ブダペストのおすすめ建築物15選!レヒネル・エデンの傑作とは?

ブダペスト

ブダペストで建築物巡りをしませんか

ハンガリーの「アントニ・ガウディ」と呼ばれるレヒネル・エデン設計の建物は必見?宿泊できる世界遺産の建物が2つもある?!ハリウッド映画のロケ地になった建物とは?

今回はハンガリーの首都「ブダペスト」にある15のおすすめ建築物を紹介します。「レヒネル・エデン設計の建物」「アラヨス・ハウスマン設計の建物」「ヨージェフ・ヴァーゴー設計の建物」「ヨージェフ・イグニャック・アルパール設計の建物」「その他のおすすめ建築物」のカテゴリーに分けて紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

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レヒネル・エデン設計の建物

レヒネル・エデン(Lechner Ödön、1845年〜1914年)は、ブダペスト(ペスト地区)出身の建築家です。ハンガリーにおけるアール・ヌーヴォー建築の先駆者で、ハンガリーの「アントニ・ガウディ」とも呼ばれています。トルコの民族芸術などからインスピレーションを得たセラミック装飾が施された建物が多く、唯一無二のレヒネル・エデン設計の建物は必見です。

1.旧ハンガリー王立郵便貯蓄銀行本店(Magyar Királyi Postatakarékpénztár)

旧ハンガリー王立郵便貯蓄銀行本店は1899年に着工され、1901年に竣工したアール・ヌーヴォー様式の建物です。美術家協会から高い評価を得るなど、レヒネル・エデンの傑作として知られています。草花の装飾や屋根の蜂の巣の装飾など、自然からインスピレーションを受けたアール・ヌーヴォー様式の特徴が表れています。なお、特徴的な屋根にはジョルナイ製のタイルが使われています。

住所:Budapest, Hold u. 4, 1054(地図
アクセス:地下鉄3号線「Arany János utca」駅から徒歩4分

2.ブダペスト応用美術館(Iparművészeti Múzeum)

ブダペスト応用美術館(※建物)は1893年〜1896年に建設されたハンガリー分離派様式の建物です。旧ハンガリー王立郵便貯蓄銀行本店にもつながる特徴的な屋根が印象的です。なお、ファサード(入口)には外装材として多くのセラミックタイルが使用されています。

営業時間:改装中
住所:Budapest, Üllői út 33-37, 1091(地図
アクセス:地下鉄3号線「Corvin-negyed」駅から徒歩1分
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3.ドレクスラー宮殿(Drechsler-palota)

ドレクスラー宮殿は、レヒネル・エデンとジュラ・パールトシュ(Gyula Pártos、1845年〜1916年)の設計により、1883年〜1886年に建設されたネオルネッサンス様式の建物です。ブダペストのブランド店街であるアンドラーシ通り沿いにあり、建物は世界遺産に登録されています。なお、現在は5つ星ホテル「【PR】W Budapest」がテナントとして入っています。

住所:Budapest, Andrássy út 25, 1061(地図
アクセス:地下鉄1号線「Opera」駅からすぐ

4.ハンガリー国立地質研究所(Magyar Állami Földtani Intézet)

ハンガリー国立地質研究所ビルは1898年〜1899年に建設されたアール・ヌーヴォー様式の建物です。屋根部分のデザインなどはレヒネル・エデンの特徴が良く出ています。建物は、サッカーやライブなどが開催されているスタジアム「プシュカーシュ・フェレンツ・シュタディオン」の近くに位置しています。なお、ハンガリー国立地質研究所はハンガリー最古の科学研究機関になります。

住所:Budapest, Stefánia út 14, 1143(地図
アクセス:地下鉄2号線「Puskás Ferenc Stadion」駅から徒歩12分
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5.トーネット邸(Thonet-ház)

トーネット邸はレヒネル・エデン、ジュラ・パールトシュなどの設計により、1888年〜1890年に建設されたハンガリー分離派様式の建物です。ドイツ系オーストリア人の家具職人兼実業家「ミヒャエル・トーネット」の息子達によって建てられたため、トーネット邸と呼ばれています。なお、ブダペストで最も賑わう買い物スポット「ヴァーツィ通り(Váci utca)」で一際目立っています。

住所:Budapest, Váci u 11 / A, 1052(地図
アクセス:地下鉄1号線「Vörösmarty tér」駅から徒歩3分

アラヨス・ハウスマン設計の建物

アラヨス・ハウスマン(Alajos Hauszmann、1847年〜1926年)はブダペスト(ブダ地区)出身の建築家です。ブダペスト工科経済大学の教授、学長を務めた人物で、ブダ城の再建を担当するなどハンガリー建築史における重要人物。1906年にはフランツ・ヨーゼフ勲章を受章しています。

6.ニューヨーク宮殿(New York-palota)

ニューヨーク宮殿はアラヨス・ハウスマンがナンドール・コルブ・フロリス(Nándor Korb Flóris、1860年〜1930年)、ギールグル・カルマン(Giergl Kálmán、1863年〜1954年)と共に設計し、1894年に完成した歴史主義様式の建物です。ニューヨーク生命保険会社の建物として建てられたため、ニューヨーク宮殿と呼ばれています。現在は5つ星ホテル「【PR】Anantara New York Palace Budapest Hotel」などとして利用されています。

住所:Budapest, Erzsébet krt. 9, 1073(地図
アクセス:地下鉄2号線「Blaha Lujza tér」駅から徒歩1分
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7.ブダペスト工科経済大学(Budapesti Műszaki és Gazdaságtudományi Egyetem)

キラールイ・ヨーゼフ工科大学(現ブダペスト工科経済大学)の中央棟はアラヨス・ハウスマンが設計を担当し、1904年〜1909年に建設された建物です。ドナウ川沿いの印象的な建物は世界遺産にも登録されています。

住所:Budapest, Műegyetem rkp. 3, 1111(地図
アクセス:地下鉄4号線「Szent Gellért tér-Műegyetem」駅から徒歩2分

8.旧ハンガリー王立司法宮殿(Magyar Királyi Igazságügyi Palota)

旧ハンガリー王立司法宮殿は1893年〜1896年に建設された折衷主義の建物で、国会議事堂近くに位置しています。ハンガリー王立裁判所として利用された後、ブダペスト民族博物館などとして利用されました。今後は再び裁判所として利用されるようです。

住所:Budapest, Kossuth Lajos tér 12, 1055(地図
アクセス:地下鉄2号線「Kossuth Lajos tér」駅から徒歩4分
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ヨージェフ・ヴァーゴー設計の建物

ヨージェフ・ヴァーゴー(József Vágó、1877年〜1947年)はルーマニア西部「オラデア」出身の建築家。一家はブダペストに移住し、ヨージェフは現在のブダペスト工科大学で建築を学び、レヒネル・エデンの事務所で経験を積みました。1902年に兄ラスローと共同事務所を開設し(1911年まで)、グーテンベルクの家など多くの建物の設計を手掛けました。

9.グレシャム宮殿(Gresham-palota)

グレシャム宮殿はヴォーゴー兄弟とジグモンド・クイットナー(Zsigmond Quittner、1857年〜1918年)の設計により、1907年に完成したハンガリー分離派様式の建物です。ロンドンの保険会社「Gresham」のブダペスト支店として建てられたため、グレシャム宮殿と呼ばれています。世界遺産として登録されているこちらの建物は、5つ星ホテル「【PR】フォーシーズンズホテル・グレシャムパレス」として利用されています。

住所:Budapest, Széchenyi István tér 5-6, 1051(地図
アクセス:地下鉄1・2・3号線「Deák Ferenc tér」駅から徒歩8分

10.グーテンベルクの家(Gutenberg-otthon)

グーテンベルクの家はヴォーゴー兄弟が設計し、1906年〜1907年に建設されたハンガリー分離派様式の建物です。完成後はヨージェフ・ヴァーゴー、レヒネル・エデンなどが住んでいました。マジョリカ柄の装飾が特徴的な建物ですが、写真でも分かる通り漆喰が剥がれるなど、かなり傷んでいる様子でした。

住所:Budapest, Scheiber Sándor utca 1, 1084(地図
アクセス:地下鉄4号線「Rákóczi tér」駅から徒歩3分
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11.アーカード・バザール(Árkád Bazár)

アーカード・バザールはヴォーゴー兄弟が設計し、1908年〜1909年に建設された建物です。ブダペストの大手玩具商社「Késmárky & Illés」の依頼により建てられました。ジョルナイ製のタイルなどで装飾された外観がとても特徴的です。描かれている人物が不気味なので、夜に見ると少し怖いかもしれません。

住所:Budapest, Dohány u. 22, 1074(地図
アクセス:地下鉄2号線「Astoria」駅から徒歩3分

ヨージェフ・イグニャック・アルパール設計の建物

ヨージェフ・イグニャック・アルパール(József Ignác Alpár、1855年〜1928年)はブダペスト(ペスト地区)出身の建築家。石工として働いた後、アラヨス・ハウスマンの下で建築を学び、経験を積み、アンカー宮殿といった折衷主義の建物を多く設計しています。

12.アンカー宮殿(Anker-palota)

アンカー宮殿は1908年〜1910年に建設された折衷主義の建物です。ウィーンの保険会社「アンカー」のブダペスト支店として建てられたため、アンカー宮殿と呼ばれています。なお、建物の入札にはレヒネル・エデンなどが応募していましたが、ヨージェフ・イグニャック・アルパールの設計が採用されています。

住所:Budapest, Deák Ferenc tér 6, 1061(地図
アクセス:地下鉄1・2・3号線「Deák Ferenc tér」駅から徒歩2分
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13.証券取引所宮殿(Tőzsdepalota)

証券取引所宮殿は1902年〜1907年に建設された折衷主義の建物です。名前の通り1948年まで証券取引所として利用され、その後はハンガリーテレビ(MTV)の本社などとして利用されました。なお、建物は2017年に公開されたハリウッド映画「ブレードランナー 2049」のロケ地になっています。

住所:Budapest, Szabadság tér 17, 1054(地図
アクセス:地下鉄2号線「Kossuth Lajos tér」駅から徒歩4分

14.旧ペスト第一国立貯蓄銀行(Pesti Hazai ElsőTakarékpénztár)

旧ペスト第一国立貯蓄銀行は1911年〜1915年に建設された建物です。ペスト第一国立貯蓄銀行の支店として利用された後、現在は「Hard Rock Cafe」や「H&M」などがテナントとして入っています。

住所:Budapest, Deák Ferenc u. 3-5, 1051(地図
アクセス:地下鉄1号線「Vörösmarty tér」駅からすぐ

その他のおすすめ建築物

15.パリシ・ウドバル(Párisi Udvar)

パリシ・ウドバルは、ヘンリック・シュマール(Henrik Schmahl、1849年〜1912年)の設計により、1909年〜1913年に建設されたネオゴシック、アール・ヌーヴォー様式などが混在した建物です。完成当時はショッピングアーケードやオフィスなどが入る複合施設として利用され、現在は5つ星ホテル「Párisi Udvar Hotel Budapest」などが入っています。

住所:Budapest, Petőfi Sándor u. 2-4, 1052(地図
アクセス:地下鉄3号線「Ferenciek tere」駅からすぐ
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最後に

ブダペストにはオーストリア=ハンガリー帝国時代(1867年〜1918年)に建設された歴史的建造物が多く残されており、今回紹介した全ての建物がその時代に建てられたものになります。その後は共産主義時代などもあり、印象的な建物が建てられることが少なくなっていきます。

オーストリア=ハンガリー帝国時代はアンドラーシ通りの整備など都市計画が行われ、ある程度の資金を投じて街づくりが行われていた印象があります。そのため、著名な建築家も生まれ、傑作とも言える多くの建築物が残されたのだと思います。

ブダペスト民族博物館のような面白い現代建築もありますが、ブダペストの建築物を見る際はぜひオーストリア=ハンガリー帝国時代の建物に注目してみてください。

なお、今回紹介した建築物の場所は以下のグーグルマップで確認してください。