ウィーンで建築物巡りをしませんか?
オーストリアを代表する建築家「オットー・ワーグナー」が手掛けた建物の特徴は?ウィーンのモダニズム建築の重要な建築物は劣化していた?!オーストリアで最も高いビルの外観とは?
今回は筆者がウィーンで印象に残った15の建築物を紹介します。著名建築家が設計した建物を中心に、ウィーン中心地のグラーベンにある歴史的建造物まで掲載しますので、ぜひ最後までご覧ください。
見逃せない著名建築家が設計した建物
見逃せない著名建築家として、以下の建築家の作品を紹介します。
- オットー・ワーグナー
- アドルフ・ロース
- フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー
- ヨーゼフ・ホフマン
- ヨジェ・プレチニック
- ハンス・ホライン
さらに、記事後半ではザハ・ハディドなどが手掛けた建築物を紹介していきます。
オットー・ワーグナー(Otto Wagner)
1.マジョリカハウス(Majolikahaus)
マジョリカハウスは1898年〜1899年に建設された花柄のタイルで覆われたファサードが特徴的な建物。ウィーン分離派の中心人物の一人でオーストリアを代表する建築家「オットー・ワーグナー(1841年〜1918年)」が設計しています。オットー・ワーグナーが設計した建物は以下のボタンからご覧ください。
アドルフ・ロース(Adolf Loos)
2.ロースハウス(Looshaus)
ロースハウスは1909年〜1912年に建設されたウィーンのモダニズム建築の重要な作品の一つ。近代建築の先駆者の一人と言われる「アドルフ・ロース(1870年〜1933年)」が設計を担当。ウィーン分離派のような装飾が排除されたデザインが特徴である一方、ギリシャのエヴィア島産のチポリーノ大理石など贅沢な素材が使用されています。なお、その他のアドルフ・ロース設計の建物は以下のボタンからご覧ください。
フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(Friedensreich Hundertwasser)
3.フンデルトヴァッサーハウス(Hundertwasserhaus)
オーストリアの文化遺産に指定されている1983年〜1985年にかけて建設された公共住宅。ウィーン出身の芸術家「フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(1928年〜2000年)」がデザインを手掛けています。ウィーンで多くの建築物を巡った中で、こちらの建物に一番多くの人が集まっていました。建物の前にはお土産屋さんなどが入るフンデルトヴァッサー・ヴィレッジ(Hundertwasser Village)もあり、ウィーンの人気観光スポットになっています。フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーの建物が気になった方は以下のボタンからその他の作品をご覧ください。
ヨーゼフ・ホフマン(Josef Hoffmann)
4.ヴィラ・プリマヴェーシ(Villa Primavesi)
ヨーゼフ・ホフマン(1870年〜1956年)はオーストリアの建築家兼デザイナーで、ウィーン分離派の中心メンバーの一人。ヴィラ・プリマヴェーシは1913年〜1915年に建設され、ヨーゼフ・ホフマンが設計した最も有名な建物の一つ。注文主はヨーゼフ・ホフマン等が設立したウィーン工房のパトロンだったオットー・プリマヴェージのいとこ「ロバート・プリマヴェーシ」です。
※内部見学不可
ヨジェ・プレチニック(Jože Plečnik)
5.ヴィラ・ランガー(Villa Langer)
ヨジェ・プレチニック(1872年〜1957年)はスロベニアの首都「リュブリャナ」出身の建築家。オットー・ワーグナーの弟子として経験を積み、ウィーンやリュブリャナなどで作品を残しています。ヴィラ・ランガー(Villa Langer)は1900年〜1901年にかけて建設され、ヨジェ・プレチニックは特徴的なファサードなどを手掛けています。
※内部見学不可
ハンス・ホライン(Hans Hollein)
6.ハース・ハウス(Haashaus)
ハンス・ホライン(1934年〜2014年)はウィーン出身でオーストリアを代表する建築家の一人。ハース・ハウスは1985年から1990年にかけて建設されたハンス・ホラインが設計したポストモダン建築の建物。シュテファン大聖堂の斜め前に位置しています。現在はZARAやDO&CO Hotelなどが入っています。
7.旧レッティ蝋燭店(Kerzengeschäft Retti)
旧レッティ蝋燭店はハンス・ホラインが設計を担当し、1966年に完成したショップ。特徴的なアルミ製の入口のデザインなどが評価され、ハンス・ホラインは1966年にレイノルズ記念賞を受賞しています。
8.ヒルトン・ウィーン・パーク(Hilton Vienna Park)
1972年〜1975年に建設されたホテル。ハンス・ホラインの設計により、2004年に改装されています。ウィーン国際空港とのアクセスが良いウィーン・ミッテ駅近くに位置しているほか、観光の中心地になるシュテファン大聖堂まで徒歩12分で行くことができます。
その他見逃せない建築物
9.アリク・ブラウアーハウス(Arik-Brauer-Haus)
アリク・ブラウアーハウス(Arik-Brauer-Haus)は、ウィーン出身の芸術家「アリク・ブラウアー(Arik Brauer、1929年〜2021年)」がデザインした建物。フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーのプロジェクトに携わっていた建築家「ピーター・ペリカン(Peter Pelikan)」の協力により、1991年から1994年にかけて建設されています。アリク・ブラウアーのデザインによるタイル装飾が見所になります。
10.ヴィラ・ビアー(Villa Beer)
オーストリア生まれの建築家「ヨーゼフ・フランク(Josef Frank、1885年〜1967年)」、オスカー・ウラッハ(Oskar Wlach、1881年〜1963年」が設計し、1929年から1931年にかけて建設された建物。ウィーンにおけるモダニズム建築の重要な建築物の一つです。1987年に連邦記念物局の指定構造物に指定されていますが、建物は改修が必要なほど傷んでいます。
※現在は内部見学不可
11.グラーベン8(Graben 8)
ヴュルテンベルク(現在のドイツ)出身の建築家「カール・シューマン(Carl Schumann、1827年〜1898年)」、ウィーン出身の建築家「テオドール・バッハ(Theodor Bach、1858年〜1938年)」が設計し、1887年に完成した建物。完成時、米国企業がテナントとして入居していたため、建物上部にはアメリカの国鳥「ハクトウワシ」が飾られています。なお、ウィーンの中心地「グラーベン」に位置し、H&Mなどがテナントとして入っています。
12.エクイタブル宮殿(Equitablepalais)
ボヘミア出身の建築家「アンドレアス・シュタイト(Andreas Streit、1840年〜1916年」が設計し、1891年に完成した建物。こちらの建物も米国企業のために建てられたことから、建物上部にハクトウワシが飾られています。何気なく見る建物でも、このような歴史的な背景を知っておくと見え方が違ってくると思います。なお、こちらの建物はグラーベン8の近くに位置し、時計店などがテナントとして入っています。
13.金杯の家(Haus Zum Goldenen Becher)
ウィーン出身の建築家「アレクサンダー・ヴィーレマンス(Alexander Wielemans、1843年〜1911年)」が設計し、1882年に建てられた建物。ローマ皇帝や女性の装飾画が特徴的。シュテファン大聖堂近くに位置し、カフェ「Aida」がテナントとして入っています。
14.ウィーン経済・経営大学の図書館、学習センター
東京・新国立競技場の設計で話題になったザハ・ハディド(1950年〜2016年)が設計し、2008年から2013年にかけて建設された建物。経営と経済に特化したオーストリア最大の専門図書館。
15.DC Tower 1
フランス人建築家「ドミニク・ペロー(Dominique Perrault、1953年〜)」が設計し、2010年〜2013年に建設されたオーストリアで最も高いビル。5つ星ホテルのメリア ヴィエナ「Melia Vienna」などがテナントとして入っています。
最後に
以上がウィーンで印象に残った建築物になります。気になる建築物はありましたか?
筆者は特にオットー・ワーグナーとフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーが設計(デザイン)した建物、アリク・ブラウアーハウスとヴィラ・ビアーが印象に残りました。ヴィラ・ビアーはアドルフ・ロースが設計した建物を巡っていた際に偶然発見し、目を奪われた建物になります。
そのほか、ウィーンには今回紹介した建築物以外にも歴史のある宮殿などもあります。宮殿については別の記事を作成しておりますので、気になる方は以下から記事をご覧ください。
なお、今回紹介した建築物の場所は以下のグーグルマップを確認してください。それでは、ぜひみなさんもウィーンで建築物巡りを楽しんでください!