イタリア第4の都市「トリノ」の物価は高い?それとも安い?
5つ星ホテルには割安感?ビッグマックは購入場所で値段が違う?!老舗カフェのビチェリンは1杯いくら?
今回はトリノの物価について筆者が現地調査を実施。宿泊費や食費、主要観光地の料金、交通費など観光客向けに特化した情報をお伝えします。トリノ観光を計画されている方はぜひ参考にしてください!
トリノの物価について
■5段階評価(安⇒高):★★★
トリノの物価は星3つで評価しています。5つ星ホテルの安さは魅力的ですが、ホステルの料金がその他ヨーロッパ都市より高いこと、外食費の高さなどを考慮しています。
5つ星ホテルは1泊1万5000円前後で泊まれるため、こちらについては割安感があります。その他ホテルについては4000円台から個室に泊まることができますが、こちらはその他イタリアの都市とあまり変わりません。
また、物価を見極める上で重要になるビッグマックの価格ですが、こちらは6.90ユーロでローマ・ミラノと同水準、日本より高い水準になります。外食費は高いですが、スーパーマーケットで販売されている飲料水は日本より安く、その他食品類についても割高感を感じることはありませんでした。
■イタリアの付加価値税について
付加価値税(消費税)は22%(標準税率)。商品によっては軽減税率10%、4%が適用されます。食肉や薬、果物、鮮魚などは10%、生鮮野菜や牛乳、書籍、パンなどは4%になります。ブランド物などは免税手続きをすれば、支払った税金の一部が返金されます。
滞在費のモデルケース(1人で1週間滞在した場合)
- 5つ星ホテルの料金(6泊):10万2000円
- 飲食費(飲料水、食事):3万6000円
- 交通費:2400円
- お土産・その他費用:5000円
合計:14万5400円
5つ星ホテルは1泊1万7000円で計算(チップ含む)。飲食費は1日45ユーロ、最終日は30ユーロの合計300ユーロで計算。交通費は3日乗車券2枚分の20ユーロで計算。お土産・その他費用は5000円としています。
なお、ホテルのグレードや飲食費などを削減すればもっと安く滞在することができます。節約した場合、ホステルが1泊2200円、飲食費が1日20ユーロ、交通費は3日乗車券1枚分の10ユーロほどになり、1週間の滞在費の目安は約3万円になります。これからホテル代、飲食費などを紹介しますので、そちらから滞在費をイメージしてみてください。
■トリノへの渡航費について
トリノへはローマ乗り換えなどで空路で行くことができますが、費用が若干高くなる傾向があります。そのため、ローマもしくはミラノから電車で向かうのがおすすめ。ローマ発は25〜60ユーロ(片道)ほどで、所要時間は4時間20分〜6時間50分ほどになります。ミラノ発は8〜15ユーロ(片道)ほどで、所要時間は1〜2時間ほどになります。
なお、東京(羽田・成田)からローマ・ミラノへの往復航空券は10〜20万円台(1回乗り換え)が目安になります。
トリノのホテル代について
ランク | 1泊あたりの料金(目安) |
5つ星ホテル | 1万5000円前後 |
4つ星ホテル | 1万円台前半 |
3つ星ホテル | 7〜9000円台 |
2つ星ホテル | 6000円前後 |
ホステル | 2000円台 |
※料金は宿泊するホテルやシーズン、予約時期によって異なります。上記は一つの目安として参考にしてください。
ドミトリー形式のホステルは少なく、1泊2000円台とやや高め。その一方、1泊4000円台から個室に泊まることができます。2〜3つ星ホテルの多くは1泊1万円以下で泊まることができ、安いホテルはトリノの玄関口になる「ポルタ・ヌオヴァ駅」周辺に位置するものが多い印象です。ポルタ・ヌオヴァ駅周辺は黒人が多く、夜にチェックインを行う際は通りで一人にならないなど注意する必要があります。
5つ星ホテルは軒数が少ないですが、ほとんどが1泊1万円台で宿泊することができます。観光面・治安面を考慮した場合、トリノのブランド店街近くに位置する【PR】グランド・ホテル・シテア(Grand Hotel Sitea)がおすすめです。
トリノの飲食費について
品目 | 料金 |
飲料水(1.5L) | 0.30ユーロ |
コカ・コーラ(1.5L) | 1.59ユーロ |
オレンジジュース(1L) | 1.27ユーロ |
ヤクルト(7本入り) | 4.25ユーロ |
ビール・ハイネケン(330ml✕3本) | 3.19ユーロ |
ポテトチップス(180g) | 1.85ユーロ |
シリアルバー(6本) | 2.50ユーロ |
老舗カフェのビチェリン(1杯) | 4〜5ユーロ |
ビッグマックセット(M) | 6.90ユーロ |
レストラン | 25ユーロ |
※1ユーロ=124.50円(2020年11月28日現在)
飲料水からシリアルバーまでは現地のスーパーマーケット「カルフール」で調査した価格になります。店舗等により価格が異なる場合がありますので、目安として参考にしてください。
飲料水(1.5L)は0.30ユーロ(約36円)、コカ・コーラ(1.5L)は1.59ユーロ(約190円)、オレンジジュース(1L)は1.27ユーロ(約150円)になり、その他イタリア都市と同水準といったところ。飲料水を除き、食料品の物価は日本とあまり変わらない印象を受けました。
外食費については、ビッグマックセット(M)の価格は6.90ユーロ(約830円)になります。しかし、ポルタ・ヌオヴァ駅にある店舗では8.10ユーロ(約970円)になるため、購入場所によって値段が変わる点には注意が必要です。ビチェリンはホット・チョコレート、エスプレッソ、生クリームの3層からなるトリノ名物。料金は場所によって異なりますが、1杯4〜5ユーロほど。老舗カフェは若干入りづらいですが、思い出のためにも一度は訪れてみてください。なお、レストランの料金はピンキリになり、予算は20〜50ユーロほどをみておきたいところです。
トリノの主要交通機関の料金
トリノの主要交通機関は地下鉄、バス、トラムになります。チケットは共通で、主な料金は以下の通りです。
- 1回券:1.70ユーロ(刻印後100分間有効)
- 1日乗車券:4ユーロ(刻印後24時間有効)
- 2日乗車券:7.50ユーロ(刻印後48時間有効)
- 3日乗車券:10ユーロ(刻印後72時間有効)
交通の中心地はポルタ・ヌオヴァ駅(Stazione di Torino Porta Nuova)になりますが、トリノの観光地はポルタ・ヌオヴァ駅からトリノ王宮付近に集中しているため、交通機関を利用することなく観光が楽しめます。
そのため、地下鉄は乗る機会が少ないですが、トラムはトリノ中心部も走っています。そのため、お値打ち感のある1日乗車券を購入し、トラムに乗りながらトリノの街並みを見るのがおすすめです。なお、チケットは地下鉄駅の券売機などで購入することができます。
トリノの主要観光地の入場料
観光地 | 料金 |
トリノ王宮 | 15ユーロ |
トリノ市立古典美術館 | 10ユーロ |
モーレ・アントネリアーナ(展望台) | 8ユーロ |
エジプト博物館 | 15ユーロ |
サバウダ美術館 | 12ユーロ |
トリノの博物館巡りはトリノ・ピエモンテカード(Torino+Piemonte Card)がおすすめ。上記ではモーレ・アントネリアーナを除く博物館に入場することができるほか、ユベントス博物館なども対象になります。また、モーレ・アントネリアーナの展望台についても割引対象になります。交通機関が利用できるカードもありますが、今回は博物館のみ利用できるカードの料金を記載します。
- 1日券:27ユーロ
- 2日券:36ユーロ
- 3日券:43ユーロ
1日券は最大3つの博物館の訪問が可能。優先入場はなく、トリノ・ピエモンテカードを持っている場合でもチケット売り場に並ぶ必要があります。なお、トリノ・ピエモンテカードの詳細、最新情報は公式サイトで確認してください。
総括
- ビッグマックセットはローマやミラノと同水準
- ホステルは高めだが、5つ星ホテルは割安感が強い
- 観光は徒歩でも可能だが、乗り放題チケットは割安
トリノの物価はその他イタリア都市と同水準、その他ヨーロッパ都市と比較してやや安い印象を持ちました。ホステル以外の宿泊費は比較的安く、1日乗車券なども割安感が強い水準です。そのため、外食費以外は観光客に優しい都市だと言えます。
トリノは見所の多い都市ではありませんが、トリノ王宮や都市伝説で有名な聖骸布のある「サン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂」、セリエA「ユベントス」のホームスタジアムなどがあります。ミラノから安価に行くことができるため、1度は訪れておきたい都市だと言えます。
以上、トリノ観光の際はぜひ上記を参考にしてください!