ウィーンの美術史美術館を攻略しよう!ブリューゲルの代表作が見所?

ウィーン

美術史美術館はウィーンで最も訪れるべき美術館!

そこはまさにルーベンス天国だった?!ピーテル・ブリューゲルの代表作が展示されている?グスタフ・クリムトが手掛けた壁画とは?

美術史美術館はオーストリア最大の美術館であり、世界的にも重要な美術館の一つになります。今回は美術史美術館で押さえておくべき5人の巨匠、レンブラントやフェルメールなどの見逃せない作品、フロアガイドなどを紹介します。ぜひ、美術史美術館を訪れる際の参考にしてください。

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美術史美術館(Kunsthistorisches Museum)について

美術史美術館は皇帝フランツ・ヨーゼフによって建設され、1891年に開館した美術館です。熱心に絵画収集を行っていた神聖ローマ皇帝「ルドルフ2世(1552年〜1612年)」などハプスブルク家の歴代皇帝達のコレクションを中心に展示されており、特にルネサンス、バロック期の絵画が見所になります。

絵画のほか、コインコレクション(日本の小判や富壽神寳を含む)、パピルスやワニのミイラなど古代エジプトのコレクション、古代ギリシャや古代ローマのコレクション、ハプスブルク家の皇帝達が収集した美しい金細工品などの美術品も展示されています。これから巨匠5名の絵画、その他の見逃せない絵画、その他コレクションを写真付きで紹介していきます!

押さえておくべき巨匠5名

1.ピーテル・ブリューゲル(Pieter Bruegel)

ピーテル・ブリューゲルは1500年代に現在のベルギー・アントワープなどを拠点に活躍した画家で、写真の「バベルの塔」が代表作の一つになります。美術史美術館には多くのピーテル・ブリューゲル(子のヤン・ブリューゲル含む)の作品が展示されています。

ピーテル・ブリューゲルの作品はその当時のヨーロッパの生活が等身大で描かれているため、服装や食事、遊び方などを知ることができる重要な資料の一つだと思います。そして、その生活がいきいきと描かれているため、見ていてとても楽しくなります。なお、中世ヨーロッパは読み書きができない人が多かったため、そういった人達にも分かりやすく文化を紹介するといった目的があったのかもしれません。

■雪中の狩人、農民の婚宴

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2.ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)

ピーテル・パウル・ルーベンス(1577年〜1640年)はフランドル絵画の巨匠と呼ばれ、アントワープ聖母大聖堂の「キリストの昇架」や「キリストの降架」など多くの傑作を描いた人物。見所の一つが写真の「毛皮をまとったエレーヌ・フールマン」になりますが、展示されている場所が大広間ではなく、通路のような場所だったので、ご覧になる方は注意してください。なお、エレーヌ・フールマンはルーベンスの再婚相手です。

そのほか、美術史美術館はルーベンス天国とも言えるほどのコレクション数を誇っており、以下の作品や自画像、肖像画など多くの作品を楽しむことができます。

■「ロヨラの聖イグナチオの奇跡」、「聖フランシスコ・ザビエルの奇跡」

■「聖母被昇天」、「イルデフォンソの祭壇画」

3.アンソニー・ヴァン・ダイク(Anthony van Dyck)

アンソニー・ヴァン・ダイク(1599年〜1641年)は現在のベルギー・アントワープ出身の画家です。アントワープの著名画家「ヘンドリック・ファン・バーレン」から絵画を学び、ルーベンスの助手として経験を積み、イングランド国王チャールズ1世の宮廷画家として活躍し、数多くの傑作を生み出していきました。美術史美術館には今回紹介する絵画に加え、肖像画も多く展示されています。

■「聖ロザリアの戴冠」、「福者ヘルマン・ヨーゼフと聖母マリアの神秘的な婚約」

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4.アルブレヒト・デューラー(Albrecht Dürer)

アルブレヒト・デューラー(1471年〜1528年)は神聖ローマ帝国(現在のドイツ・ニュルンベルク)出身のルネサンス期の画家です。写真は「皇帝マクシミリアン1世の肖像」になり、神聖ローマ皇帝「マクシミリアン1世」がニュルンベルクに滞在した際にデュラーと会い、1518年に肖像画の製作を依頼したものになります。以下の写真の「聖三位一体の礼拝」は1585年に神聖ローマ皇帝「ルドルフ2世」が購入した傑作で、豪華な額縁が印象的です。

■「聖三位一体の礼拝」、「一万人のキリスト教徒の殉教」

5.ディエゴ・ベラスケス(Diego Velázquez)

ディエゴ・ベラスケス(1599年〜1660年)はスペイン・セビーリャ出身の画家。マドリードに滞在した際、国王フェリペ4世の肖像画を描き、その後宮廷画家として召し抱えられました。当時のスペインはハプスブルク家が支配しており、今回紹介する絵画は近親婚を進めていたオーストリア、スペインのハプスブルク家のお見合い写真のような意味合いを持っています。なお、写真は「青いドレスのマルガリータ王女」になります。

■「皇太子フェリペ・プロスペロの肖像」、「ピンクのガウンのマルガリータ王女」

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その他の見逃せない作品

グスタフ・クリムト(Gustav Klimt)

グスタフ・クリムト(1862年〜1918年)はオーストリアを代表する画家の一人です。クリムトは上記の壁画を含め、美術史美術館で複数の壁画を手掛けています。若干分かりづらいところもありますので、ご覧になる方は注意してください。なお、こちらの作品については正面階段を上り、石像のところで振り返り、2階(現地では1階)の上の辺りを見ると確認できます。

ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)

■ヨハネス・フェルメール作「絵画芸術」

ヨハネス・フェルメール(1632年〜1675年)はオランダを代表する画家の一人で、「真珠の耳飾りの少女」などの作品で知られています。絵画芸術は1666年頃に描かれたもので、こちらも有名な作品の一つになります。なお、フェルメールと聞くと頭文字が“F”だと思いがちですので、ローマ字表記「Johannes Vermeer」を覚えてから美術館を訪れると良いと思います。

レンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Rijn)

■レンブラント・ファン・レイン作「自画像」

レンブラント・ファン・レイン(1606年〜1669年)はネーデルラント連邦共和国(現在のオランダ)出身のバロック画家です。こちらの自画像は1652年に描かれた作品になります。

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ヤン・ステーン(Jan Steen)

■ヤン・ステーン作「贅沢に気をつけよ」

ヤン・ステーン(1626年〜1679年)はオランダ黄金時代を代表する画家の一人。本作「贅沢に気をつけよ」は1663年に製作された作品になります。ヤン・ステーンは風俗画を多く手掛けており、その当時のヨーロッパの文化に触れることができるのでおすすめしたい画家の一人です。

ラファエロ・サンティ(Raffaello Santi)

■ラファエロ・サンティ作「牧場の聖母」

ラファエロ・サンティ(1483年〜1520年)はルネサンスを代表する画家の一人。ヴァチカン宮殿などで多くの作品を手掛け、遺体はローマのパンテオンに埋葬されています。本作「牧場の聖母」はラファエロが1506年に製作した作品になります。なお、現地では「Raffael」と表記されていますので注意してください。

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(Michelangelo Merisi da Caravaggio)

■カラヴァッジョ作「ロザリオの聖母」、「ゴリアテの首を持つダビデ」

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571年〜1610年)はイタリア・ミラノ出身のバロック絵画の巨匠。「ロザリオの聖母」、「ゴリアテの首を持つダビデ」ともに1607年頃に製作された作品になります。

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ジュゼッペ・アルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo)

■ジュゼッペ・アルチンボルド作「夏」

ジュゼッペ・アルチンボルド(1526年〜1593年)はイタリア・ミラノ出身でマニエリスムを代表する画家の一人。果物や野菜、動植物などによる奇妙な肖像画を多く手掛けています。奇妙さが先行しがちですが、物凄く繊細なタッチで描かれています。なお、美術史美術館には「夏」以外のジュゼッペ・アルチンボルドの作品も展示されています。

その他コレクション

■錬金術メダリオン(Alchemistisches Medaillon)

■金装飾された棺、装飾が綺麗な蓋付きカップ

■ローマの胸像群、ネックレスをした女性(AD161〜192年)

■古代エジプトコレクション

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フロアガイド

3階(2階):コインコレクション

2階(1階):絵画ギャラリー、カフェ

1.5階(0.5階):美術工芸、古代エジプト、古代ギリシャ・ローマコレクション

1階(0階):インフォメーション

半地下(-0.5階):クローク、ショップ

※かっこ部分は現地表記、トイレは半地下、1.5階、2階にあります。

基本情報

美術史美術館
営業時間 10:00〜18:00(木〜21:00)※月曜日は閉館日
料金 18ユーロ(ウィーン帝国宝物館との共通チケットは27ユーロ)
住所 Maria-Theresien-Platz, 1010 Wien(地図
最寄り駅 地下鉄U2「Museumsquartier」駅
公式サイト https://www.khm.at/

■所在地(マップ)

最後に

ピーテル・ブリューゲル、ピーテル・パウル・ルーベンス、アンソニー・ヴァン・ダイクといったフランドル絵画が質、量ともに満足度が高く、本当におすすめです。また、今回紹介した絵画以外にも、ジョルジョーネ、ジョヴァンニ・ベリーニ、ティツィアーノなどヴェネツィア派の作品なども見所です。

今回はあまり取り上げていませんが、金細工品など美術工芸が展示されているエリアもおすすめです。そちらには天体観測の道具、時計など当時の最先端の技術が注ぎ込まれたであろう工芸品、日本の螺鈿箪笥などが展示されています。

なお、昨今の環境活動家による絵画を汚す行為の影響か、飲み物(食べ物も)を持ち込むことができません。よって、長く滞在する場合は飲まず食わずで頑張るか、店内のカフェに行くしかなさそうです。ぜひ、こちらの記事を参考にして頂き、美術史美術館への訪問を検討して頂ければ嬉しいです。