マレー鉄道事務局ビル(Malayan Railway Administration Building)は、クアラルンプール旧中央駅の正面に位置する3階建ての歴史的建造物です。
周辺には国立モスク(Masjid Negara)、マレーシア・イスラム美術館(Muzium Kesenian Islam Malaysia)といった観光スポットがあります。それらを訪れたついでに、歴史的建造物であるマレー鉄道事務局ビルも訪れたいところです。
今回はマレー鉄道事務局ビルの歴史、様式、アクセス方法などを紹介します。
マレー鉄道事務局ビルについて
マレー鉄道事務局ビルは、イギリス人建築家「アーサー・ベニソン・ハバック(Arthur Benison Hubback)」の設計により、1914〜1917年(英国統治時代)に建設されました。
ムルデカ・スクエア(独立広場)にあるスルタン・アブドゥル・サマド・ビル(旧連邦事務局ビル)から始まった記念建造物プログラム(Monumental Buildings Programme)の最後の建物として建設されています。
マレー連合州鉄道(Federated Malay States Railways)の本社として利用され、現在はマレーシア鉄道公社(KTM Berhad)の本社として利用されています。そのため、内部見学はできません。
様式、見所について
■様式について
ムルデカ・スクエア(独立広場)にある歴史的建造物と同様にムーア様式が取り入れられています。そのため、建物からはモスクのようなイスラム的要素を感じ取ることができます。そのほか、ドームやアーチからはギリシャ建築、ゴシック建築による影響を垣間見ることもできます。
■見所について
こちらの建物の最大の見所はアーチの美しさになります。1階には97、2階には94、3階には171ものゴシック様式のアーチがあります。回廊のような特徴的なデザインは現在においても目を引く存在です。
アーチという空間的処理がなされているのにも関わらず、建物にはしっかりとした重厚感があります。その辺りからデザイン性の素晴らしさを感じ取ることができます。
マレー鉄道事務局ビルの基本情報
マレー鉄道事務局ビル | |
完成 | 1917年 |
階数 | 3階 |
様式 | ムーア様式など |
設計 | アーサー・ベニソン・ハバック |
最寄り駅 | KTMコミューター「クアラルンプール駅」 |
内部見学 | 不可 |
アクセス
KTMコミューターのクアラルンプール駅を下車してすぐ。
ただし、KTMコミューターは使い勝手が非常に悪いので、RapidKLのパサール・スニ(Pasar Seni )駅から歩いて行く方がおすすめです。
■所在地(マップ)
滞在後記
筆者はクアラルンプールの歴史的建造物を見るために訪れましたが、目的が違ってもきっと印象に残る建物の一つだと思います。
目の前のクアラルンプール旧中央駅は漆喰の白色が特徴ですが、こちらはこげ茶のようなカラーになっており、あたかも陰と陽を表しているかのようです。
また、アーチや柱には丁寧な仕事がなされており、建物の只者ではない感を感じることができました。ここまで多くのアーチがある建物は珍しく、歴史を含めてとても見所のある建物でした。国立モスクから近く、主要観光地の一角にあるため、ぜひ皆さんも訪れてみてください。