣、ラクダは対立していたアラブを表しています。

■12.金羊毛騎士団勲位の首飾り

金羊毛騎士団は、ブルゴーニュ公「フィリップ3世(1396年〜1467年)」が1430年に創設した騎士団。こちらのネックレスは設立初期の1430年〜1500年頃に現在のベルギー・ブリュッセルで製作されたと考えられています。金羊毛騎士団とハプスブルク家の関わりは、ヴァロワ=ブルゴーニュ家最後の君主「マリー・ド・ブルゴーニュ」がハプスブルク家のマクシミリアン1世と結婚したことが始まりになっています。

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基本情報

ウィーン帝国宝物館
営業時間 9:00〜17:30(火曜日は閉館日)
料金 14ユーロ(美術史美術館との共通チケットは27ユーロ)
住所 Schweizerhof, Hofburg, 1010 Wien(地図
アクセス 地下鉄U3「Herrengasse」駅から徒歩5分
公式サイト https://www.kaiserliche-schatzkammer.at/

■所在地(マップ)

最後に

写真はウィーン帝国宝物館のギフトショップになります。入場券を持っていない人でも入ることができ、皇妃エリザベートが描かれたポーチが手鏡、鉛筆などお土産として購入できそうなものが販売されています。筆者はお土産として手鏡を購入しました。

また、ウィーン帝国宝物館には日本語のパンフレットが用意されているため、日本人にとって利用しやすい博物館だと言えます。さらに、美術史美術館との共通チケットがあるため、美術史美術館を訪れる方はぜひ共通チケットを購入してウィーン帝国宝物館も訪れてみてください。きっとウィーン観光がより良いものになると思います。