フィレンツェはルネサンス芸術が多く残る都市ですが、魅力はそれだけではありません!
グッチ、サルヴァトーレ・フェラガモ、エミリオ・プッチなどの著名ブランドが本店を構えており、ファッションを満喫することもフィレンツェ観光の醍醐味だと言えます。
今回はグッチなど人気ブランドを中心に、フィレンツェ発祥の10ブランドを紹介。日本法人がある注目のレザーブランド、老舗陶磁器ブランド、ディスプレイ商品の価格なども見所です。筆者が実際に撮影した写真も掲載しますので、ぜひフィレンツェ観光の参考にしてください!
フィレンツェに本店を構えるブランド10選
1. グッチ(GUCCI)
グッチは、グッチオ・グッチ(Guccio Gucci、1881〜1953年)が1921年に設立したラグジュアリーブランド。革を使用した馬具専門店からスタート。
第二次世界大戦中の材料不足により、リネンやコットン、竹等の材料を使用してハンドバッグなどを作成したことが転機に。バンブーバッグ、緑・赤・緑のウェブストライプ、「GG」モノグラムなど、現在も続くブランドの象徴的デザインが登場し、世界的な名声を確立しました。近年は、クラシックとストリート、ジェンダーレスな要素が融合した個性的なコレクションが話題を呼び、ファッションの枠を超えた文化的存在としての地位を強化しています。
本店はトルナブオーニ通り(Via de’ Tornabuoni)沿いにあり、内部はピンク色が強く、少し迷路のようでわくわく感のある造りになっています。ただ、店員が商品前で談笑するなど、落ち着いて商品を見ることができなかったことは残念でした。
住所:Via de’ Tornabuoni, 73r, 50123 Firenze(地図)
アクセス:ドゥオーモ広場から徒歩6分
公式サイト:https://www.gucci.com/
2. フェラガモ(FERRAGAMO)
フェラガモは、サルヴァトーレ・フェラガモ(Salvatore Ferragamo、1898~1960年)が1927年に設立したブランド。リボンモチーフのパンプス「ヴァラ」、「ヴァリナ」などが代表的アイテム。素材選びと職人技にこだわったシューズのほか、現在ではバッグ、アパレル、アクセサリー、香水まで展開し、トータルラグジュアリーブランドとして進化を遂げています。
ディスプレイ商品の価格については、靴が530〜550ユーロ、財布が495〜595ユーロ、バッグが1690ユーロほどでした。なお、トルナブオーニ通り沿いに位置する本店にはサルヴァトーレ・フェラガモ博物館(Museo Salvatore Ferragamo)が併設されています(チケットは10ユーロ)。気になる方はぜひ訪れてみてください。
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サルヴァトーレ・フェラガモについて
サルヴァトーレ・フェラガモ(1898~1960年)は、イタリア南部カンパニア州アヴェッリーノ県ボニートに生まれ。ナポリで靴製作を学んだ後、実家で小さな店舗を開業。
その後、1914年に兄弟がいたアメリカ・ボストンに渡った後、カリフォルニア・サンタバーバラでオーダーメイド&リペアの靴専門店を開業。その際、足を痛めない靴作りのため、南カリフォルニア大学で解剖学を学んでいます。1927年にイタリアに戻り、フィレンツェでサルヴァトーレ・フェラガモを設立しています。
住所:Via de’ Tornabuoni, 4r, 50123 Firenze(地図)
アクセス:ドゥオーモ広場から徒歩8分
公式サイト:https://www.ferragamo.com/
3. プッチ(PUCCI)
プッチは、イタリアの貴族出身デザイナー「エミリオ・プッチ」が1947年に設立したラグジュアリーブランド。LVMHグループ。
スキーウェアのデザインからスタートしたブランドは、1950〜60年代にかけて軽やかで機能的な素材と鮮やかな色彩を用いたドレスで一世を風靡、マリリン・モンローやなどに愛用され、“プリントの王子”として国際的に高い評価を受けました。
サイケデリックとも称される幾何学模様やカラフルなプリントが特徴。現在はアパレル、バッグ、シューズ、水着、アクセサリーなど幅広く展開しています。なお、本店はトルナブオーニ通り沿い、フェラガモ本店近くに位置しています。
ディスプレイ商品の価格については、ダウンコートが1600ユーロ、カーディガンが1500ユーロ、セーターが490ユーロ、レギンスが490ユーロ、スカーフが680〜750ユーロ、バッグが520〜1300ユーロ、財布が320ユーロ、サングラスが240ユーロ。
■エミリオ・プッチについて
エミリオ・プッチはフィレンツェの貴族「プッチ家」に生まれ、ドゥオーモ近くのプッチ宮殿(Palazzo Pucci)で人生の大半を過ごしました。第二次世界大戦中は空軍パイロットとなり、戦後は政治家としても活躍した人物になります。
住所:Via de’ Tornabuoni, 20, 50123 Firenze(地図)
アクセス:ドゥオーモ広場から徒歩7分
公式サイト:https://www.pucci.com/
4. オフィチーネ・パネライ(OFFICINE PANERAI)
オフィチーネ・パネライは、ジョヴァンニ・パネライ(Giovanni Panerai、1825~1897年)が1860年に設立した高級腕時計メーカー。
もともとは精密機器や時計の販売・修理を手掛ける工房としてスタートし、20世紀初頭からイタリア海軍向けに特殊機器やダイバーズウォッチを製造するようになりました。1930年代に開発された「ラジオミール」や「ルミノール」は、視認性と防水性に優れた軍用時計として高く評価され、現在もブランドを代表するコレクションとして受け継がれています。
大型で存在感のあるケース、シンプルで読みやすい文字盤、独自のリューズプロテクターが特徴。ミリタリールーツと機能美を強調したデザインは、他ブランドにはない無骨かつ洗練された魅力を放ち、世界中に愛好家を持つほどの人気を誇ります。1997年にリシュモングループ入りしています。
住所:Piazza di San Giovanni, 14R, 50129 Firenze(地図)
アクセス:ドゥオーモ広場からすぐ
公式サイト:https://www.panerai.com/
5. ステファノ・リッチ(STEFANO RICCI)
ステファノ・リッチは、ステファノ・リッチ(Stefano Ricci)と彼の妻「クラウディア(Claudia)」が1972年に設立した高級メンズファッションブランドです。
創業当初は、最高品質のシルクを使用したネクタイ作りからスタートし、イタリア職人の技術を活かした100%メイド・イン・イタリーの製品で評価を高めました。現在はスーツ、シャツ、レザーウェア、アクセサリー、シューズ、さらにはインテリア分野まで展開するラグジュアリーブランドへと成長しています。
デザインから製造、仕上げまで全てイタリアで行われている点が特徴。値段感はスーツが4600〜5900ユーロ、カシミアコートが5900ユーロ、シャツが650〜750ユーロ、ジーンズが600〜900ユーロほどになります。本店はペシオニ通り(Via dei Pescioni)に位置しています。
住所:Palazzo Tornabuoni, Via dei Pescioni, 1c, 50123 Firenze(地図)
アクセス:ドゥオーモ広場から徒歩5分
公式サイト:https://www.stefanoricci.com/
6. エルマンノ・シェルヴィーノ(ERMANNO SCERVINO)
エルマンノ・シェルヴィーノは、デザイナーのエルマンノ・ダエッリ(Ermanno Daelli)、起業家のトニ・シェルヴィーノ(Toni Scervino)が2000年に設立したラグジュアリーファッションブランド。2003年にミラノ・ファッションウィークでレディースコレクションを発表、2005年にはメンズラインも開始しています。
「スポート・クチュール」と呼ばれる、機能性とエレガンスを融合したスタイルが特徴。贅沢な素材使いと繊細なレースや刺繍、身体のラインを美しく見せるカッティングで、独自のスタイルを確立しています。なお、全ての製品はトスカーナの自社工房で製造されています。
■エルマンノ・シェルヴィーノの裏話
エルマンノ・ダエッリ(Ermanno Daelli)はニューヨークに在住していた頃、ポップアートの巨匠「アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)」に出会ったことで、ブランド立ち上げを決めたとも言われています。
住所:Via degli Strozzi, 32R, 50123 Firenze(地図)
アクセス:ドゥオーモ広場から徒歩5分
公式サイト:https://www.ermannoscervino.com/
7. ジャンフランコ・ロッティ(GIANFRANCO LOTTI)
ジアンフランコ・ロッティは、ジアンフランコ・ロッティ(Gianfranco Lotti)が1968年に設立したラグジュアリー・レザーブランド。
創業者のジアンフランコ・ロッティは、若くして皮革職人に弟子入りした後、独立して自身の工房を開設、伝統的なフィレンツェの技術を受け継ぎつつ独自のデザイン美学を追求。洗練された「キーオープナー(鍵穴)」モチーフをはじめとした象徴的なディテール、フィレンツェの職人による手作業中心の製造プロセスが特徴です。
ディスプレイ商品の価格については、バッグが1150〜2050ユーロ、カードホルダーが310ユーロ、ブレスレットが410ユーロ、ブレスレット(小)が290ユーロになります。なお、トルナブオーニ通りの本店は閉店しています。
8. パトリツィア・ペペ(PATRIZIA PEPE)
パトリツィア・ペペは、クリエイティブディレクターのパトリツィア・バンビ(Patrizia Bambi)、彼女の夫「クラウディオ・オレア(Claudio Orrea)」が1993年に設立したブランド。
創業以来、実用性とフェミニンさを兼ね備えたモダンなコレクションで人気を集め、2000年代には国際的に展開を拡大。現在はウィメンズ、メンズ、アクセサリー、ジュニアラインまで幅広く展開しています。ブランド名にある「Pepe(胡椒)」は、“スパイシーでエッジの効いた女性像”を象徴しています。
値段感はコートが388ユーロ、ドレスが238ユーロ、ジーンズが198ユーロ、バッグが338ユーロ、ブーツが308ユーロ、サンダルが248ユーロほどで、比較的手が届きやすいブランドになっています。なお、本店はサン・ジョヴァンニ広場に位置しています。
住所:Piazza di San Giovanni, 12r, 50129 Firenze(地図)
アクセス:ドゥオーモ広場からすぐ
公式サイト:https://www.patriziapepe.com/
9. ジノリ1735(GINORI 1735)
ジノリ1735は、1735年に創業したイタリアの老舗陶磁器メーカー。カルロ・ジノリ(Carlo Ginori)侯爵がセスト・フィオレンティーノに磁器窯を開いたことが始まり。1896年にリチャード製陶社と合併し、社名がリチャード・ジノリになりました。その後、グッチを擁するケリング・グループが2013年に買収し、「GINORI 1735」に社名が変更されています。
幾何学模様のモダンなシリーズから、伝統的な花柄装飾を施したクラシックな作品まで幅広く展開。ジノリは、美術品のような磁器を日常に取り入れたい人方にふさわしい、イタリア陶磁器の象徴的存在です。なお、フィレンツェ郊外の工房で主要製品の多くが製造され、特にハイエンド商品や装飾品は熟練の職人による手作業で仕上げられています。
値段感はカップが48ユーロ〜、平皿が59ユーロ〜、マグカップが114ユーロほど。食器のシリーズ等によって価格は異なるため、目安として参考にしてください。
住所:Via dei Rondinelli, 17, 50123 Firenze(地図)
アクセス:ドゥオーモ広場から徒歩4分
公式サイト:https://www.ginori1735.com/
10. ベンハート(BENHEART)
ベンハートは、イシャム・ベンバレク(Hicham Benmbarek)、マッテオ・マッシーニ(Matteo Massini)が2011年に設立したレザーブランド。創業者「イシャム・ベンバレク」は若くして心臓移植を経験し、その再出発の象徴として“心”を意味するブランド名「BENHEART」が誕生しました。
フィレンツェの伝統的な職人技術を現代に受け継ぎ、全製品はイタリア国内、とりわけトスカーナ地方の工房で製造されています。使用される革はトスカーナ産の高品質なベジタブルタンニンレザーで、レザージャケット、バッグ、ベルト、靴など多岐にわたる製品が展開されています。なお、仕立ての精巧さと素材の耐久性、美しいエイジングが高く評価されています。
住所:Via dei Calzaiuoli, 37 R, 50122 Firenze(地図)
アクセス:ドゥオーモ広場から徒歩2分
公式サイト:https://benheart.jp/
番外編
パラッツォ・グッチ(Palazzo Gucci)
パラッツォ・グッチ(Palazzo Gucci)は、シニョリーア広場(Piazza della Signoria)に位置する旧グッチ博物館(GUCCI MUSEO)。ギャラリーに加え、限定商品等が取り扱われているショップ、ミシュランで3つ星を獲得したシェフが手掛ける「グッチ・オステリア(Gucci Osteria)」も併設されています。
料金:8ユーロ(ギャラリー)
住所:Piazza della Signoria, 10, 50122 Firenze(地図)
アクセス:ドゥオーモ広場から徒歩6分
公式サイト:https://palazzogucci.gucci.com/
最後に
中世ルネサンス芸術のみならず、ブランドショッピングを楽しむこともフィレンツェ観光の醍醐味になります。
フィレンツェの街にグッチなどのブランドは欠かせないものであり、一つの文化を見るという観点からもブランド本店巡りはおすすめです。ぜひ、こちらの記事を参考にしてブランド本店巡りを楽しんでみてください!
※各ブランド本店の場所については以下のグーグルマップ(青色)にまとめています。