ミラノの治安を一刀両断!悪質なミサンガ売りとは?

ドゥオーモ広場を警備している警察官 ミラノ

みなさんはイタリア・ミラノの治安について、どのような印象をお持ちですか?

ファッションの街ということで悪いイメージをお持ちの方は少ないかもしれません。しかし、ネットで検索すると、ミラノ中央駅周辺を中心に治安が悪いという情報があります。果たして本当なのでしょうか。

今回はミラノに何度も滞在したことのある筆者が治安について調査。ミラノ中央駅周辺はもちろん、主要観光地周辺など観光客が訪れる場所を中心に安全性を確認してきました。危険エリアなども掲載していますので、ぜひミラノを観光する際の参考にしてください。

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まずは危険レベルを確認しよう

安全情報

出典:外務省の海外安全ホームページ

海外旅行に行く前(計画する前)は、必ず「外務省 海外安全ホームページ」で滞在予定地の危険レベルを確認してください。ミラノは2023年9月2日現在、危険情報は出されていません。

以前はミラノ市地下鉄内でスリ被害が続発しているとして注意喚起が行われていました。2019年春頃からスリ被害が多くなっており、20〜30代の2〜3人組の女性が犯人像として挙げられています。地下鉄に乗車する際は、乗降扉付近に留まらず、電車内中程に移動するようにしてください。電車内で何か質問された場合、手荷物やポケットをしっかり守った上で対応してください。

なお、海外安全ホームページでは、日本の外務省がレベル1「十分注意」、レベル2「不要不急の渡航は止める」、レベル3「渡航中止勧告」、レベル4「退避勧告」の4段階評価で各地域の安全情報を開示しています。

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ミラノの治安について

ミラノの安全度(5段階評価):★★

ミラノの犯罪報告件数はイタリアで一番多い水準になっています。スリはもちろん、強盗、傷害などの事例も多く報告されています。レーガ(同盟)の議員「パオロ・グリモルディ」氏は数万人の不法移民を受け入れたことによる悲劇として、元ミラノ市長のジュリアーノ・ピサピア氏などを批判しています。

筆者はトラブルに遭遇したことがありませんが、スリ被害で在ミラノ日本国総領事館が注意喚起をしていること、犯罪件数が多いことによる注意を促すために、安全度は星2つで評価しています。これから解説していきますが、観光客は中央駅周辺でたむろする黒人男性、ドゥオーモ広場やスフォルツェスコ城にいるミサンガ売りの黒人男性に警戒する必要があります。

なお、女性一人で夜中出歩かない、たむろしている黒人男性を避けるなど、最低限の対策をすれば安全にミラノ観光が楽しめると思います。安全度についてはあくまで注意を促すためになり、ミラノが凶悪都市であるということではありません。ドゥオーモがある中心部は安全度が高く、夜出歩いても特に問題がないレベルになります。

危険エリアについて

ミラノの危険エリアは、バッジョ(Baggio)、ボヴィザ(Bovisa)、クアルト・オッジャロ(Quarto Oggiaro)、ロゼリオ(Roserio)、ロゴレード(Rogoredo)などが挙げられます。しかし、どのエリアも中心部から少し離れた場所にあり、観光客が訪れる場所ではありません。そのため、詳しい紹介は割愛させていただきます。

ミラノ中心部で気になった場所は、スフォルツェスコ城裏にあるセンピオーネ公園(Parco Sempione)になります。昼間から黒人男性がたむろし、大麻を吸って騒いでいたので、女性だけで訪れる場合は注意が必要になります。公園で休憩する際はできるだけ人目につく場所を選ぶようにしてください。

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ミラノ中央駅周辺の治安について

ミラノ中央駅前の広場

こちらの写真は駅前広場(ドゥーカ・ダオスタ広場)を撮影したものになります。写真中央は5つ星ホテル「エクセルシオール・ホテル・ガリア・ラグジュアリー・コレクション・ホテル・ミラノ」、写真右側の建物がミラノ中央駅になり、黒人男性達がたむろしているのが確認できると思います(青い車の横など)。

ミラノ中央駅周辺の治安について、筆者自身は問題なしと考えています。その一番の理由は警察官、軍人が警備していることになります。治安維持、テロ対策で配置されていると考えられ、深夜になっても警備が行われています。広場だけ訪れるのなら、女性一人でも問題がないほどです。しかし、黒人男性、中東系男性の多さは少し気になるレベルです。スーツケースを運んでいる旅行者を狙っている可能性も否定できません。広場は安全でも、広場から離れた道で強盗などに遭う可能性はあります。スーツケースで移動される場合は周囲に気を配るようにしてください。

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ミサンガ売りに要注意!

観光客の間で問題になっているのがミサンガ売りになります。日本人だけではなく、世界中の観光客が手にミサンガを結ばれ、高額な料金を請求される被害に遭っています。ミサンガ売りがいる場所は主に、スフォルツェスコ城前の広場、ドゥオーモ広場になります。観光予定の方は注意するようにしてください。

スフォルツェスコ城前の広場のミサンガ売り

スフォルツェスコ城前にいる黒人のミサンガ売り

スフォルツェスコ城前の広場(カステッロ広場)には多くのミサンガ売りがいます。友情の印に、無料だからと言って声を掛けてきます。その言葉を信じてミサンガを結んでもらうと、外れなくなった、どうしてくれるんだ?と言い、料金を請求してきます。料金は決まっておらず、5〜20ユーロほどのレンジになります。

広場で黒人男性に声を掛けられた場合は「No」と言い、無視するようにしてください。関わらないようにするのが一番です。筆者は付きまとわれて口論になり、最終的に“ここはお前の国じゃないだろ、さっさと国に帰れ”と言われましたが、あなたも“イタリア人”ではないでしょと言い返しその場を後にしたことがあります。彼らは友人ではなく、観光客にとっては「“”」でしかありません。同情心やフレンドリーな態度は相手につけ込まれるだけで、損をするのは結局自分になります。

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■ドゥオーモ広場のミサンガ売り

ドゥオーモ広場のミサンガ売り

ミラノで最も有名な観光地「ドゥオーモ」にもミサンガ売りはいます。ミサンガ以外では鳩の餌を売っている人もいます。筆者は写真撮影をしている際、勝手に構えている手に鳩の餌を置かれたことがあります。このような場合は速やかにその場から離れ、無視するようにしてください。

ミサンガについても勝手に結び付けられそうになったことがあります。断られ続けてやけになっていたのかもしれません。付きまとわれたり、勝手に結ばれた場合は広場にいる警察官、もしくはイタリア人男性と思われる人に助けを求めてください。

■警察官は見てみぬふり?

スフォルツェスコ城前の広場、ドゥオーモ広場にいる警察官は彼らのことを見てみぬふりをしています。世界中の観光客とトラブルになっている彼らを放置していることには疑問を感じます。おそらく、凶悪犯罪を犯されるより、この程度ならと見逃されているのだと思います。トラブルに遭った場合は警察官に助けを求めるのがいいですが、英語が話せないなど頼りにならない可能性も捨てきれません。よって、ミサンガ売りには最初から関わらないようにするのが一番です。

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夜の主要観光地の治安について

夜は犯罪に最も遭遇しやすい時間になります。夜景撮影のためにミラノ中心部を深夜まで歩き回りましたが、トラブルに遭遇することはありませんでした。今回は以下の4ヵ所に絞って夜の写真を掲載します。雰囲気を知っておくだけでも観光の役に立つと思いますので、ぜひご覧ください。

■スフォルツェスコ城

20時30分頃のスフォルツェスコ城(Castello Sforzesco)

20時30分頃に撮影した写真になります。日中は多くの観光客で賑わう場所ですが、夜は人通りがなくなります。黒人男性達の姿もなくなっているため、想定していたより安全でした。

■ドゥオーモ広場

21時過ぎのドゥオーモ広場(Piazza del Duomo)

こちらの写真は21時過ぎに撮影した写真になります。昼間との比較では人通りが少なくなりますが、広場周辺には多くの人がいます。ドゥオーモ広場周辺は女性一人で出歩いても問題ないと思います。なお、夜になるとドゥオーモのライトアップが行われています。闇夜に光るドゥオーモはとても幻想的です。

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■モンテ・ナポレオーネ通り(ブランド店街)

22時30分頃のモンテ・ナポレオーネ通り(Via Monte Napoleone)

22時30分頃に撮影した写真になります。写真でも分かりますが、この時間になると、人通りが全くなくなります。通りを歩いていて問題を感じることはありませんでしたが、周辺の狭い通りには入り込まないようにしてください。

■ドゥーカ・ダオスタ広場

23時30分頃のドゥーカ・ダオスタ広場(Piazza Duca d'Aosta)

23時30分頃にミラノ中央駅前の広場で撮影した写真になります。この時間でも中央駅側には黒人男性達がたむろしています。しかし、上記の通り警察官や軍人による警備が引き続き実施されているため、治安は保たれている印象を持ちました。

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テロ・その他注意事項について

テロについて

2017年5月にはミラノ中央駅でパトロール中の警察官などが刺される事件がありました。また、2019年6月にはソマリアのテロリストグループと関わりを持つとされている移民2名がチニゼッロ・バルサモ(Cinisello Balsamo)で逮捕されています。

近年、観光客を対象にした大規模なテロ攻撃は発生していませんが、移民が増加するなかでテロ発生リスクは高まっている状況です。実際に、2019年3月にはセネガル系イタリア人のスクールバス運転手が生徒を人質に取り、バスを放火する事件も発生しています。移民政策に対する不満が原因とされており、観光客がアフリカ系移民による犯罪、テロに巻き込まれる可能性はゼロではありません。

その一方、ミラノ市はコンクリート製の障壁を導入することで、車やトラックによるテロ対策を講じています。テロを未然に防ぐ取り組みを実施していることは評価できますが、観光客単位でも多くの人が集まる場所(ドゥオーモなど)では常に周囲に気を配る必要があると思います。

ブランド店街近くでも気は抜けない

サン・ピエトロ・アッロルト通りの建物下(23時30分頃)

こちらの写真は23時30分頃のサン・ピエトロ・アッロルト通り沿いを撮影したものになります。近くには高級ブランドのブティックが軒を連ねるモンテ・ナポレオーネ通り、サンタンドレア通りがありますが、このようなホームレスの寝床があるため、通り周辺を訪れる際は注意が必要になります。なお、このような場所を見つけた場合は、絶対に真横を通らないようにしてください。

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総括

  • スリ被害について在ミラノ日本国総領事館が注意喚起を実施
  • 黒人男性によるミサンガ売りには要注意、関わらないようにしよう
  • 中央駅周辺は警察官・軍人が警備、安全度は高いが警戒は怠らないようにしよう

ミラノの安全度は星2つで評価していますが、普通に観光していればトラブルに遭遇する可能性は低いと思います。スリ被害に遭わないように人混みでは手荷物、ポケットに注意してください。また、たむろしている黒人男性に近づかない、ミサンガ売りに関わらなければ、きっと楽しいミラノ観光ができるはずです。