ウィーンで奇抜な建物を見たい方におすすめ!
フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーがデザインしたウィーンで最も人気のある建物の一つとは?フンデルトヴァッサーの作品を見るならどこ?元気をもらえるごみ焼却場がある?!
今回はオーストリアの首都「ウィーン」にある見ていて元気をもらえるフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーがデザインした3つの建物を紹介します。建築に興味のない方もすごい!と思うような建物ばかりですので、ぜひ最後までご覧ください。
フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(Friedensreich Hundertwasser)について
フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(1928年〜2000年)はウィーン出身の芸術家です。ボヘミア出身の父「エルンスト・シュトヴァッサー」とチェコ東部のモラヴィア出身のユダヤ人の母「エルゼ」の間に生まれ、1歳の時に父親が亡くなっています。ナチス・ドイツがオーストリアを併合した際、ユダヤ人街のあったレオポルトシュタットに強制移住させられますが、母と共に生き延びています。
1949年にウィーン美術アカデミーを中退し、イタリア、パリ、北アフリア(モロッコ、チュニジア)などを訪れています。特に北アフリアへの旅が自身の芸術活動に大きな影響を与えています。1950年代になると、ウィーンやパリ、ミラノなどで展覧会を開催。1961年に来日し、第6回日本国際美術展で毎日賞を受賞しています。1962年には日本人と結婚(1966年に離婚)するなど親日家としても知られています。
1981年からウィーン美術アカデミーの教授に就任。1991年にクンストハウス・ウィーン(美術館)が開館。1990年代後半には日本、ドイツ、ニュージーランドにおける建築プロジェクトに携わり、2000年にニュージーランドからヨーロッパに戻る航海中に心不全により亡くなっています。日本で手掛けた作品としては、TBS「21世紀カウントダウン時計(1992年)」、大阪広域環境施設組合舞洲工場(1997年〜2001年)、舞洲スラッジセンター(1998年〜2004年)などがあります。
それでは、これからウィーンにある3つのフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーがデザインした建物を紹介します。
フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーの建築物3選
1.フンデルトヴァッサーハウス(Hundertwasserhaus)
1983年〜1985年にかけて建設された公共住宅。ウィーンで最も人気のある建物の一つで、オーストリアの文化遺産に指定されています。1972年のテレビ番組で木々に覆われた屋根など彼のアイデアを具現化した建築模型を披露。その後、大学等における講義で自然と人々が調和した建築への関心について語り、1977年にユダヤ人初のオーストリア首相「ブルーノ・クライスキー」がウィーン市長「レオポルド・グラッツ」に宛てた書簡の中で、フンデルトヴァッサーのアイデアを実現する機会を与えてはどうかと提案しています。そのような流れにより、こちらの建物が建てられています。
なお、1階部分にカフェなどがあるほか、向かいにはお土産屋さんやカフェなどがテナントとして入っているフンデルトヴァッサー・ヴィレッジ(Hundertwasser Village)もあります。筆者はウィーンで多くの建築物を巡りましたが、人の多さはこちらがダントツでした。
■フンデルトヴァッサー・ヴィレッジ
2.クンストハウス・ウィーン(Kunst Haus Wien)
1892年に建てられたトーネット社の家具工場を1989年から1991年に掛けて、フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーのアイデアを基に改装した美術館。フンデルトヴァッサーの作品が世界で唯一常設展示されている場所になり、1階にはミュージアムショップやカフェもあります。
※2023年6月1日から2024年初めまで改装工事のため臨時休業。
3.シュピッテラウ焼却場(Müllverbrennungsanlage Spittelau)
1966年〜1971年に建設されたごみ焼却場。1987年の火災の後、フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーのデザインによって改修されています。上記にも記載しましたが、大阪にもフンデルトヴァッサーがデザインした清掃工場があります。地下鉄U4、U6「Spittelau」駅からすぐの場所にあるため、興味のある方はぜひ訪れてみてください。
■シュピッテラウ焼却場と管理棟
最後に
歴史的建造物が多いウィーンにおいて、フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーの作品は奇抜さが目立ちますが、見ていると何だか元気がもらえるような気持ちになります。金太郎飴のような似通った建築物の多い現代において、日本にもこのような建物が随所に見られるようになれば面白いのにと感じてしまいます。
どの建物もウィーン中心部から若干離れていますが、フンデルトヴァッサーハウスとクンストハウス・ウィーンは十分歩ける距離にあり、シュピッテラウ焼却場は電車で気軽に行くことができる場所にあります。特徴的で元気がもらえる建物を見たいという方はぜひ訪れてみてください。
なお、今回紹介した建物の場所は以下のグーグルマップで確認してください。