ウィーンでオットー・ワーグナー設計の建物巡りをしませんか?
花柄のタイルで覆われた建物があった?!筆者が最も印象に残った建物とは?大使館として利用されている建物、観光の中心地「グラーベン」に位置する建物も紹介!
今回は近代建築の父とも呼ばれるオーストリアを代表する建築家「オットー・ワーグナー」が設計した建築物を紹介します。オットー・ワーグナーは、建築に興味のない方も驚くような魅力的な建物を多く設計していますので、ぜひ最後までご覧ください。
オットー・ワーグナー(Otto Wagner)について
オットー・ワーグナー(1841年〜1918年)はオーストリアを代表する建築家で、ウィーン分離派の中心人物の一人。
1857年からウィーン工科大学、ベルリンの王立建築アカデミーで建築を学んだ後、1863年にウィーン美術アカデミーを卒業。1868年に手掛けたハンガリー・ブダペストのルンバッハシナゴーグ(Rumbach zsinagóga)が最初の大きなプロジェクト。1890年にはウィーン市の都市計画顧問に就任、1894年にはウィーン美術アカデミーの教授に就任しています。1890年代はアール・ヌーヴォーが盛り上がっており、1898年〜1899年に手掛けたマジョリカハウスなどでその特徴を見ることができます。
1897年にウィーン分離派が結成されると、ワーグナーも参加しますが、内部対立により1905年に分離派を脱退しています。その後、郵便貯金局、シュタインホーフ教会などを手掛け、1918年に亡くなっています。これから、近代建築の父とも称されるオットー・ワーグナーが設計した15の建築物を紹介していきます。
オットー・ワーグナー設計の建築物15選
1.郵便貯金局(Österreichische Postsparkasse)
1904年〜1906年に建設された建物。1910年〜1912年にかけて増築されています。第二次大戦で被害を受けることなく、建設当時の状態が保たれています。オットー・ワーグナー設計の重要な建築物の一つとして位置付けられています。
2.マジョリカハウス(Majolikahaus)
1898年〜1899年に建設されたウィーン分離派の特徴を持った建物。花柄のタイルで覆われたファサードが目印です。
3.メダリオンハウス(Casa de los Medallones)
1898年〜1899年に建設されたマジョリカハウスの隣に位置する建物。ワーグナーと同じくウィーン分離派のコロマン・モーザー(1868年〜1918年)が手掛けた金色のメダルの装飾が特徴です。
4.シュタインホーフ教会(Kirche am Steinhof)
1902年〜1907年に建設された教会。有名な近代の教会建築の一つです。見所はコロマン・モーザーが手掛けたステンドグラスになります。筆者が訪問した際は新型コロナの影響で臨時休業になっていましたが、レオポルド美術館でもステンドグラスを見ることができました。興味のある方は以下のボタンからレオポルド美術館の記事をご覧ください。
5.カールスプラッツ駅(Pavillon Karlsplatz)
1894年〜1899年に建設された旧駅舎の建物。ひまわりが特徴的な建物で、現在は博物館として利用されています。
6.ホーフパビリオン(Hofpavillion)
1899年に完成したオーストリア皇帝「フランツ・ヨーゼフ1世(1830年〜1916年)」のために造られた駅舎。フランツ・ヨーゼフ1世が利用したのは2回のみで、現在は博物館として利用されています。
7.アンカーハウス(Ankerhaus)
1894年〜1895年に建設された建物。シュテファン大聖堂近くのグラーベンに位置しており、アパレルショップなどがテナントとして入っています。
8.グラーベンホーフ(Grabenhof)
1873年〜1874年に建設されたオットー・ティーネマン(Otto Thienemann、1827年〜1905年)と共同で設計した建物。こちらの建物もグラーベンに位置しています。
9.ヴィラ・ワーグナー I(Villa Wagner I)
1886年〜1888年に建設されたワーグナーの別荘。1895年から本邸として使用し、子供達が成長した1911年に売却。現在は博物館(Ernst Fuchs Museum)として利用されています。オットー・ワーグナー設計の建物で最も印象に残った建物の一つになります。
10.ヴィラ・ワーグナー II(Villa Wagner II)
1912年〜1913年に建設されたワーグナーの別荘。コロマン・モーザーなどがデザインしたモザイクが見所。現在は個人が所有しています。
11.ホヨース宮殿(Palais Hoyos)
1890年に建設された建物で、現在はクロアチア大使館として利用されています。
12.シュッツェンハウス(Schützenhaus)
1904年〜1908年に建設された建物。現在は伝統料理などが味わえるレストラン「Otto Wagner Schützenhaus」として利用されています。
13.ウィーンのコロンビア大使館
1883年に完成したコロンビア大使館が入る建物。
14.Schottenring 23
1877年に完成した建物。褐色の窓枠の装飾や白黒の装飾などが特徴的で、オットー・ワーグナー自身が居住していたこともあります。
15.旧レンダー銀行本店(Länderbankzentrale)
1883年〜1884年に建設された建物。ウィーン初の近代的なオフィスビルと言われています。
最後に
今回はウィーンにあるオットー・ワーグナーが設計した建物を紹介しました。気になる建物はありましたか?シュタインホーフ教会、ヴィラ・ワーグナー I、ヴィラ・ワーグナー IIは訪れるのに時間が掛かるため、滞在時間が短い方は見送った方が良いかもしれません。その一方、グラーベンに位置しているアンカーハウスとグラーベンホーフのほか、マジョリカハウスなどは訪れやすい場所にあります。
オットー・ワーグナーはオーストリアを代表する建築家であり、作品のほとんどがウィーンにあります。オットー・ワーグナー設計の建物は、建築物に興味のない方も引き付けられるようなものが多いと思います。ぜひ以下のグーグルマップを参考に、建築物巡りを楽しんでください。