アントワープ生まれのブランド10選!注目のアントワープシックスとは?

エッセンシャル・アントワープ(ESSENTIEL ANTWERP)の店舗 アントワープ

世界有数のファッションの街「ベルギー・アントワープ」で生まれた10ブランドを紹介!

アントワープシックスで最も成功を収めたデザイナーは誰?アントワープ王立芸術アカデミーを首席で卒業したデザイナーが手掛けるブランドとは?ベビーアルパカの毛を使用した高品質ニットを提供しているブランドも?

今回は絶対に外せないアントワープ・シックスの2名が手掛けるブランドに加え、アントワープ王立芸術アカデミーの卒業生が展開しているブランド、世界中で展開されているエッセンシャル・アントワープなど、アントワープ生まれの注目すべきブランドを紹介します。ぜひ、アントワープ観光の参考にしてください。

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アントワープ・シックス

アントワープには多くのファッションデザイナーを輩出している「アントワープ王立芸術アカデミー」があります。1986年のロンドンファッションウィークでコレクションを発表した「アントワープ・シックス(Antwerp Six)」の登場により、アカデミー(ファッション学科)の知名度は向上、彼らの活躍によってアントワープはファッションの街として認識されるようになりました。アントワープ・シックスは以下の6名になります。

  • アン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)
  • ダーク・ビッケンバーグ(Dirk Bikkembergs)
  • ダーク・ヴァン・セーヌ(Dirk Van Saene)
  • ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)
  • マリナ・イー(Marina Yee)
  • ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)

アントワープ・シックス以外では、メゾン・マルジェラを設立したマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)、バレンシアガのクリエイティブディレクター「デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)」、デルヴォーのメンズラインのクリエイティブ・ディレクターとして活躍したブルーノ・ピータース(Bruno Pieters)などがアントワープ王立芸術アカデミー出身です。

こちらのカテゴリーでは、アントワープに本店があるアン・ドゥムルメステール、ドリス・ヴァン・ノッテンを紹介します。なお、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンクは、アントワープ王立芸術アカデミー・ファッション学科長として活躍しています。その他メンバーも個々に活躍していますが、今回は割愛させていただきます。

1.アン・ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)

アン・ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)本店

アン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester、1959年〜)が夫「パトリック・ロビン」と設立したブランド。彼女は1981年にアントワープ王立芸術アカデミーを卒業、フリーデザイナーとして働いた後、同ブランドを設立しています。

モノクロを基調とした落ち着いたデザインが特徴ですが、少し攻撃的でエレガントなデザインが多くの人を魅了しています。価格は、オーソドックスなジャケットがメンズ、レディースともに20〜40万円ほど、Tシャツが4万円前後とやや高めです。なお、アン・ドゥムルメステールは2014春夏コレクションを最後にデザイナーを引退しています。

■本店
営業時間:10:00〜18:30(日曜日は定休日)
住所:Leopold de Waelplaats, 2000 Antwerpen(地図
最寄り駅:トラム4番線「Museum」駅からすぐ
公式サイト:https://www.anndemeulemeester.com/

■アン・ドゥムルメステール本店内部

アン・ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)本店内部

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2.ドリス・ヴァン・ノッテン(DRIES VAN NOTEN)

ドリス・ヴァン・ノッテン(DRIES VAN NOTEN)本店

アントワープ出身のドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten、1958年〜)が1985年に設立したブランド。祖父、父がブティックを経営していたため、幼い頃からファッションに精通。彼は1981年にアントワープ王立芸術アカデミーを卒業し、ブランドを設立。その後、1989年に現在の本店を出店しています。アントワープ・シックスで最も成功を収めたデザイナーであり、東京や大阪、パリなどに直営店があります。

1993年10月、ホテル・ジョルジュ・サンク・パリでレディースの初コレクションを開催。“花”をテーマとし、プリント生地を初めて使用。ファッション評論家「スージー・メンケス」がショーを称賛したこともあり、注文が殺到。ショーは商業的に大成功を収めました。また、ショーの数カ月後にマドンナが服を着用したことも、ブランドが飛躍するきっかけになりました。

デザインはシンプルなものもありますが、花柄が多く採用されている印象です。また、インドの民族衣装にインスピレーションを受けているため、エスニック的な要素も取り込まれています。なお、筆者はWOWOWで観ましたが、Amazonで映画「ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男」のDVDが販売されています。興味のある方はぜひ観てください。

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■本店
営業時間:10:00〜18:30(日曜日は定休日)
住所:Nationalestraat 16, 2000 Antwerpen(地図
最寄り駅:プレメトロ3・5・9・15番線「Groenplaats」駅から徒歩1分
公式サイト:https://www.driesvannoten.com/

■ドリス・ヴァン・ノッテン本社が入るビル(写真中央)

ドリス・ヴァン・ノッテン本社が入るビル

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その他注目ブランド

3.クリスチャン・ワイナンツ(Christian Wijnants)

クリスチャン・ワイナンツ(Christian Wijnants)本店

ベルギー・ブリュッセル生まれのクリスチャン・ワイナンツ(Christian Wijnants、1977年〜)が2003年に設立したブランド(レディースがメイン)。クリスチャン・ワイナンツは1996年にアントワープ王立芸術アカデミーに入学、2000年の卒業コレクションで「Dries Van Noten Award」を受賞。卒業後はドリス・ヴァン・ノッテンなどで経験を積み、同ブランドを設立。2015年9月にアントワープ本店を出店。独特な色合い、植物をモチーフにしたデザインが特徴。価格はコートが18万円前後、ニットが8万円前後、パンツが7万円前後になります。

■本店
営業時間:10:30〜18:00(日曜日は定休日)
住所:Steenhouwersvest 36, 2000 Antwerpen(地図
最寄り駅:プレメトロ3・5・9・15番線「Groenplaats」駅から徒歩3分
公式サイト:https://www.christianwijnants.com/

4.エッセンシャル・アントワープ(ESSENTIEL ANTWERP)

エッセンシャル・アントワープ(ESSENTIEL ANTWERP)の本社

デザイナーのエスファン・エグテサディ(Esfan Eghtessadi)、妻で元モデルのインゲ・オンセア(Inge Onsea)が1999年に設立したブランド。Tシャツのコレクションから開始し、4シーズン後にはジャケット、ニット、シャツなどがコレクションに追加され、ブティック数も拡大して行きました。2004年には初のメンズコレクションも発表しています。日本では長澤まさみさんがドラマ「コンフィデンスマンJP」などで着用しています。

※写真はエッセンシャル・アントワープ本社。

■アントワープ旗艦店(レディース)
営業時間:10:00〜18:30(日曜日は定休日)
住所:Huidevettersstraat 57/59, 2000 Antwerpen(地図
最寄り駅:トラム4・7番線「Oudaan」駅から徒歩1分
公式サイト:https://www.essentiel-antwerp.com/
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5.キプリング(kipling)

キプリング(kipling)本店

1987年にアントワープで設立されたバッグブランド。世界60ヵ国以上で展開されており、日本ではL&Sコーポレーションが正規総輸入販売元になっています。独自素材の「クリンクルナイロン」は軽量かつ耐久性、撥水性に優れており、多くのユーザーから支持されています。ブランド名はノーベル文学賞を受賞したラドヤード・キップリング(Rudyard Kipling)が由来。代表作「ジャングル・ブック」に登場するサルがシンボルになっています。アントワープには旗艦店などがありましたが、現在は閉店しています。

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公式サイト:https://kipling.jp/

6.コモノ(KOMONO)

コモノ(KOMONO)本店

アントン・ヤンセンス(Anton Janssens)、ラフ・マエス(Raf Maes)が2009年に設立したブランド。時計、アイウェアが中心。ブランド名は日本語の「小物」が由来。時計の文字盤デザインはシンプルですが、物凄く洗練された印象です。アイウェアは種類が豊富で、定番系からオリジナリティ溢れるものまで幅広く取り揃えられています。価格は時計、サングラスともに1万円前後と、手が届きやすい価格になっています。

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■本店
営業時間:10:00〜18:00(日曜日は定休日)
住所:Kammenstraat 46, 2000 Antwerpen(地図
最寄り駅:トラム4番線「Sint-Andries」駅から徒歩2分
公式サイト:https://www.komono.com/

7.LNニッツ(LNKNITS)

LNニッツ(LNKNITS)本店

エレン・ケーゲルス(Ellen Kegels)が2005年に設立したニットブランド。フェアトレードを行っている点が最大の特徴。全てのアイテムがアントワープでデザインされ、ニット製品などは高品質なベビーアルパカの毛が取れるペルーで製造されています。ニット以外ではオーガニックコットン製のTシャツなども取り扱われています。レディースがメインですが、キッズもあります。女性店員さん(デザイナー?)は愛想がいい人だったのですが、本店は閉店しています。

公式サイト:https://www.lnknits.com/
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8.ナタリー・ブリースハウア(Nathalie Vleeschouwer)

ナタリー・ブリースハウア(Nathalie Vleeschouwer)本店

ナタリー・ブリースハウア(Nathalie Vleeschouwer)が2010年に設立したブランド。ナタリー・ブリースハウアはアントワープ王立芸術アカデミーを中退後、1990年にマタニティウェアブランド「フラジャイル(Fragile)」を設立。その後、2010年に同ブランドを設立しています。力強い色彩が魅力で、着心地にも定評があります。価格はジャケットが3万5000円ほど、ニットやパンツ、ブラウスが2万円前後になります。

■本店
営業時間:10:00〜18:00(日曜日は定休日)
住所:Kammenstraat 82/84, 2000 Antwerpen(地図
最寄り駅:トラム4番線「Sint-Andries」駅から徒歩3分
公式サイト:https://www.nathalievleeschouwer.be/

9.スキャパ(SCAPA)

スキャパ(SCAPA)の旧本店

ブライアン・レディング(Brian Redding)が1967年に設立したブランド。ブランド名の「SCAPA」はバイキング語の隠れ家という意味。1968年にファッション誌「ELLE」などでセーターが特集され、ブランドは成長して行きました。自然色など温かみのある色合いが特徴で、エレガントかつ優しい印象を与える服が多く提供されています。

営業時間:10:00〜18:00(日曜日は定休日)
住所:Leopoldstraat 11, 2000 Antwerpen(地図
最寄り駅:トラム4・7番線「Oudaan」駅から徒歩3分
公式サイト:https://scapa.jp/

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10.ステファン・シュナイダー(STEPHAN SCHNEIDER)

ステファン・シュナイダー(STEPHAN SCHNEIDER)本店

ドイツ出身のステファン・シュナイダー(Stephan Schneider、1969年〜)が1995年に設立したブランド。ステファン・シュナイダーは1990年にアントワープ王立芸術アカデミーに入学、1994年に首席で卒業しています。現地価格はコートが6万円、ジャケットが4万円、シャツが2万7000円ほどでした。セール時には40〜50%オフ程度の値引きが行われている場合があります。

※価格は商品によって異なります。

■本店
営業時間:11:00〜18:30(日曜日は定休日)
住所:Reyndersstraat 53, 2000 Antwerpen(地図
最寄り駅:プレメトロ3・5・9・15番線「Groenplaats」駅から徒歩1分
公式サイト:https://www.stephanschneider.be/

番外編

レ・ゾム(LES HOMMES)

レ・ゾム(LES HOMMES)のアントワープ旗艦店

ベルギー出身のデザイナーデュオ「トム・ノッテ(Tom Notte)、「バート・ヴァンデボッシュ(Bart Vandebosch)」が2002年に設立したメンズブランド。両氏ともアントワープ王立芸術アカデミーを卒業しています。本店はイタリア・ミラノにありますが、番外編ということで同ブランドを紹介します。

筆者がアントワープ旗艦店を訪れた際、ストアマネージャーのマーイケ・ノッテ(Maaike Notte)氏(※写真の女性)が応対してくれました。マーイケ・ノッテ氏はトム・ノッテ氏の妹になり、とにかくフレンドリーな人柄でした。カラーは黒系が多いですが、デザイン性は高く、生地もしっかりしています。

■アントワープ旗艦店
営業時間:11:00〜18:30(日曜日は定休日)
住所:Armeduivelstraat 6, 2000 Antwerpen(地図
最寄り駅:トラム4・7番線「Oudaan」駅から徒歩4分
公式サイト:https://www.leshommes.com/

■レ・ゾムのアントワープ旗艦店内

レ・ゾムのアントワープ旗艦店内

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滞在後記

アントワープは最初に持っていたイメージ以上にファッションの街でした。ポップアップストアなどでは若手デザイナーの作品を見ることができ、アントワープブランドのブティックも多く展開されています。それらの多くがアントワープ王立芸術アカデミーファッション学科出身のデザイナーによるもので、いかにアカデミーが街の発展や活性化に一役買っているか分かります。

筆者の印象に残っているのは、番外編で紹介したレ・ゾム(LES HOMMES)のマーイケ・ノッテ氏です。終始にこやかに対応してくれ、製品に関する質問はもちろん、日本はファッション面でも刺激があって好きな国と言ってくれたりと、とても好感が持てる方でした。レ・ゾム以外のブティックも基本的に対応のいいところが多く、アントワープは気持ちよく買い物が楽しめる街という印象を持ちました。

今回紹介したブランド以外にも、アントワープには多くのブランドがあります。ぜひ、街を散策しながらアントワープのブランド店巡りを楽しんでみてください!

※上記ブランドの場所はこちらのグーグルマップ(赤色)を確認してください。