スロバキアの首都「ブラチスラバ」は安全?それとも危険?
みなさんはブラチスラバの治安についてどのようなイメージをお持ちですか?
スロバキアにはジプシー(ロマ族)のスラムがあるほか、ウクライナと国境を接しているため、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の影響が気になるところです。実際の治安はどうなのでしょうか。
今回は筆者がロシアによるウクライナ侵攻後のブラチスラバの治安を調査。テロに関する情報や英国政府による注意喚起の情報なども掲載していますので、ブラチスラバ観光を計画されている方はぜひ参考にしてください。
危険レベルを確認しよう
海外旅行に行く前(計画する前)は、必ず「外務省 海外安全ホームページ」で滞在予定地の危険レベルを確認してください。
ブラチスラバについては2023年9月13日現在、危険情報は出されていませんが、旧市街の中心部やクリスマスマーケットなど混雑する場所ではスリなどに注意するようにしてください。
なお、海外安全ホームページでは、日本の外務省がレベル1「十分注意」、レベル2「不要不急の渡航は止める」、レベル3「渡航中止勧告」、レベル4「退避勧告」の4段階評価で各地域の安全情報を開示しています。
ブラチスラバの治安について
ブラチスラバの安全度(5段階評価):★★★
ブラチスラバの安全度は「問題なし」の星3つで評価しています。まずお伝えしたいのが、「移民」と「ホームレス」の少なさです。移民に関しては、ほぼ見かけることがありませんでした。周辺国と比較してスロバキアが貧しいということが理由の一つかもしれません。それは、生活に困った移民が犯罪に手を染めることが少ないということにつながり、治安面においては良いポイントです。
ホームレスに関しては、筆者は中心部、北東部(AVION Shopping Park Bratislavaまで)、ドナウ川沿いなどを中心に治安の調査をしましたが、ホームレスの方を発見することはありませんでした。寒さが影響していたのかもしれませんが、ウィーンなどでは夜になると中心部にホームレスの方が集まる傾向があったため、別の理由があるのかもしれません。ホームレスが少ないことも治安面ではプラスになります。
■本来なら星4つですが…
移民やホームレスが少なく、本来なら星4つ(良好)としたいところですが、旧共産圏ということで少し不気味な雰囲気があります。人々の目の冷たさ、質素で特徴のない建物、所々傷んだ建物、それらが理由だと思います。また、中心部から少し外れると歩いている人がまばらになるため、夜に行動する際は少し警戒する必要がありました。筆者の考え過ぎの可能性はありますが、念のために治安の評価は星3つにしています。
■筆者が遭遇した唯一の危険人物
トラム「Centrum」駅近くのスーパーマーケット「TESCO」の周辺で薬物中毒者と思われる男性に遭遇しました。一人でぶつぶつ何かを言いながらずっと笑っていたので、少し不気味でした。女性の旅行者の場合はこのような人物に遭遇した場合は、近くを通らずに回り道をしてください。薬物中毒者が人種差別主義者だった場合、力の弱い女性に危害が及ぶ可能性があるためです。
※安全度は、星5つ(最高)、星4つ(良好)、星3つ(問題なし)、星2つ(不安)、星1つ(最悪)で評価しています。
テロについて
2022年10月12日、ザーモツカー(Zámocká)にあるゲイバー「Tepláreň」で銃乱射事件が発生し、2名が死亡しています。犯人は19歳の男で事件後に自殺しています。犯人は反ユダヤ、反同性愛主義者で、事件当日はユダヤ人を探していましたが発見することができず、ターゲットをLGBTQI+の人に変更したと伝わっています。
スロバキアでは同性婚が法律で認められておらず、国民の中には同性愛について嫌悪感を抱いている人もいます。ブラチスラバ滞在でLGBTQI+系のバーなどに行く方は注意するようにしてください。なお、銃撃事件が発生した場所は、ブラチスラバ城の北にある3つ星ホテル「イビス・ブラティスラバ・ツェントルム」の近くです(※写真右から2番目の赤い看板)。
※スロバキアは一般市民の銃の所持が許可されています。
その他治安情報について
■英国政府による注意喚起
英国政府はスロバキア観光について、“スリやひったくりに注意し、所持品から目を離さないように”とアドバイスしています。また、ブラチスラバのスリは主要観光地周辺、特にクリスマスマーケットやバーで活動し、外国人をターゲットにしているとしています。また、駐在員や観光客が頻繁に訪れる場所などにおいては、無差別テロ攻撃のリスクを認識する必要があるとしています。
※出典:https://www.gov.uk/foreign-travel-advice/slovakia/safety-and-security
■夜の治安について
午後8時20分過ぎのフラヴネー広場になります。観光の中心地ですが、時間の割には人はまばらです。ただ、この辺りは女性一人で出歩いても問題ありません。女性で治安の気になる方はフラヴネー広場周辺のホテル、フラヴネー広場南のドナウ川近くにあるホテルを選べば良いと思います。中心部からやや東に外れたエリアは夜になると人通りが少なくなるため、やや注意が必要になります。
総括
- ウィーンやプラハなどと比較して移民、ホームレスは断然少ない
- 反同性愛主義者によるテロ事件が発生、関連施設に行く方は警戒を忘れずに
- クリスマスマーケットやバーではスリに要注意、所持品から目を離さないで
以上、ブラチスラバの治安について紹介しました。ブラチスラバは基本的に安全な都市だと思います。その一方、ブラチスラバ城周辺など観光地でも夜になると人通りがなくなる場所もあります。ブラチスラバ城周辺は街灯が暗く、人影になる場所が多いため、女性一人で夜景を見に行かないでください。
それでは、ぜひ上記を参考にブラチスラバ観光を楽しんでください。