みなさんはイタリア・ナポリの治安について、どのような印象をお持ちですか?
ナポリの治安についてネットで検索すると、スペイン地区やフォルチェッラ地区を筆頭に、危険だと連呼されています。旅行を計画する前、出発する前から楽しみを奪うような情報ばかりです。果たしてそれは本当なのか、みなさんは疑問に感じませんか?
筆者はネット情報を鵜呑みにしてナポリに行ったことを「後悔」しています。結果として心配していた時間が無駄だったためです。もちろん、気を付けるべきポイントはありました。
そこで、今回は実際に滞在した筆者がナポリの治安について4つの地区・地域別に解説し、安全度を5段階で評価していきます。ぜひナポリ観光、ホテル選びの参考にしてください。
ナポリの治安について
外務省のホームページによると、ナポリではバイクや自転車によるひったくりが多く、ナイフを使った強盗等の凶悪な事件も散見される指摘されています。観光客の犯罪被害については、主に置き引きやひったくり、スリなどが多いもようです。
■実際に滞在した感想
筆者がナポリに滞在していた際、トラブルらしいトラブルは起こらず、周囲でトラブルになっていることもありませんでした。ただし、移民(黒人系、イスラム系住民)の多さは気になりました。トラブルメーカーの多くは彼らであり、ヨーロッパ各地で問題を起こしています。
トラブルに遭わない秘訣としては、彼らのいない地域で過ごすことが一番ということになります。トラブルなく滞在するためには、現地でそのような地域の見極めが非常に重要になるので、気を付けてほしいポイントになります。
■現地警察について
また、現地の警察については、高級ブランドのコピー商品を堂々と売っている黒人男性に注意もしていなかったため、あまり頼りにならないと考えておいた方が無難です。つまりは自分の身は自分で守るという心構えが重要になります。
■ナポリの治安マップ
今回紹介するエリアを分かりやすくマークしていますので、これから説明する情報と共に参考にしてください。
1.スペイン地区(Quartieri Spagnoli)
■安全度(5段階):★★★
スペイン地区(クアルティエーリ・スパニョーリ(Quartieri Spagnoli))はトレド通り沿いにあり、上り坂になっている部分。ネット上で悪評高いのが、こちらの地区になります。
実際に歩いてみると、細い路地が入り組んでおり、雰囲気は少しスパッカ・ナポリに似ている部分があります。昔ながらのナポリの街並みを感じたい人にはとても面白い場所になっていますが、何か特別な建物などがある場所ではありません。そのため、気になる方はトレド通り付近を散策すればいいと思います。
治安については、日中歩き回った感じでは問題を感じることはありませんでした。外壁が傷んだ建物は多いですが、路上にゴミが散乱していないこと、危険地帯という割には落書きが少ないことから、ある程度の治安は保たれているように感じます。しかし、道幅は狭く、入り組んでおり、人目に付きづらい場所が多いので、夜間は入らない方が無難です。
なお、トレド通り近くの場所では、観光客向けのビジネスを行っている商店やレストランなどもあるので、治安面でも安心して観光ができます。
2.フォルチェッラ地区(Forcella)
■安全度(5段階):★★★
フォルチェッラ(Forcella)は、カモッラというマフィア絡みで治安が悪いとされている地区です。イタリア政府はマフィアの取り締まりを強化しており、10年前などと比較すると治安は良くなっていると考えられます。
フォルチェッラ通り(Via Forcella)周辺が該当地域になりますが、スペイン地区より路地のゴミが多く、雑草が生えっぱなしになっている場所、廃墟のような場所もあったりと、治安が良いと思える要素は感じられませんでした。
しかし、フォルチェッラ地区を歩き回ったところ、黒人男性などがたむろしていたり、危険な雰囲気を感じることはありませんでした。なお、見所が多い場所ではないので、治安が心配な人は立ち寄らなくてもいいと思います。
3.スパッカ・ナポリ(Spacca Napoli)
■安全度(5段階):★★★★
スパッカ・ナポリ(Spacca Napoli)は、フォルチェッラ地区からスペイン地区までを結ぶ長い通り。ナポリ歴史地区に位置し、世界遺産に登録されています。そのため、観光客が多く、観光客向けにビジネスをしている店も多くあります。
また、現地のおじいちゃん、おばあちゃんも普通に歩いており、日中歩く分には問題があるとは感じませんでした。ただし、通りから離れると狭い路地が入り組んでおり、人目に付きづらくなっています。日中でも奥に進むことは避け、夜間出歩くことはしないようにしてください。
なお、フォルチェッラ地区側の道幅が細くなるサン・ビアージョ・デイ・リブライ通り(Via San Biagio dei Librai)からトレド通りまでがおすすめの観光コースになります。
4.ナポリ中央駅周辺
■安全度(5段階):★★
治安面でスペイン地区よりも気になった地区がバスト(Vasto)地区になります。ナポリ中央駅にほど近いボローニャ通り周辺は多くの黒人男性がたむろしています。
また、コルソ・ノヴァーラ(通り)を歩いていると、ホームレスのような黒人男性に胸ぐらを掴まれ、“マネー(Money)”と言われたことがありました。年配の風貌だったので恐喝ではないと思いますが、治安の良い場所では起こり得ないことです。
さらに、ガリバルディ(Garibaldi)はスペイン地区以上に危険な場所になります。特にマンチーニ広場(Piazza Mancini)には警察車両が常駐しているほか、雰囲気的にも良くない場所が多いので注意してください。黒人男性やイスラム系男性がたむろしている光景をよく目にしますが、そのような場合は遠回りをしてでも避けるようにしてください。
なお、女性一人の場合は、ナポリ中央駅周辺には宿泊しない方がいいと思います。不便にはなりますが、グランド・ホテル・ヴェズヴィオなどサンタルチアにあるホテルの方が気分よく滞在できるはずです。
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滞在後記
筆者は治安に関するナポリのネット情報を鵜呑みにし、ある程度覚悟してナポリに向かいました。しかし、実際にナポリの街を歩けるだけ歩き回った結果、ナポリ中央駅周辺を除いて治安的な問題を見つけることはできませんでした。そのため、日中歩き回る分には問題ないと判断しています。
また、最近では警察や軍などが警備を強化しており、街角で軍人の姿を見ることが多くなっています。ただし、ナポリは細い路地が多いので、死角になりやすい場所での行動は注意するようにしてください。
そのほか、腕時計を付けていたら取られるなどといった情報もありますが、私のG-SHOCKは無事でした。手荷物について神経質になる必要はないと思いますが、ロレックスなどあからさまに高そうな腕時計やブランド品のバッグなどを避ければ、より安全にナポリ観光が楽しめると思います。