国家記念碑(Tugu Negara)は、マレーシアの首都「クアラルンプール」にあるモニュメントです。
近くにはレイク・ガーデン・パーク(Taman Botani Perdana)、アセアン彫像庭園(ASEAN Sculpture Garden)などがあり、周辺は緑の多い場所になっています。
今回は国家記念碑の概要、ブロンズ像に秘められた意味、アクセス方法などを紹介します。ぜひクアラルンプール観光の参考にしてください。
国家記念碑(Tugu Negara)について
国家記念碑は、第一次世界大戦(1914〜1918年)、第二次世界大戦(1939〜1945年)、マラヤ危機(1948〜1960年)で亡くなった人を追悼するために1963〜1966年に製作されました。
設置されているブロンズ像の高さは約15メートルで、リーダーシップや団結、強さ、勇気、犠牲などが表現されています。兵士7人が彫刻されており、上の5人はマラヤ危機時に戦ったマレーシア部隊・連合軍兵士を、横たわっている下の2人は敗北したマラヤ共産党を表しているとも言われています。
第二次世界大戦中、日本がマレーシアを統治していたため、日本と無関係のモニュメントではありません。第二次世界大戦などで亡くなられた全ての人々の冥福を祈るとともに、平和への思いを強固なものにするには訪れる価値があると思います。
■ブロンズ像の台座に書かれた言葉
・「Dedicated to the heroic fighters in the cause of peace and freedom」
⇒平和と自由のために戦った英雄たちに捧ぐ
・「May the blessing of Allah be upon them」
⇒アッラーの祝福が彼らにありますように
設計者について
オーストリア出身の彫刻家「フェリックス・デ・ウェルドン(Felix de Weldon、1907〜2003年)」が設計を担当。ウェルドンは20世紀を代表するモニュメント作家として世界的に知られています。
特に、アメリカ・バージニア州アーリントン墓地の近くにある海兵隊戦争記念碑(US Marine Corps War Memorial、通称:硫黄島記念碑)などを製作したことで知られています。
その他の見所
入口にあるモニュメントの塔、イスラムのシンボルが施された玉ねぎ型のドーム、噴水なども見所になります。特にブロンズ像と噴水がある場所からはクアラルンプール(セントラル駅方面)の景色を一望することができます。
さらに、国家記念碑プラザ(Plaza Tugu Negara)には売店が数軒あり、徒歩で来た観光客のオアシスとも言える場所になっています。
国家記念碑の基本情報
国家記念碑 | |
完成 | 1966年 |
高さ | 約15メートル(ブロンズ像) |
料金 | 無料 |
入場時間 | 7:00〜18:00(通常は毎日開館) |
最寄り駅 | LRT「Masjid Jamek」駅から徒歩20分 |
アクセス
LRT「Masjid Jamek」駅から徒歩25分ほどで行くことができます。詳しい道のりは以下のGoogleマップで確認してください。
■アクセス(マップ)
滞在後記
こちらの場所は行き方次第で好き嫌いが分かれる場所かもしれません。観光バスで来た場合は坂道の苦労がない分、満足度の高いものになる可能性があります。
その一方、歩いて行く場合は坂道になり、モニュメント周辺は観光的要素が薄く、長く滞在することはできません。そのため、苦労してここまで来たのに、という面が大きくなり満足度が低くなる可能性があります。
筆者は独立広場から歩いて行きましたが、一つの観光ルートとして捉えていたため、満足度は高く、良い観光ができたと思っています。独立広場⇒国家記念碑⇒レイク・ガーデン・パーク⇒国立モスクといった観光ルートで、ぜひ散策を楽しんでみてください。