フランスの首都「パリ」は世界遺産の宝庫!
フランス・パリの世界遺産はパリ近郊のヴェルサイユを含め、1979年に登録された「ヴェルサイユの宮殿と庭園」と、1991年に登録された「パリのセーヌ河岸」があります。
ルーブル美術館やエッフェル塔、シャンゼリゼ通りなどは世界遺産として登録されていますが、有名な凱旋門は世界遺産に登録されていなかったりします。今回はパリの世界遺産28ヵ所をまとめて紹介しますので、ぜひパリ観光の参考にしてください!
ヴェルサイユの宮殿と庭園(1979年に世界遺産登録)
1.ヴェルサイユ宮殿(Château de Versailles)
ルイ13世が狩猟ロッジを建設したのが起源。その後、ルイ14世によって改装され、1682年に政府と宮廷が移された歴史を持ちます。フランス革命後に王室はパリに移され、ヴェルサイユ宮殿は荒廃し、家具のほとんどは売却されました。1830年に王位に就いたルイ・フィリップにより、フランス歴史博物館に改装され、現在に至っています。
■ヴェルサイユ宮殿の「鏡の間」と「女王の寝室」
料金:28.50ユーロ(マリー・アントワネットの離宮などを含む)
アクセス:RER・C線「Versailles Château Rive Gauche」駅から徒歩12分(地図)
公式サイト:https://en.chateauversailles.fr/
2.ヴェルサイユ庭園(Jardins du château de Versailles)
1600年代に造設され、ルイ13世など歴代の王によって拡張が繰り返されていった庭園。広さは約830ヘクタールで、東京ドーム約176個分。フランス人造園家「アンドレ・ル・ノートル(André Le Nôtre)」が設計を担当。写真の通り、きれいに整備された庭園は見所満載です。
パリのセーヌ河岸(1991年に世界遺産登録)
3.ルーブル美術館(Musée du Louvre)
旧ルーブル宮殿。1100年代後半に要塞としてフィリップ2世(王)によって建設されました。その後、1317年にチャールズ5世によって王宮が建設され、ヴェルサイユ宮殿に王宮が移されて以降は王室の美術コレクションの収蔵、展示場所として利用されました。
レオナルド・ダ・ヴィンチ作の「モナリザ」のほか、「ミロのヴィーナス」や「サモトラケのニケ」などの彫刻、ハンムラビ法典など多くの有名コレクションを誇っています。誰もが知る著名な作品が多いため、時間にゆとりを持って訪れることをおすすめします。なお、無料入場の日は数時間待ちになることもあります。
■「モナリザ」と「ミロのヴィーナス」
料金:17ユーロ
アクセス:地下鉄1、7号線「Palais Royal – Musée du Louvre」駅からすぐ(地図)
公式サイト:https://www.louvre.fr/
4.オルセー美術館(Musée d’Orsay)
1898~1900年に建設された鉄道駅がもとになっている美術館。建設されていた駅は列車の長さに適さなくなったこともあり、1939年以降は近距離列車の専門駅になりました。1970年には駅を解体する許可が下りましたが、美術館として保存活用されることになり、現在に至っています。
ポール・セザンヌやクロード・モネ、ルノワールなど印象派のコレクションが豊富。また、ゴッホの「自画像」やミレーの「落穂拾い」、ポール・ゴーギャンの「タヒチの女」など多くの有名作品が展示されています。教科書などで見たことのある絵画が多く展示されているため、絵画に興味のない方も訪れてみてください。きっと感動されると思います。
■「落穂拾い」とゴッホの「自画像」
料金:16ユーロ
アクセス:地下鉄12号線「Solférino」駅から徒歩4分(地図)
公式サイト:https://www.musee-orsay.fr/
5.カルーゼル凱旋門(Arc de Triomphe du Carrousel)
1807~1809年に建設された凱旋門。ルーブル美術館近くに位置しています。1805年にナポレオン率いるフランス帝国軍がオーストリア軍を破ったウルムの戦いを祝すために建設されました。なお、一般的に有名なパリの凱旋門(エトワール凱旋門)は世界遺産に登録されていません。
アクセス:地下鉄1、7号線「Palais Royal – Musée du Louvre」駅から徒歩5分(地図)
6.チュイルリー庭園(Jardin des Tuileries)
パリ市内にある最古の庭園。1500年代にチュイルリー宮殿の庭園(イタリア式庭園)として造設され、1600年代にフランス式庭園に再設計されています。チュイルリー宮殿は焼失し、残った外壁も1883年に解体されています。なお、中央に見える観覧車は歴史的景観を保護するため、現在は撤去されています。
7.コンコルド広場(Place de la Concorde)
1755年にアンジュ=ジャック・ガブリエルによって設計され、1772年に完成した広場。フランス革命中の1793年には、ルイ16世やマリー・アントワネットの処刑が行われた場所として知られています。なお、広場にはかつてルクソール神殿の入口にあったラムセス2世を称えるオベリスク、5つ星ホテル「オテル・ドゥ・クリヨン(Hôtel de Crillon)」などがあります。
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アクセス:地下鉄1、8、12号線「Concorde」駅からすぐ(地図)
8.マドレーヌ寺院(Église de la Madeleine)
1763~1842年に建設された新古典主義建築のカトリック教会。フランス革命によって建設は一時中断されましたが、1806年に工事が再開されています。ジュールス・クロード・ジーグラー(Jules-Claude Ziegler)が手掛けたフレスコ画などが見所になります。
9.シャンゼリゼ通り(Avenue des Champs-Élysées)
チュイルリー庭園の延長として1667年にレイアウトされた通り。1774年に現代の道幅に拡張(側道部は1993年に拡張)されています。18世紀後半からファッショナブルな通りになり、長く流行の発信地になっています。なお、シャンゼリゼ通りにはルイ・ヴィトンの本店、5つ星ホテル「ホテル・パリ・マリオット・シャンゼリゼ(Hôtel Paris Marriott Champs-Élysées)」などがあります。
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10.グラン・パレ(Grand Palais)
1900年のパリ万博万国博覧会のために建設され、メイン会場として利用されました。現在は国立グラン・パレ美術館になっています。建物はボザール様式で、シャネルがコレクションを発表する場所としても知られています。
料金:展示により異なる
アクセス:地下鉄1、13号線「Champs-Élysées – Clemenceau」駅から徒歩2分(地図)
公式サイト:https://www.grandpalais.fr/
11.プティ・パレ(Petit Palais)
1900年のパリ万博万国博覧会のために建設され、現在はパリ市立美術館になっています。シャルル・ジロー(Charles Girault)が設計を担当。2018年に開催された「ジャポニスム2018」では、伊藤若冲作「動植綵絵」などが人気を集めました。
料金:展示により異なる
アクセス:地下鉄1、13号線「Champs-Élysées – Clemenceau」駅から徒歩2分(地図)
公式サイト:https://www.petitpalais.paris.fr/
12.アレクサンドル3世橋(Pont Alexandre III)
1900年のパリ万博にあわせて、1897~1900年に建設された橋。フランス大統領のサディ・カルノーとロシア皇帝のアレクサンドル3世の友好の証として、ニコライ2世によってパリ市に寄贈されました。
13.フランスの国民議会議事堂(Palais Bourbon)
ルイ14世の庶子「ルイーズ・フランソワーズ・ド・ブルボン」の命により、1722~1728年に建設された旧ブルボン宮殿。現在は国民議会の議事堂として利用されています。なお、ガイドツアーなどは現在中断されています。
14.パリ市庁舎(Hôtel de Ville)
1357年にエティエンヌ・マルセル(実質的なパリ市長)が「柱の家」と呼ばれた建物を購入したことが起源。フランソワ1世の命により、1533年に市庁舎の建設を決定し、1628年に建設工事が完了。その後、普仏戦争時の火災などを受けて、1873~1892年に再建されています。
15.エッフェル塔(Tour Eiffel)
1887~1889年に建設されたタワー。フリーメイソンとしても知られるギュスターヴ・エッフェル(Gustave Eiffel、1832年~1923年)が設計を担当。1889年にフランス革命100周年を記念してパリで開催された第4回万国博覧会のために建設されました。現在も多くの観光客を引き付け、パリの象徴的な建物になっています。
料金:11.30〜28.30ユーロ
アクセス:地下鉄6号線「Bir Hakeim」駅から徒歩10分(地図)
公式サイト:https://www.toureiffel.paris/
16.シャン・ド・マルス公園(Champ de Mars)
1908年に開園したエッフェル塔に隣接する公園。シャン・ド・マルスの虐殺を受けて、パリの初代市長「ジャン=シルヴァン・バイイ(1736〜1793年)」が処刑された場所として知られています。なお、写真正面の建物はエコール・ミリテール(旧陸軍士官学校)になります。
17.シャイヨー宮(Palais de Chaillot)
パリ万国博覧会にあわせて1935~1937年に建設された新古典主義建築の建物。旧トロカデロ宮殿が取り壊された場所に建てられました。なお、海洋博物館、人類博物館、文化財博物館などがあります。
18.サン・ルイ・デ・ザンヴァリッド教会(Eglise Saint-Louis-des-Invalides)※アンヴァリッド
1671~1678年に建設されたバロック様式の教会。アンヴァリッドとは、軍事博物館やドーム教会などの複合体を指します。なお、ドーム教会にはナポレオンの墓があります。
19.ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris)
司教「モーリス・ド・シュリー」が大聖堂の建設を決定し、1163~1345年に建設されたゴシック様式の教会。ナポレオン・ボナパルトの戴冠式が行われた場所であり、美しいステンドグラスが見所になります。2019年4月に大規模火災が発生、現在は修復作業が行われています。
■ノートルダム大聖堂の教会内部、ステンドグラス(火災前)
料金:無料(塔は10ユーロ)
アクセス:地下鉄4号線「Saint-Michel – Notre-Dame」駅から徒歩5分(地図)
公式サイト:https://www.notredamedeparis.fr/
20.パレ・ド・ジュスティス(Palais de Justice de Paris)
13世紀に建設されたカペー朝時代の王宮が起源。ジョセフ=ルイ・デュク、オノレ・ドメの設計により、1857~1868年に再建されています。なお、現在は破毀院(最高司法裁判所)、パリ大審裁判所など主要司法機関が置かれています。
21.サント・シャペル(Sainte Chapelle)
1248年に献堂された教会。フランス革命中にダメージを受けましたが、19世紀に復元されています。13世紀半ばに製作されたパリ最古のステンドグラスが見所。なお、バラ窓は15世紀に追加されたものになります。
料金:11.50ユーロ(コンシェルジュリーとの共通券は18.50ユーロ)
アクセス:地下鉄4号線「Cité」駅からすぐ(地図)
公式サイト:https://www.sainte-chapelle.fr/
22.コンシェルジュリー(Conciergerie)
10~14世紀に王宮として利用されていた建物。その後牢獄として使用され、フランス革命時の1793年にはマリー・アントワネットが投獄されていました。現在はパレ・ド・ジュスティスの一部として利用されています。
23.ランベール邸(Hotel Lambert)
1642年に完成した建物。ルイ・ル・ヴォー(Louis Le Vau)が設計を担当。シャルル・ルブラン(Charles Le Brun)などがインテリアを担当。政治サロンなどとして利用され、現在はカタールの王室が所有しています。
24.ローザン邸(Hotel de Lauzun)
1650~1658年に建設された建物。シャルル・シャモワ(Charles Chamois)が設計を担当。1928年以降はパリ市が保有しています。
25.サン・ルイ・アン・リル教会(Eglise Saint Louis en L’Ile)
1624~1726年に建設されたカトリック教会。フランソワ・ル・ヴォー(François Le Vau)が設計を担当。フランソワ・ル・ヴォーはランベール邸を手掛けたルイ・ル・ヴォーの弟で、王立建築アカデミーの創立メンバー。
26.ポン・ヌフ(Pont Neuf)
アンリ3世の命により、1578~1607年に建設された橋。現存するパリ最古の橋になります。ポン・ヌフは2つの橋で構成され、中央部分にはアンリ4世騎馬像(写真中央左)があります。
写真掲載以外のパリの世界遺産(パリのセーヌ河岸)
27.オテル・ド・ロアン(Hotel de Rohan)
アルマン・ガストン・マクシミリアン・ド・ロアン(Armand-Gaston-Maximilien de Rohan)が1705年に建設した建物。様式はバロック様式。現在はフランス国立公文書館の一部として利用されています。
28.オテル・ラモワニョン(Bibliotheque historique de la ville de Paris)
16世紀に建設されたルネサンス様式の貴族の館。現在はパリ市歴史図書館として利用されています。
最後に
上記の通り、パリには本当に多くの世界遺産があります。
世界一周のためにパリの世界遺産の場所や写真を探した際、それらがきちんと網羅されたWebサイトを見つけることが出来なかったため、今回はヴェルサイユを含むパリにある世界遺産を網羅した記事を作成しました。ぜひ、世界遺産巡りの参考にしてください!
※上記の世界遺産の場所は以下のグーグルマップにまとめています。