ベルギーの世界遺産都市「ブルージュ」のおすすめ観光地を15ヵ所紹介!
ミケランジェロ作の「聖母子像」がある教会はどこ?グルーニング美術館の見所は?中世の街並みが見れるおすすめの広場とは?運河を見るおすすめスポット、中世の門も掲載!
今回は実際に滞在した筆者が「世界遺産」「運河を見るおすすめスポット」「歴史的建造物」などのカテゴリーに分けておすすめ観光地を紹介。バランスよく選んでいますので、ぜひブルージュ観光の参考にしてください!
世界遺産
ブルージュは旧市街全体が「ブルージュ歴史地区」として世界遺産に登録されているほか、「ブルージュの鐘楼」、「ブルージュのベギン会院」の世界遺産もあります。今回はブルージュの鐘楼、ブルージュのベギン会院を取り上げますが、ブルージュの世界遺産については以下の記事にまとめています。ぜひ、そちらもご覧ください。
1.ブルージュの鐘楼(Belfort van Brugge)
「ベルギーとフランスの鐘楼群」の一つとして世界遺産に登録されている鐘楼(高さ83メートル)。13世紀に建設された木造の鐘楼に起源を持ち、現在のネオ・ゴシック様式の鐘楼最上部は1822年に改築されたものになります。366段の螺旋階段を登った先に展望台があり、そちらからブルージュの街並みが一望できます。
料金:12ユーロ
住所:Markt 7, 8000 Brugge, Belgique
アクセス:マルクト広場からすぐ
2.ブルージュのベギン会院(Begijnhof van Brugge)
「フランドル地方のベギン会修道院群」の一つとして世界遺産に登録されているベギン会院。フランドル伯爵夫人「マルグリット2世(Marguerite II、1202〜1280年)」が創設。登録されたベギン会院群の中で最も美しいと言われており、約30の白塗りの住居群が見所になります。
料金:無料(博物館は2ユーロ)
住所:Begijnhof 30, 8000 Brugge, Belgique
アクセス:ブルージュ駅から徒歩12分
運河を見るおすすめスポット
3.ダイフェル(Dijver)
ニーウ通り(Nieuwstraat)、ウォレ通り(Wollestraat)を結ぶ全長約230メートルの通り。また、通り沿いにある運河も同名になります。12世紀頃に要塞の一部として築かれるなど、古い歴史を持っています。上記の写真はローゼンフートカーイ(Rozenhoedkaai)にある人気撮影ポイントから撮影したものになり、左側にブルージュの鐘楼が見えます。周辺は1500〜1600年代に建てられた建物が多いため、ブルージュらしい景観を楽しむことができます。そのほか、通りには4つ星ホテルの「ホテル・ド・チュイルリーエン」があります。
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4.スピノラライ(Spinolarei)
写真左側の通りはスピノラライ(Spinolarei)、右側の通りはスピーゲルライ(Spiegelrei)、写真の先はヤン・ファン・エイク広場(Jan van Eyckplein)になります。歴史的建造物と運河、橋をきれいに見ることができる場所としておすすめ。運河沿いの建物はきれいに修復されているほか、夜景鑑賞をしている観光客がいないため、ゆっくり景色が楽しめる点がポイントです。
※おすすめの夜景スポットについては以下の記事をご覧ください。
おすすめの広場
5.マルクト(Markt)広場
マルクト広場がブルージュ旧市街の中心地になります。10世紀頃からマーケットとして利用され、世界遺産「ブルージュの鐘楼」はこちらの広場にあります。また、ギルドハウス群や1921年に完成したネオ・ゴシック様式の旧地方裁判所も見所です。
なお、広場には14世紀初頭の「コルトレイクの戦い」で、フランスの侵略からフランドルの独立を守った英雄「ヤン・ブレイデル(Jan Breydel)」、「ピーテル・デ・コーニンク(Pieter de Coninck)」の像が建てられています(※写真中央)。
■旧地方裁判所
6.ブルク(Burg)広場
ブルージュで最も古い居住地の一つ。2〜3世紀頃には人々が定住していたと考えられています。その後、初代フランドル伯爵「ボードゥアン1世」が9世紀に要塞を築いています。
見所は12世紀に建設された聖血礼拝堂(写真右)、1376〜1420年に建設されたブルージュ市庁舎(写真中央)、16世紀に建設された旧市民登録所(写真左)などの歴史的建造物になります。マルクト広場に隠れるような存在ですが、中世から現代まで政治・行政の中心地になっている広場は絶対に押さえておきたい場所だと言えます。
7.ヤン・ファン・エイク広場(Jan van Eyckplein)
18世紀に整備された広場。初期フランドル派のフランドル人画家「ヤン・ファン・エイク(Jan van Eyck、1390?〜1441年)」が名前の由来。広場には1470年に完成した池の家(Pijndershuisje)のほか、1600年代に建てられた歴史的建造物が軒を連ねています。かつては港だった場所になり、交易で富を得た富裕層などが暮らしていたエリアになります。そのため、中世の街並みを見るならこちらの広場は外せません。
■池の家(Pijndershuisje)※写真中央
おすすめの教会
8.聖サルバトール大聖堂(Sint-Salvatorskathedraal)
9世紀に建設された教会が起源。現在の教会は1250〜1350年に建設されたゴシック様式のもの。その後、改築や修復を経て、現在に至っています。なお、12世紀にロマネスク様式で建設された教会の一部は現在も残っています。
18世紀にジェイコブ・ファン・アインデ(Jacob Van Eynde)によって製作されたパイプオルガン、18世紀に製作されたタペストリーなどが見所。なお、2009年11月に強盗被害に遭い、聖杯や聖遺物の十字架など多くの宝物が盗まれています。
■聖サルバトール大聖堂内部
料金:無料
住所:Sint-Salvatorskoorstraat 8, 8000 Brugge, Belgique
アクセス:マルクト広場から徒歩6分
9.聖母教会(Onze-Lieve-Vrouwekerk)
13世紀に建設されたゴシック様式の教会ですが、それ以前に建てられていた礼拝堂が起源。塔の高さは115メートルになり、ブルージュで最も高い建物になります。最後のブルゴーニュ公・シャルル(1433〜1477年)の娘、マリー・ド・ブルゴーニュ(1457〜1482年)がこちらの教会に埋葬されています。
見所はミケランジェロ作「聖母子像」になります。ミケランジェロはサン・ピエトロ大聖堂にある「ピエタ」を製作した後、1501〜1504年にこちらの「聖母子像」を製作しています。なお、聖母子像が置かれている教会の一部は博物館になっており、入場料(6ユーロ)が取られています。
■聖母教会内部
料金:無料(博物館は6ユーロ)
住所:Mariastraat, 8000 Brugge, Belgique
アクセス:マルクト広場から徒歩7分
10.聖血礼拝堂(Basiliek van het Heilig Bloed)
12世紀半ばに完成した礼拝堂(カトリック)。ロマネスク様式で建設された後、15世紀にゴシック様式に改装されています。その後、フランス革命中に礼拝堂の上部は破壊され、19世紀前半に再建されています。
礼拝堂の名前はキリストの聖遺物(聖血)に由来しています。聖遺物はフランドル伯爵「ティエリー・ダルザス(1100年頃〜1168年)」が第2回十字軍遠征の際に、エルサレムから持ち帰ったと伝わっており、現在もこちらの礼拝堂に納められています。なお、聖遺物の見学は有料になります。
■聖血礼拝堂内部、ステンドグラス
料金:無料(博物館は2.5ユーロ)
住所:Burg 13, 8000 Brugge, Belgique
アクセス:マルクト広場から徒歩1分
おすすめの博物館
11.グルーニング美術館(Groeningemuseum)
18世紀前半に設立されたベルギーで最も古い美術館の一つ。15〜20世紀のフランドル、ベルギー絵画が主に展示されています。ヤン・ファン・エイクの傑作「ファン・デル・パーレの聖母子」、ヒエロニムス・ボスの「最後の審判」、ヘラルト・ダヴィトの「キリストの洗礼」など初期フランドル派の絵画が見所になります。
料金:12ユーロ
住所:Dijver 12, 8000 Brugge, Belgique
アクセス:マルクト広場から徒歩5分
12.メムリンク美術館 (旧聖ヨハネ施療院)
旧聖ヨハネ施療院は12世紀半ばに設立されたヨーロッパで最も古い病院の一つ。聖母教会の前に位置し、現在はメムリンク美術館、病院博物館、古い薬局が一般公開されています。見所はフランドル画家「ハンス・メムリンク(1430?〜1494年)」の傑作「聖ウルスラの聖遺物箱」、「洗礼者聖ヨハネと福音書記者聖ヨハネの三連祭壇画」になります。
料金:12ユーロ
住所:Mariastraat 38, 8000 Brugge, Belgique
アクセス:マルクト広場から徒歩7分
13.ブルージュ・ビール博物館(Bruges Beer Experience)
マルクト広場近くに位置するビール博物館。日本語対応のタブレット端末(iPad Mini)で展示物の説明を読むことができるため、ビールの歴史、醸造プロセスなどについて理解を深めることができます。もちろん、ベルギービールのテイスティングもできます。
ビール関連では、ブルージュにはビール醸造所「De Halve Maan」があります。そちらでは有料の工場見学ツアーが実施されています。ブルージュビールに興味のある方はチェックしてみてください。
料金:16ユーロ
住所:Breidelstraat 3, 8000 Brugge, Belgique
アクセス:マルクト広場からすぐ
歴史的建造物
14.ブルセ邸(Huis Ter Beurze)
13世紀半ばに建設されたブルセ家の邸宅(写真中央左)。世界初となる証券取引所はこちらの邸宅及び周辺で開かれました。そのため、証券取引所を意味するフランス語「ブルス(Bourse)」などの語源になっています。
周辺が中世ブルージュにおける金融の中心地だったため、歴史的建造物も多く残されています。一般公開はされていませんが、周辺の街並みを楽しむだけでも訪れる価値はあります。なお、フランドル地方のテンプル騎士団の司令官だった人物がブルセ家初代になります。
アクセス:マルクト広場から徒歩3分
15.十字の門(Kruispoort)
14世紀に完成した城壁が起源。現在の門はヤン・ファン・アウデナエルデ(Jan van Oudenaerde)」、マールテン・ファン・ルーヴェン(Maarten van Leuven)などにより、15世紀初頭に建設されたもの。皇帝ナポレオンが通った門としても知られています。なお、十字の門の近くには風車がありますので、そちらも合わせて訪れてみてください。
アクセス:マルクト広場から徒歩15分
以下に十字の門と同時期に造られた3つの門の写真も掲載します。左からロバの門(Ezelpoort)、鍛冶屋の門(Smedenpoort)、ゲントの門(Gentpoort)になります。滞在時間に余裕のある方はぜひこれらの門巡りも楽しんでみてください。
■十字の門以外の3つの門
滞在後記
12〜15世紀はブルージュ黄金時代になり、鐘楼や市庁舎、聖サルバトール大聖堂、旧聖ヨハネ施療院など多くの歴史的建造物が残っています。中世から残る街並みは見応えがあり、ブルージュはベルギー観光のなかで最も印象に残った街になりました。
ブルセ邸は街歩きをしているだけでは見逃してしまいそうな建物ですが、世界最古の証券取引所として利用されていた建物という歴史を知れば違った見え方になると思います。ブルージュにはこのような建物が多く、建物の歴史について調べた上で訪問すると、より観光が楽しめると思います。
今回は建物の歴史についても紹介していますので、ぜひ上記を参考にブルージュの街を散策してみてください!
※上記の世界遺産、観光スポットの場所は以下のグーグルマップ(黄緑色、青色)を確認してください。