水の都「ベネチア(ヴェネツィア)」は街全体と潟が「ベネチアとその潟」として1987年に世界遺産に登録されています。
水路が張り巡らされた迷路のような都市には古くからの歴史を持つ教会など多くの観光スポットが存在しています。今回は世界一周を通して印象に残った15カ所をおすすめ観光スポットとして紹介します。ぜひ、ベネチア観光の参考にしてください!
ベネチアの主要観光スポット
1.サン・マルコ寺院(Basilica di San Marco)
800年代に建てられたビザンチン、ゴシック様式の教会。900年代に火災に遭い、1000年代に現在の教会の再建が開始されました。その後、数度の大幅な改修を経て現在に至っています。黄金教会とも呼ばれるほど豪華な内装が見所。なお、寺院前にあるサン・マルコ広場(Piazza San Marco)がベネチア観光の中心地になります。
■サン・マルコ広場
2.ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)
800年代に建てられたベネチアンゴシック様式の宮殿。10世紀に宮殿の一部が火災により破壊され、14~16世紀にかけて改修されています。パオロ・ヴェロネーゼ(Paolo Veronese)などヴェネツィア派画家の絵画を見ることができます。
おすすめの教会
3.サンティ・アポストリ教会(Chiesa dei Santi Apostoli)
9世紀頃には存在したとされている教会。1021年、1575年に教会は再建されています。初期ルネサンス建築の例として重要な位置付けになっています。ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ(Giovanni Battista Tiepolo)、ジョバンニ・コンタリーニ(Giovanni Contarini)の絵画などが見所です。
4.サン・モイゼ教会(Chiesa di San Moise)
8世紀初期に建設された教会。ファサードは1600年代のバロック様式の彫刻で飾られています。それらの彫刻はアレッサンドロ・トレミニョン(Alessandro Tremignon)が手掛けたものになります。また、ティントレット(Tintoretto)、ニコロ・バンビーニ(Niccolò Bambini)などの絵画も見所です。
5.サンタ・マリア・デル・ジリオ教会(Chiesa di Santa Maria del Giglio)
バロック様式の教会。900年代に建てられましたが、火災などで1100年代に再建。現在の外観は1600年代に修復されたものになります。ファサードの彫刻はジュゼッペ・サルディ(Giuseppe Sardi)などの手によるもの。内部にはピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)の絵画などがあります。
6.サン・シメオン・ピッコロ教会(Chiesa di San Simeon Piccolo)
教会は9世紀に建設され、現在の建物は1718〜1738年に建てられたネオクラシック様式の教会。ジョヴァンニ・アントニオ・スカルファロット(Giovanni Antonio Scalfarotto)が設計を担当。一般には公開されていませんが、サンタ・ルチア駅から見る景色がおすすめです。
7.サン・ジェレミア教会(Chiesa di San Geremia)
11世紀に建てられた教会が起源。現在の建物は1700年代に着工され、1800年代に完成したネオクラシック様式のもの。カルロ・コルベリーニ(Carlo Corbellini)が設計を担当。アゴスティーノ・ウゴリーニ(Agostino Ugolini)、セバスティアーノ・サンティ(Sebastiano Santi)などの絵画が見所。
8.サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会(Basilica di Santa Maria della Salute)
1631〜1687年に建設されたバロック様式の教会。流行していたペストの沈静化を祈願して、建設が着工されたという歴史を持っています。ファサードの彫刻はトンマーゾ・リュー(Tommaso Rues)などが担当。ヴェネツィア派の巨匠「ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(Tiziano Vecelli)」の絵画などが見所になります。
9.サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会(Chiesa di San Giorgio Maggiore)
700年代後半に建設された教会が起源。1223年の地震で倒壊し、その後再建されています。現在の教会は1566~1610年に建設されたルネサンス様式のもの。鐘楼は1467年に建てられましたが、1774年に倒壊し、ネオクラッシク様式で1791年に再建されています。橋などでつながっていないため、ヴァポレット(水上バス)で行くことになります。
10.サン・ジョヴァンニ・グリゾストモ教会(Chiesa di San Giovanni Grisostomo)
1495〜1525年に建設されたルネッサンス様式の教会。11世紀頃からの起源を持つ。マウロ・コドゥッシ(Mauro Codussi)が設計を担当。ジョヴァンニ・ベッリーニ(Giovanni Bellin)が手掛けた祭壇画などが見所。セバスティアーノ・デル・ピオンボ(Sebastiano del Piombo)の絵画、トゥッリオ・ロンバルド(Tullio Lombardo)の彫刻などもあります。
11.サン・スタエ教会(Chiesa di San Stae)
10世紀頃からの起源を持つ教会。現在の教会はバロック様式で17世紀に再建されたもの。ドメニコ・ロッシ(Domenico Rossi)が設計を担当。
彫刻はジュゼッペ・トレット(Giuseppe Torretto)、アントニオ・タルシア(Antonio Tarsia)、ピエトロ・バラッタ(Pietro Baratta)などが製作。教会内にはヴェネツィア貴族「モチェニーゴ家」の墓などがあります。ジャンバッティスタ・ピットーニ(Giambattista Pittoni)の絵画も見所です。
おすすめの橋
12.アカデミア橋(Ponte dell’Accademia)
英国人「アルフレッド・ネヴィル(Alfred Neville)」の設計により、1800年代半ばに建設された橋。最初は鉄製でしたが、その後取り壊され、エウジェニオ・ミオッツィ(Eugenio Miozzi)が設計した木製の橋が1933年に開通しました。ベネチアの街を歩き回り、このアカデミア橋から見る景色が一番のお気に入りです。
■アカデミア橋からの眺め
13.リアルト橋(Ponte di Rialto)
12世紀に建設された舟橋が起源。運河全体で最も古い橋。木製の橋は群衆の重みにより、1310年、1444年、1524年に崩壊を繰り返したことから、現在の石の橋が建設されることになりました。橋の設計者としてミケランジェロ(Michelangelo)も検討されていましたが、アントニオ・ダ・ポンテ(Antonio da Ponte)が設計を担当し、1591年に完成しました。
14.ため息の橋(Ponte dei Sospiri)
ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)と刑務所を結ぶ橋(渡り通路)として1600年頃に建設されました。リアルト橋(Ponte di Rialto)を設計したアントニオ・ダ・ポンテ(Antonio da Ponte)の甥であるアントニオ・コンティーノ(Antonio Contino)が設計を担当。
なお、橋の名前については、囚人がこの橋を渡る際、美しいベネチアの景色を見られるのはこれが最後かと、「ため息」をついたことが由来になっているとされています。
その他おすすめ観光スポット
15.アルセナーレ・ディ・ベネチア(Arsenale di Venezia)
1100年代に造られた国立造船所跡。こちらで製作された船により、ヴェネツィア共和国は貿易等で繁栄していきました。現在は海洋史博物館として一部が公開されています。料金面などを考慮すると博物館はやや物足りない印象ですが、建物自体は素晴らしく、散策ついでに見ておくことをおすすめします。
最後に
ベネチアには上記で取り上げた教会以外にも、古い歴史を持つ建物が多くあります。
最低でも2泊3日の日程で、ベネチアの街を歩き回り、歴史的建造物を発見する、それがベネチア観光の醍醐味だと思います。
水の都と呼ばれるその名の通り、入り組む水路、路地を冒険すれば、きっと忘れられない思い出ができると思います。ぜひ、上記を参考に観光を楽しんでください。
※上記の観光スポットの場所は以下のグーグルマップ(赤色)にまとめています。