人気観光地「クアラルンプール」の治安は大丈夫?
今回はマレーシアの首都「クアラルンプール」の治安について紹介します。物価が安く日本人にも人気の観光地ですが、旅行を計画する際に治安情報は押さえておきたい項目です。
実際に滞在して得た情報、マレーシア人の友人から得た情報を中心に解説していきますので、ぜひクアラルンプール観光の参考にしてください!
クアラルンプールの治安について
■治安評価(5段階):★★★★
観光客が訪れる主要観光エリアは治安上の問題が少ないと言えるため、治安評価は星4つとしています。
主要観光エリアとは、KLCC地区(ペトロナスツインタワー周辺)、ブキッビンタン(Bukit Bintang)地区、ムルデカ・スクエア(独立広場)周辺、チャイナタウン、セントラル駅周辺になります。
しかし、観光客が訪れる場所でも注意すべきポイントがいくつかありました。以下の3点を通してクアラルンプールの治安について詳しく解説していきます。
外務省の海外安全ホームページをチェックしよう
※出典:外務省の海外安全ホームページ
海外旅行に行く前(計画する前)に、必ず「外務省 海外安全ホームページ」(画像)を確認するようにしてください。日本の外務省が、レベル1「十分注意」、レベル2「不要不急の渡航は止める」、レベル3「渡航中止勧告」、レベル4「退避勧告」の4段階で各地域の安全情報を開示しています。
クアラルンプールについては2023年7月29日現在、危険情報は出されていませんが、新型コロナウイルスの影響による失業などにより、スリやその他犯罪が増加する可能性には注意してください。
実際に滞在して感じたクアラルンプールの治安
昼夜問わず主要観光エリアを中心に歩き回りましたが、治安面で不安を感じることはありませんでした。出発前から危険なイメージは持っていませんでしたが、やはりイスラム教徒が多いため、テロなどの不安はありました。しかし、実際に行ってみると、中東諸国といい意味で雰囲気が異なっており、安心感を持って観光を楽しむことができました。
KLCC地区、ブキッビンタン地区は女性も安心!
KLCC地区はペトロナスツインタワー周辺、ブキッビンタン地区はショッピングモール「パビリオン(Pavilion)」周辺になります。KLCC公園ではレイク・シンフォニー(噴水ショー)が19時〜22時まで開催されているほか、ショッピングモールも22時閉店のところが多く、ブキッビンタン地区には有名な屋台街「アロー通り(写真)」もあります。
これらの地区は夜遅くまで多くの人がいるため、女性でも安心して外出できますが、客引き詐欺やスリなどには注意するようにしてください。
注意!夜間は人通りが少なくなります
主要観光エリアでも夜は薄暗く、人通りのない通りも多いです。女性1人の場合はそのような場所を避けて、できるだけ明るく、人通りのある通りを歩いてください。または電車やバス、タクシーなどの交通機関を利用するようにしてください。
観光客が注意すべきエリアとは?
治安面は基本的に問題がないと感じましたが、薬物中毒者や路上生活者のいる地域は注意すべきだと言えます。男性の場合は特に気にする必要はありませんが、女性の一人旅では夜間出歩く際の注意すべきポイントになります。
ただし、どの地域も日中は問題ありません。夜間外出の際に通りで1人きりにならないなど、念のために注意すべきエリアとして参考にしてください。
薬物中毒者エリア
■チャイナタウン
ヒンドゥー教寺院「スリ・マハ・マリアマン寺院」近くのスルタン通り(Jalan Sultan)で、薬物中毒者と思われる女性が道行く人に絡んでいる光景を目にしました。
チャイナタウンは昔から麻薬常習者のいるエリアとして知られています。現在は役所や警察の対応により改善傾向にはあるようですが、夜遅く出歩く場合は注意するようにしてください。なお、セントラル・マーケット周辺は観光客が多いため、治安面の問題はありません。
■チョウキット(Chow Kit)地区
数年前まで麻薬常習者や売人がいる地域(レッドソーン)として知られていました。こちらも役所などの対応が進んでおり、問題は改善傾向にあるようです。事実、筆者が出歩いた限りでも、特に問題を発見することはできませんでした。なお、ドライサミ通り(Doraisamy Street)にはナイトクラブが数軒あり、酔っぱらいとのトラブルには気をつける必要があります。
路上生活者エリア
■ラジャ・チュラン(Raja Chulan)駅周辺
ショッピングモール「パビリオン(Pavilion)」近くに位置していますが、夜になると人通りが少なくなります。ラジャ・チュラン通り(Jalan Raja Chulan)などに若い男性の路上生活者がいることがありました。主要観光地近くに位置しているため、夜間出歩く際は念のため注意するようにしてください。
■マレーシア国立博物館周辺
ダマンサラ通り(Jalan Damansara)の高架線下に路上生活者が居住しています(ページトップの写真)。観光客が行く場所ではありませんが、マレーシア国立博物館近くに位置しているため、気をつけるようにしてください。
■教会周辺
マスジッド・ジャメ(Masjid Jamek)駅近くにあるセント・ジョンズ大聖堂(St John’s Cathedral)、セントラル駅近くのタミル・メソジスト教会(Tamil Methodist Church)付近で路上生活者(以下の写真)を確認しています。教会という場所柄、周囲には路上生活者が集まりやすい傾向があります。危害を加えられることはあまり考えられませんが、注意するに越したことはありません。
番外編
■KLCC公園
レイク・シンフォニー(噴水ショー)を見るために、KLCC公園には多くの観光客が訪れています。多くの観光客が訪れるということは、それなりに「悪事を働こうとする人も集まる」ということです。
筆者はインド系夫婦(40代くらい)に声を掛けられ、日本の大きい金額のお札を見せてくれと英語で言われたことがありました。持っていないと答えてもなかなか去ってくれず、日本に住んでいたことがある、とにかく大きな金額のお札を見せてくれと連呼するばかり。完全に怪しかったので、その場から離れることにしました。
このような場合は絶対にお札を見せてはいけません。また、2人組であるため、1人がこちらの注意を引き、もう1人がスリをするパターンも考えられます。人が大勢いる場所でも、スリなどの犯罪行為には気をつけてください。
総括
クアラルンプールは安全な都市だと言えます。しかし、マレーシアのイスラム教徒比率は約6割であり、ISなどによるテロには要注意です。
ヨーロッパなどではテロ警戒のため、主要観光地には多くの警察官(軍人含む)が警備していますが、クアラルンプールは比較的警備が手薄との印象を受けました。
また、凶悪犯罪に巻き込まれるリスクは低いですが、スリなどは発生しています。バイクによるひったくりを防ぐため、歩道は道路側を通らない、貴重品はあまり持ち歩かないといった対策をしっかり行うようにしてください。