ベルギーの首都「ブリュッセル」には中世からの歴史を持つ教会が多く存在しています。
また、ルーベンスの絵画、16世紀に造られたステンドグラス、オルガン製作者「Pierre Schyven」が製作したパイプオルガンなど多くの見所があります。
そこで、今回はブリュッセルのおすすめ教会10ヵ所を紹介します。紹介する教会は入場無料になるため、宗教、歴史、文化を知る上でも教会巡りはおすすめです!
ブリュッセルのおすすめ教会10選
1.サン・ミッシェル大聖堂(Cathédrale Saints-Michel-et-Gudule de Bruxelles)
9世紀頃からの歴史を持つカテドラル。1047年にロマネスク様式の教会が建設された後、現在の建物はブラバント公「アンリ1世」の要請により、13世紀初頭から約300年という長い年月をかけて建設されたものになります。こちらのゴシック様式の建物は1983〜1999年にかけて修復作業が行われているため、外観はきれいに保たれています。
見所は16世紀に造られたステンドグラスの窓、17世紀に造られたバロック様式の説教壇(Hendrik Frans Verbruggen作)等になります。グラン・プラスから徒歩圏(約8分)にあるため、観光の際には最も訪れておきたい教会の一つです。なお、ページトップの教会内部の写真はこちらのものになります。
■ステンドグラス
開館時間:7:30〜18:00(土〜15:30)、日曜日は14:00〜18:00
アクセス:地下鉄1、5番線「Gare Centrale」から徒歩2分
2.ノートルダム・デュ・サブロン教会(Église Notre-Dame du Sablon de Bruxelles)
1304年に建設された礼拝堂が起源。現在の建物は15世紀に建設されたものになり、ベルギーで最も美しいゴシック様式の教会の一つとして評価されています。1348年、ベルギー第2の都市「アントワープ」からBéatrice Soetkensによって聖母像がもたらされたことにより、礼拝堂は聖地化し、拡大していったという伝説があります。見所は1697年に製作された説教壇(Marc de Vos作)等になります。
■ノートルダム・デュ・サブロン教会内部
3.サン・ジャック・シュル・クーデンベルグ教会(Église Saint-Jacques-sur-Coudenberg)
ロワイヤル広場に位置する12世紀に起源を持つ教会。現在の建物は1776〜1787年に建設された新古典主義建築のものになります。レオポルド3世などベルギー王族が洗礼を受ける場所になっており、王族と関わりの強い教会だと言えます。なお、こちらにあるパイプオルガンは、1884年にオルガン製作者「Pierre Schyven」によって製作されたものになります。
■サン・ジャック・シュル・クーデンベルグ教会内部
アクセス:トラム92、93番線「Koning」駅からすぐ
4.サン・ニコラ・デュ・ブリュッセル教会(Église Saint-Nicolas de Bruxelles)
12世紀頃からの起源を持つ教会。ロマネスク様式で建設され、その後再建、増築などを繰り返し、現在のファサードは1956年に再建されたものになります。なお、2002〜2006年に修復作業が行われています。
見所はルーベンス作の絵画。そのほか、Guillaume Herreyns作の「最後の晩餐」、Jean Van Orley作の絵画などもあります。場所はブリュッセル証券取引所の隣、グラン・プラスから徒歩2分の場所に位置しています。
開館時間:10:00〜17:30(月〜金)、9:00〜18:00(土・日)
アクセス:地下鉄1、5番線「De Brouckere」駅から徒歩4分
5.ノートルダム・ド・ラ・シャペル教会(Église Notre-Dame de la Chapelle)
12世紀に起源を持ち、13世紀に建設された教会。ロマネスク、ゴシック様式。1405年の火災で建物の一部が壊れ、15世紀半ばに再建。その後、1695年にはフランス軍の砲撃により鐘楼が破壊され、1699年にバロック様式で再建されています。なお、1989〜1996年に大規模な修復が行われています。
パイプオルガンは1890年にオルガン製作者「Pierre Schyven」が製作したもの。そのほか、16世紀に活躍した画家「ピーテル・ブリューゲル(Pieter Brueghel)が右側通路の礼拝堂に埋葬されています。
■ノートルダム・ド・ラ・シャペル教会内部
6.サン・ジャン・バプティスト・オ・ベギナージュ教会(Église Saint-Jean-Baptiste au Béguinage)
16世紀に起源を持つ教会。ゴシック様式で建設された教会は、1657年にバロック様式で再建されています。2000年に火災で建物の一部が壊れましたが、2004〜2006年にかけて修復されています。なお、見所はTheodoor van Loon作の絵画、18世紀に造られた説教壇になります。
開館時間:9:00〜17:00(曜日によって異なる)
アクセス:地下鉄1、5番線「Sainte Catherine」駅から徒歩3分
7.ノートルダム・ド・ボン・スクール教会(Église Notre-Dame de Bon Secours de Bruxelles)
12世紀に起源を持つ教会。現在の建物は17世紀中頃に建設されたものになります。建物は1695年のフランス軍の砲撃により破壊された後、修復されています。見所は18世紀に製作されたJean-Baptiste van der Haegen作の像等になります。なお、建築家「Jean Cortvrindt」が設計を担当しています。
■ノートルダム・ド・ボン・スクール教会内部
アクセス:トラム3、4、32番線「Anneessens」駅から徒歩3分
8.ノートルダム・デュ・フィニステール教会(Église Notre-Dame du Finistère)
15世紀の礼拝堂に起源を持つ教会。17世紀に礼拝堂は破壊され、現在の建物は1708〜1730年に建設されたバロック様式の建物。ファサード上部のマリア像は1857年に修復されたものになります。
アクセス:地下鉄2、6番線「Rogier」駅から徒歩4分
9.サント・カトリーヌ教会(Église Sainte-Catherine de Bruxelles)
15世紀に期限を持つ教会。現在の建物は1854〜1874年に建設されたもの。サント・カトリーヌ広場に位置しています。設計はブリュッセル最高裁判所等を手掛けたベルギー人建築家「ジョセフ・ポウラエール(Joseph Poelaert)」。写真は「Zwarte Toren」側から撮影。写真では歴史を感じますが、正面のファサードはきれいです。
アクセス:地下鉄1、5番線「Sainte Catherine」駅からすぐ
10.ロワイヤル・サント・マリー教会(Église Royale Sainte-Marie)
1845〜1853年に建設された王立教会。設計した建築家「Louis van Overstraeten」が1849年に亡くなったため、その後は「Gustave Hansotte」に引き継がれ、建物は1853年に完成しています。ビザンチン様式で建築された教会はその他ブリュッセルの教会とはデザインが異なること、ブリュッセル北駅近くに位置することからおすすめ教会の一つとして取り上げています。
アクセス:トラム93番線「Sint-Maria」駅からすぐ
滞在後記
各教会を巡って印象に残ったのは、木製のバロック様式などで製作された説教壇になります。16世紀〜18世紀頃に製作されたものが多く、いい仕事が施されていました。
ヨーロッパ等で巡ってきた教会の説教壇は木製、石製の比較的シンプルなものが多い印象でしたが、ブリュッセルの教会の説教壇は見応えのある彫刻で、ずっと見入っているほどでした。
ステンドグラスも歴史のあるものがあり、こちらも見所になると思います。また、パイプオルガン好きとしては、オルガン製作者「Pierre Schyven」が製作したパイプオルガンもおすすめしたいところです。
今回紹介した各教会は無料で入れるほか、アクセスも便利です。主要観光スポットから近い場所にあるので、ぜひ観光コースに入れて巡ってみてください!
※上記教会の場所については以下のグーグルマップ(緑色)にまとめています。