バトゥ洞窟(Batu Caves)は、クアラルンプール郊外のゴンバック地区にあるヒンドゥー教の聖地。
洞窟と寺院が一体となったこの場所は、自然と宗教が融合した独特の雰囲気を持ち、歴史・文化・信仰を感じられる場所として、国内外から多くの参拝者と観光客が訪れる有名スポットになっています。
今回はバトゥ洞窟の見所、注意点、アクセス方法などを紹介します。クアラルンプール観光を計画されている方は参考にしてください。
バトゥ洞窟(Batu Caves)について
バトゥ洞窟は、石灰岩の丘が侵食されてできた洞窟で、マレーシアにおけるヒンドゥー教の聖地になっています。インド以外にあるヒンドゥー教寺院として最も有名な場所であり、マレーシアはもとより、東南アジアなど各国のヒンドゥー教徒が訪れる巡礼地になっています。
古くは先住民が避難場所などとして利用していましたが、クアラルンプールのチャイナタウンにあるスリ・マハ・マリアマン寺院を建造したサミ・ピライ氏が礼拝の場所として広めたことがヒンドゥー教の聖地としての起源であると言われています。なお、100年以上の歴史を誇るこの場所はヒンドゥー教徒のみならず、多くの観光客が訪れる人気スポットにもなっています。
なお、最寄り駅はKTMコミューターの「Batu Caves」駅で、セントラル駅から約30分の場所になります。
バトゥ洞窟のシンボル、注意点とは
シンボル
■洞窟に向かう入口にはヒンドゥー教の神
洞窟の入口には、ヒンドゥー教の戦いの神「ムルガン(Murugan)」像(高さ42.7メートル)があります。この像は2004〜2006年に建設され、350トンのスチール板、300リットルの金塗料などが使用されています。
■愛すべき存在
バトゥ洞窟周辺(特に洞窟に向かう階段)には多くの猿がいます。ヒンドゥー教の聖典の一つ「ラーマーヤナ」で猿神「ハヌマーン」が登場することもあり、ヒンドゥー教徒は猿をとても大事にしています。階段などで猿を見かけた場合は追いかけ回したりせず、優しく見守ってあげるようにしてください。
注意点
■寺院に向かう最大の難所
寺院は地上約100メートルの場所にあり、洞窟に入るには「272段」の階段を上らなくてはいけません。緩やかな階段であれば問題ありませんが、結構な急勾配です。体力に自信がある人も、塀や手すりを利用しながら安全に登るようにしてください。
■Batu Caves駅近くのヒンドゥー教寺院に要注意
「Batu Caves」駅を降りた際、関係者と思われる人物達が駅近くの寺院(※写真は入口付近)に誘導しているようです。
バトゥ洞窟は無料ですが、こちらの寺院は15リンギットも取られるようです。バトゥ洞窟と混同し、チケット代を支払ってしまう人もいるようなので注意してください。
■ヒンドゥー教の祭り「タイプーサム」
1〜2月の満月に開催されるヒンドゥー教の祭り「タイプーサム」の際、洞窟内は多くのヒンドゥー教徒で混雑します。安全面などを考慮した場合、祭りが開催されている期間は滞在を見送る方が無難です。
■禁止事項
ハーフパンツでの訪問は禁止されています。また、タバコを吸ったり、つばを吐いたりする行為、階段を駆け上がることも禁止されています。さらに、注意書きにはありませんが、大声で騒ぐなど周りの迷惑になる行為は行わないようにしてください。
バトゥ洞窟の基本情報、アクセス
バトゥ洞窟 | |
入場時間 | 6:00〜21:00(通常は毎日入場可) |
階段 | 272段 |
料金 | 無料 |
最寄り駅 | KTMコミューター「Batu Caves」駅 |
アクセス
セントラル駅(KL Sentral)などからKTMコミューターに乗車。バトゥ・ケーブス〜ポート・クラン路線の終点になるバトゥ・ケイブス(Batu Caves)駅で下車してください。
Batu Caves駅の出口は2つありますが、荒々しい崖側の出口になります。駅の出口から30メートル弱の場所にバトゥ洞窟への入口があるので、迷うことはありません。
■所在地(マップ)
滞在後記
あまり期待せずに訪問したものの、結果はとても満足度の高いものでした。駅から見た荒々しい崖の景色がとても印象的で、入口にある巨大像はやはりインパクト抜群。
急な坂になっている階段も苦労して上り、そして下ると良い思い出に変わります。ただ、筆者が訪問した時もそうでしたが、雨の際は足場に注意するようにしてください。