クアラルンプールから日帰りでプトラジャヤに行こう!
「プトラジャヤ」はマレーシアの首都「クアラルンプール」近郊にある行政都市です。
政府系機関の多くがクアラルンプールからプトラジャヤに移され、マレーシアにおける一大政治都市とも言える場所になっています。プトラジャヤ観光の魅力は再開発の進む街並み、そしてピンクモスクになります。クアラルンプールから日帰りで観光ができるため、ぜひとも訪れておきたいところです。
今回は「定番観光地」、「おすすめの建物」、「おすすめの公園」、「おすすめの橋」の4つに分けて、プトラジャヤのおすすめ観光スポットを24ヵ所紹介します。ぜひ観光の参考にしてみてください!
プトラジャヤの定番観光地
1. プトラ・モスク(Masjid Putra)
プトラ・モスクは、1997〜1999年に建設されたイスラム教スンニ派のモスク。ピンク色の花崗岩が使用されたドーム、外観が特徴的で「ピンクモスク」として知られています。
その美しさが多くの観光客を魅了しており、プトラジャヤで最も人気の高い観光地になっています。筆者が滞在した際も中国人観光客を中心に、多くの観光客が訪れていました。内部はピンク色できれいなドームが見所ですが、個人的には外から見る外観の景色の方が好みでした。
なお、建設費用は約2億5000万リンギット(約70億円)。特徴的なドームは高さ50メートル、ミナレット(塔)は高さ116メートル、収容人数は約1万5000人になります。
土曜日〜木曜日:9:00〜12:30、14:00〜16:00、17:30〜18:00
金曜日:15:00〜16:00、17:30〜18:00
料金:無料
住所:Persiaran Persekutuan, Presint 1, 62502 Putrajaya, Wilayah Persekutuan Putrajaya(地図)
※注意点:肌の露出がない服装の着用、禁煙、モスク内で騒がないなどルールを守るようにしてください。なお、入口でローブを借りることができます。
2. セレラ・プトラ(Selera Putra)
セレラ・プトラは、ピンクモスクに隣接するフードコート(地図)。ナシゴレンなどの現地料理、カレー、中華、ハンバーガーなど様々な料理が提供されています。デザートや飲み物を提供している店舗もあり、ピンクモスクを訪れた際の休憩場所としておすすめです。
予算は10リンギット(約350円)ほどで、値段は高くありません。筆者はチキンカレー(9.8リンギット)を注文しました。少し辛かったですが、日本人の口に合う美味しさだと思います。
3. トゥアンク・ミザン・ザイナル・アビディン・モスク(Masjid Tuanku Mizan Zainal Abidin)
トゥアンク・ミザン・ザイナル・アビディン・モスクは、2004〜2009年に建設されたモスク。6000トンもの鉄が使用されており、銀色をベースとした近代的な雰囲気の強いモスクです。
夜になるとモスクの明かりがプトラジャヤ湖に反射して幻想的な雰囲気を楽しむことができます。観光客がほぼいないため、入りづらさはありましたが、銀色を特徴とするモスクは独特な魅力がありました。周辺にはプトラジャヤ開発公社など変わった建物が多くあるため、プトラジャヤ観光では押さえておきたい場所になります。
料金:無料
住所:25, Jalan Tuanku Abdul Rahman, Presint 3, 62100 Putrajaya, Wilayah Persekutuan Putrajaya(地図)
その他情報:ローブを借りることも可能です。
4. マレーシア首相官邸(Pejabat Perdana Menteri Malaysia)
マレーシア首相官邸は、1997〜1999年に建設されたマレー様式・イスラム様式・ネオクラシック様式などを融合した建物。1999年4月にクアラルンプールからプトラジャヤへと首相府機能が全面移転されています。Aqidea Architectが設計を担当。中に入ることはできませんが、ピンクモスクに近く、記念撮影ポイントとしておすすめです。
5. ダタラン・プトラ(Dataran Putra)
ダタラン・プトラは、ピンクモスク、首相官邸などに囲まれたプトラジャヤの中央広場。1999年の都市完成とともに整備されました。首相官邸の正面に位置し、プトラジャヤの象徴的なランドマークの一つです。広場は幾何学模様のタイルが美しく、中央にはマレーシアの州旗を取り囲むように国旗が掲げられ、国家の統一を象徴する場でもあります。
6. プトラジャヤ・インターナショナル・コンベンション・センター(PICC)
プトラジャヤ・インターナショナル・コンベンションセンターは、2001〜2003年に建設された大型国際MICE施設。マレー伝統の銀製ベルトバックル「pending perak」の目を象った屋根が象徴的で、連邦政府ビルなどが望める高台に位置しています。そのため、プトラジャヤの景色を一望することができます。中心地からやや外れた場所にありますが、こちらから見る絶景は一見の価値ありです。
7. ミレニアムモニュメント(Monumen Alaf Baru)
ミレニアムモニュメントは、プトラジャヤ第2区の湖畔に建つ高さ68メートルのオベリスク型記念碑です。マレーシアの新千年紀到来を記念して建設され、2001年に完成しています。設計はT.R. Hamzah & Yeang社が担当。国花であるハイビスカスを模したデザインが特徴。基部には1400年から2000年までのマレーシアの歴史的出来事が刻まれており、展望デッキにはガラスパネルで歴史を学べる展示もあります。
8. プトラジャヤ湖(Tasik Putrajaya)
プトラジャヤ湖は、プトラジャヤ中心部に広がる人工湖(地図)。都市全体の約27%を占める面積約650ヘクタールを有しています。1997年の都市開発に伴い、水資源の確保や冷却効果、景観向上を目的として造成されました。湖はクルーズやウォータースポーツ、夜景鑑賞など多様なレジャーに対応しています。クルーズについては、「Cruise Tasik Putrajaya」を確認してください。そのほか、写真のように遊歩道が整備されているため、歩いて湖周辺を散策することもできます。
9. モロッカン・パビリオン・プトラジャヤ(Moroccan Pavilion Putrajaya)
モロッカン・パビリオン・プトラジャヤは、植物園(Taman Botani)の一角にあるモロッコをテーマとしたパビリオン。ラバトギャラリー、マラケシュギャラリーなどモロッコの建築文化などを見ることができます。装飾などはモロッコの職人により製作され、タイルの美しさなどが見所になります。ただし、アクセスが悪いため、時間に余裕のある方におすすめの施設になります。係員の悪態、建物の傷みなどは個人的に残念に感じました。
料金:3リンギット
住所:Presint 1, 62000 Putrajaya(地図)
プトラジャヤのおすすめの建物
10. マレーシア財務省庁舎(Kementerian Kewangan Malaysia)
マレーシア財務省庁舎は、プトラジャヤ第2区のビジョン大通り沿いに位置するマレーシア財務省の中央施設。2001〜2002年に建てられ、設計はGDP Architectsが担当しています。伝統的なマレー・イスラム様式の装飾を取り入れた外観が特徴。マレーシア財務省のほか、国家会計局、証券委員会、マレーシア国立銀行などが入っています。
11. マレーシア連邦法院・控訴法院庁舎(Mahkamah Persekutuan Malaysia)
マレーシア連邦法院・控訴法院庁舎は、マレーシア最高裁に相当する施設。クアラルンプールのスルタン・アブドゥル・サマド・ビルからプトラジャヤへ機能を移転する目的で建設されました。2003年に竣工し、2004年に正式開館しています。設計はaQidea Architectなどが担当。建築様式はイスラム、新古典主義などを融合し、タージマハル風の中央ドームと四隅の副ドームが印象的です。
12. プトラジャヤ公社複合ビル(Perbadanan Putrajaya)
プトラジャヤ公社複合ビルは、プトラジャヤの開発と管理を担う中枢施設。1997年に建設が計画され、1999年末に完成・稼働しています。設計はAquidea Architectsが担当。伝統的イスラム建築のモチーフを現代的解釈で具現化。特に巨大な「ゲートウェイ(Gerbang)」が印象的です。門からはトゥアンク・ミザン・ザイナル・アビディン・モスク、マレーシア連邦法院・控訴法院庁舎を見ることができます。
13. コンプレックス・イスラム・プトラジャヤ(Kompleks Islam Putrajaya)
コンプレックス・イスラム・プトラジャヤは、2011〜2016年に建設されたイスラム教関連の政府機関を集約した複合施設。設計はRSP Architectsが担当。モダンなイスラム建築の要素が取り入れられ、特にクルアーンの「御光(An-Nur)」に触発されたデザインが特徴です。
14. スアサナPjH(Suasana PjH)
スアサナPjHは、2013〜2017年に建設された14階建ての複合施設。設計はTR Hamzah&Yeang Sdn Bhdが担当。「プトラジャヤの宝石」としての象徴性が設計のテーマで、伝統的なマレーの「ソンケット」模様が施されたダイヤモンドのような多面体のガラスファサードが特徴です。なお、マレーシア財務省庁舎近くに位置しています。
15. ダルール・エサン宮殿(Istana Darul Ehsan)
ダルール・エサン宮殿は、2000年に竣工したセランゴール州のスルタンの別邸。プトラジャヤがセランゴール州からマレーシア連邦政府に移管されたことへの謝意として建設されました。イギリスのチューダー様式を基調に、重厚な石造りの外観と屋根が印象的です。一般公開はされていないものの、プトラ橋などから湖越しに眺める外観は絶好の写真スポットになっています。
プトラジャヤのおすすめの公園
16. プトラ・ペルダナ公園(Taman Putra Perdana)
プトラ・ペルダナ公園は、プトラジャヤ第1区の丘陵に広がる広大な都市型公園。1995年に着工、1997年に開園しています。敷地面積は約64ヘクタール。敷地内には、ピラミッド型に月と星の装飾が施された約20メートルのモニュメントがあります。園内には香り豊かなハーブガーデン、ジョギングコース、眺望デッキなどもあります。ライトアップされるモニュメントと緑豊かな樹林が織りなすパノラマ風景が見所です。
なお、パルス・グランデ・ホテルという5つ星ホテルもあり、シーズン次第ですが、1泊1万円以下で宿泊できます。
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17. セレラ・ラマン・ペルダナ(Selera Laman Perdana)
セレラ・ラマン・ペルダナは、プトラジャヤ第1区の首相官邸近くに位置する屋外型フードコート。2012年3月から本格的に稼働しています。約10の屋台キオスクで構成され、ロティチャナイやナシレマ、チャークイティオ、サテーなど伝統的なマレー料理を味わうことができます。中央の噴水は夜間にライトアップされ、幻想的なムードを演出します。屋外カフェのような開放感のもと、マレーシア料理を気軽に食べたい方におすすめです。
18. セリ・ダム公園(Taman Seri Empangan)
セリ・ダム公園は、プトラジャヤ・インターナショナル・コンベンションセンター近くに位置する都市型公園。プトラジャヤ湖とSeri Gemilang橋に隣接しており、水辺の風景と緑が調和した開放的な空間が魅力。園内にはジョギングに最適な遊歩道、日陰の休憩スペースなども整備されています。自然を感じながらの散策やピクニックを楽しみたい方、静かな場所で癒されたい方におすすめです。
19. 中国・マレーシア友好庭園(China-Malaysia Friendship Garden)
中国・マレーシア友好庭園は、2015年に開園した中国風の庭園。マレーシアと中国の外交関係樹立40周年を記念して建設されました。庭園は、広東省の伝統的な「嶺南様式」に基づいており、6つの主要な要素(山、水、石、建物、書道、植物)を取り入れています。Seri Saujana橋近くに位置し、湖沿いを散策する際に立ち寄りたい場所になります。
プトラジャヤのおすすめの橋
20. セリ・サウジャナ橋(Jambatan Seri Saujana)
セリ・サウジャナ橋は、2003年に完成した第4区と第7区を結ぶ全長300メートル、幅32メートルの橋。マレーシアのPJSI Consultantsが設計を担当。橋の上からモノレール吊り橋やトゥアンク・ミザン・ザイナル・アビディン・モスクなどを見ることができます。プトラジャヤ・セントラル駅側にも遊歩道があり、そちらは観光の穴場にもなっています。
21. セリ・ワワサン橋(Jambatan Seri Wawasan)
セリ・ワワサン橋は、政府機関が集まる第2区と住宅地の第8区を結ぶ全長約240メートルの斜張橋。マレーシアのPJSI Consultantsが設計を担当し、2003年に完成。マレーシアの伝統的な「ワウ(凧)」を模したデザインが特徴。夜になるとライトアップされるため、夜景ポイントとしても人気。特にプトラ橋から見るセリ・ワワサン橋がおすすめです。
22. セリ・ゲミラン橋(Jambatan Seri Gemilang)
セリ・ゲミラン橋は、2003年に完成した全長約240メートルの橋。プトラジャヤ・インターナショナル・コンベンションセンター近くに位置しています。設計はマレーシアのPJSI Consultantsが担当。フランス・パリのアレクサンドル3世橋を模した優雅なデザインが特徴。重厚感があり、橋自体がとても魅力的です。主要観光地は見えませんが、こちらから見るプトラジャヤ湖の景色が特におすすめです。
23. プトラ橋(Jambatan Putra)
プトラ橋は、1999年に完成した全長435メートルの橋。イラン・イスファハーンの歴史的なカジュ橋(Khaju Bridge)に触発されたデザインが特徴。4つの塔には展望デッキが設けられ、プトラジャヤ湖や周辺の景観が一望できます。夜間には、橋全体がライトアップされ、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。
なお、写真はプトラ橋から撮影したマレーシア首相官邸です。ピンクモスクやダルール・エサン宮殿の撮影はこちらがおすすめです。
24. プトラジャヤ・モノレール橋(Jambatan Monorel Putrajaya)
プトラジャヤ・モノレール橋は、プトラジャヤ湖を横断して造られた未完成の吊り橋。名前の通りモノレールを走らせるために建設されていましたが、モノレールのプロジェクト中止により、未完成になっています。設計はマレーシアのPJSI Consultantsが担当。古さはまだまだ足りませんが、廃墟マニアの方などにおすすめの場所です。
プトラジャヤへの行き方
クアラルンプールのセントラル駅からKLIAトランジット(各駅停車)に乗車し、2駅目のプトラジャヤ・サイバージャヤ(Putrajaya/Cyberjaya)駅で下車。片道約20分になります。
観光の中心地「プトラ・スクエア」までは、タクシーで10リンギットほど、バス(J05、L11、L15)で1リンギットほどになります。歩いている人はほぼ皆無ですが、徒歩で行くことも可能です。駅からプトラ・スクエアまでは約40分になります。
筆者は歩いてプトラジャヤを巡りましたが、合計で約17キロ歩いていました。広大な都市のため、タクシー移動をおすすめします。しかし、プトラジャヤ湖や建築物をのんびり歩いて巡ると、自分だけの面白い発見があるので、歩く旅もおすすめです。
滞在後記
ピンクモスクと政府系建築物を目的にプトラジャヤを訪問しましたが、予想より面白い観光をすることができました。
ポイントはやはり特徴的な建物群になります。街を歩けば面白い建物に当たるというほどで、この建物は何だろう、あの建物は何だろうと好奇心が湧き上がってくることに感動を覚えました。
また、プトラジャヤ湖沿いの遊歩道を歩いたことがとても良い思い出として残っています。プトラジャヤ・サイバージャヤ駅側の遊歩道を歩いている人は皆無です。念のため女性の独り歩きには注意が必要ですが、湖を挟んで見るプトラジャヤの建物群は格別です。
タクシーを利用した観光もいいですが、のんびりとしたプトラジャヤ観光を楽しんでみてはいかがでしょうか。