ヴィクトール・オルタ設計の世界遺産は必見!タッセル邸、ソルベイ邸など

タッセル邸(Hôtel Tassel) ブリュッセル

「ヴィクトール・オルタ(Victor Horta、1861〜1947年)」はベルギー・ヘント出身の建築家で、アール・ヌーヴォー建築の父と称されています。

彼がブリュッセルで手掛けた建築物のうち4件が「建築家ヴィクトール・オルタの主な都市邸宅群(Major Town Houses of the Architect Victor Horta)」として2000年に世界遺産登録されています。

1900年前後に建設されたアール・ヌーヴォー様式に特徴を持つそれらの建物は、今もなお輝き続けています。そのうち、1892〜1893年に建設されたタッセル邸は最初のアール・ヌーヴォー様式の建物として知られています。

今回はヴィクトール・オルタが手掛けた4件の世界遺産について紹介します。なお、オルタが手掛けた世界遺産以外の建築物は以下をご覧ください。

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建築家ヴィクトール・オルタの主な都市邸宅群

1.タッセル邸(Hôtel Tassel)

タッセル邸(Hôtel Tassel)

おすすめ度(5段階):★★★★★

1892〜1893年に建設された邸宅。オルタの友人であったブリュッセル自由大学教授「エミール・タッセル(Emile Tassel)」にために設計されたことからタッセル邸と呼ばれています。

上記の通り、こちらの建物は最初のアール・ヌーヴォー様式の建物になります。建設当時、玄関を正面に配置したことは革新的でした。また、湾曲したファサード、大きな窓による採光、レンガ・自然石と鉄の融合、それらが評価されアール・ヌーヴォー様式の建物は今後拡大していくことになります。なお、残念ながら一般には公開されていませんが、玄関左には建物の説明書きがあります(英語、フランス語など)。

住所:Rue Paul Emile Janson 6, 1000 Ixelles(地図
アクセス:トラム81、93、94番線「Bailli」駅から徒歩1分
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2.ソルベイ邸(Hôtel Solvay)

ソルベイ邸(Hôtel Solvay)

おすすめ度(5段階):★★★★★

1894〜1898年に建設された邸宅。ベルギーの化学メーカー「ソルベイ(Solvay)」の創業者「エルネスト・ソルベイ(Ernest Solvay)」の甥「アルマン・ソルベイ(Armand Solvay)」がオーダーした建物になります。

弓のように湾曲したファサードが特徴的で、左右の窓は対称的に造られています。こちらの建物も大きな窓を多くすることで採光性が向上しています。高価な材料、豊富な資金によって設計された建物は今もなお高い評価を受けています。

こちらの建物は一般見学不可で、グループ予約による見学のみ受け付けています。なお、こちらにも英語、フランス語などによる案内板があります。

住所:Avenue Louise 224, 1050 Bruxelles(地図
アクセス:トラム81、93、94番線「Bailli」駅から徒歩1分
ホームページ:http://www.hotelsolvay.be/

3.ヴァン・エドヴェルド邸(Hôtel van Eetvelde)

ヴァン・エドヴェルド邸(Hôtel van Eetvelde)

おすすめ度(5段階):★★★★

1895〜1898年に設計された邸宅。1899〜1901年に拡張工事(写真右の手前)が行われています。ベルギー国王「レオポルド2世」の側近でコンゴ自由国の行政官「エドモンド・ヴァン・エドヴェルド(Edmond van Eetvelde)」がオルタに依頼した建物になります。

ソルベイ邸と同様に設計する際の自由度は高く、外観やインテリアなどにはオルタのアイデアがふんだんに取り入れられています。鉄の窓枠フレーム、モザイクパネルが特徴的です。こちらも大きな窓の採用により採光性の高い建物になっています。なお、こちらの建物は一般に公開されていません。

ヴァン・エドヴェルド邸の拡張部分

住所:Avenue Palmerston 2-4, 1000 Bruxelles(地図
アクセス:地下鉄1、5番線「Maalbeek」駅から徒歩7分
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4.オルタ邸(Maison & Atelier Horta)

オルタ邸(Maison & Atelier Horta)

おすすめ度(5段階):★★★★★

1898〜1901年に建設されたオルタ自身の邸宅。写真の右2つで構成されており、それぞれの建物は独立しています。中央はプライベート用、右側はアトリエとして利用されていました。現在はオルタ美術館として一般に開放されており、入口は写真中央の建物にあります。

アール・ヌーヴォー様式は植物や虫など自然主義が特徴であり、格子などでそのようなアプローチを確認することができます。また、建物上部にはトンボの羽のようなデザインもあり、外観だけでも見ていて楽しくなる建物になっています。内部は螺旋階段やガラス天井、アール・ヌーヴォー様式の家具などが見所になります。

開館時間:14:00〜17:30(月曜日は休館日)
料金:大人10ユーロ
住所:Rue Américaine 25, 1060 Bruxelles(地図
アクセス:トラム81、92、97番線「Janson」駅から徒歩1分
ホームページ:http://www.hortamuseum.be/
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滞在後記

今回紹介したアール・ヌーヴォー建築は世界遺産ということもあり、建物の魅力が十分伝わるような保存状態でした。その他のアール・ヌーヴォー建築には保存状態の悪いものがあり、このような建物を見たい方にはおすすめです。

また、タッセル邸、オルタ邸にかけては多くのアール・ヌーヴォー建築が集まるエリアになります。ポール・アンカール(Paul Hankar)など著名建築家の建物が多く、街歩きに最適だと思います。

なお、ヴィクトール・オルタ以外にも注目されるべき建築家は多く、ブリュッセルには魅力的なアール・ヌーヴォー建築が多く残されています。ぜひ以下の記事を参考にブリュッセルで建築物巡りを楽しんでみてください!

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