マレーシアの首都「クアラルンプール」にある旧モスク(Masjid Jamek)は、クアラルンプール最古のモスクです。
マスジッド・ジャメ・スルタン・アブドゥル・サマド(Masjid Jamek Sultan Abdul Samad)が正式名称になり、地元の人には金曜日のモスク(Friday Mosque)として知られています。
スルタン・アブドゥル・サマド・ビル(旧連邦事務局ビル)などがあるムルデカ・スクエア(独立広場)近くに位置するため、マレーシアの歴史を知る上で訪れておきたいモスクです。今回は旧モスクの歴史、見所などを紹介します。クアラルンプール観光の参考にしてください。
旧モスク(Masjid Jamek)について
■共同墓地の上に建てられた?
旧モスクは1907〜1909年に建設され、1909年12月23日に正式公開されています。
モスクの建設費用は英国植民地政府、マレー住民などが負担し、マレー最初の「埋葬地(共同墓地)」の上に建てられるなど、興味深い歴史を持っています。
1965年に国立モスク(Masjid Negara)が建設されるまで、クアラルンプールにおける礼拝の中心地になっていました。国立モスク建設後も旧モスクは拡大され、現在では1000人の収容人数を誇っています。なお、モスクはホームレスのために避難所、食料の提供なども行っており、モスク内には寄付金を入れる箱も設置されています。
■入場について
肌を露出した格好(タンクトップ、ハーフパンツなど)では入場することができません。女性は入口でローブ、ヘッドカバーを借りることができるので安心してください。男性はTシャツ、ジーパン(長ズボン)で入場ができるので、予め入場できる格好で訪問する方がスマートです。
デザイン性が見所!
旧クアラルンプール中央駅など数多くの歴史的建造物を手掛けたイギリス人建築家「アーサー・ベニソン・ハバック(Arthur Benison Hubback)」が設計を担当しています。
インド・サラセン様式、ムガール様式などが取り入れられ、所々インドのような雰囲気を感じることができます。また、アーチなどはアーサー・ベニソン・ハバックが設計を手掛けた旧クアラルンプール中央郵便局などに似ており、建物を見比べてみるのがおすすめです。
そのほか、3つのドームが特徴的で、中央のドームは高さ21.3メートルあります。ドームの一つは1993年の大雨による影響で崩壊しましたが、その後修復、ドーム構造は強化されています。
旧モスク(Masjid Jamek)の基本情報
旧モスクの基本情報 | |
完成 | 1909年 |
設計 | アーサー・ベニソン・ハバック |
様式 | ムガール様式など |
収容 | 1000人 |
料金 | 無料 |
開館時間 | 10:00〜12:30/14:30〜16:00(金曜日は閉館日) |
アクセス | LRT・モノレールのマスジット ジャメ(Masjid Jamek)駅からすぐ |
※金曜日は礼拝者のみ入場可能です。
■所在地(マップ)
滞在後記
クラン川、ゴンパック川沿いは再開発「リバー・オブ・ライフ・プロジェクト(the River of Life Projec)」が行われ、旧モスク周辺は綺麗に整備されています。
筆者が訪れた時は工事の影響などにより内部に入ることができませんでしたが、外観の見学だけでも十分満足できるものでした。クラン川でのテスト放水もインパクトがあり、クアラルンプール観光では必ず訪れておきたい観光スポットになります。