マレーシアの世界遺産都市「マラッカ」は観光スポットの宝庫!
1511〜1641年のポルトガル統治時代、1641〜1825年のオランダ統治時代に起源を持つ歴史的建造物、チャイナタウン、マレーシア最古のモスクなど、マラッカは一押しの観光都市になります。
今回は「おすすめの観光スポット」、「おすすめの博物館」、「おすすめの教会」、「おすすめのモスク、寺院」の4つに分けて、マラッカのおすすめ観光地20ヵ所を紹介します。ぜひ、観光の参考にしてください。
※マラッカは歴史的な街並みが評価され、2008年にジョージタウンとともに「マラッカ海峡の歴史都市群」として世界遺産に登録されています。
おすすめの観光スポット
1.オランダ広場(Dutch Square)
オランダ広場がマラッカ観光の中心地になります。周囲にはオランダ統治時代に建てられたスタダイス(The Stadthuys)、マラッカ・キリスト教会(Christ Church Melaka)など赤いカラフルな建物があり、レッド・スクエア(Red Square)とも呼ばれています。
広場にはマラッカ時計台(Melaka Clock Tower)、イギリス統治時代1901年に建設されたビクトリア女王噴水(Queen Victoria’s Fountain)のほか、「Melaka 0 Mile」、「I LOVE MELAKA」のモニュメント、風車など多くの撮影ポイントがあります。なお、広場にはインフォメーションセンターがあり、地図や観光地の情報を得ることができます。
2.ジョンカー・ストリート(Jonker Street)
マラッカのメインストリート。チャイナタウンに位置し、正式名称はハン・ジェバット通り(Jalan Hang Jebat)。レストランやお土産屋さん、アートギャラリー、衣料品店などが軒を連ねており、マラッカ名物「チキンライスボール」が食べられる店として人気の「Hoe Kee Chicken Rice Ball」などもあります。特に、金曜日、土曜日、日曜日に開催されるナイトマーケット(18時〜24時)で知られており、開催日には多くの人で賑わっています。マラッカ観光の際は、ぜひ週末に訪れることをおすすめします。
3.チャイナタウン(Chinatown)
ジョンカー・ストリート周辺、ブンガ・ラヤ通り(Jalan Bunga Raya)一帯がマラッカのチャイナタウンになっています。マラッカのチャイナタウンはマレーシアで最も古く、1400年頃に形成された歴史を持ちます。朝貢や貿易で中国・明との関係を深めるなか、チャイナタウンも発展していきました。
1600年代半ばに建設されたマレーシアで最も古い仏教寺院「チェン・フー・テン寺院」、風情のあるトゥカン・ベシ通り(Jalan Tukang Besi)、カンポン・クリ通り(Jalan Kampung Kuli)などがおすすめの観光スポットになります。なお、建物の正面上部に建てられた年が書かれているので、それらを確認しながら歩くと街歩きがもっと楽しくなりますよ。
4.ファモサ要塞跡(A Famosa)
ポルトガル統治時代の1511年に築かれた要塞。多くの観光客が訪れる人気スポットで、現在はサンティアゴ門(Porta de Santiago)が唯一当時の面影を残しています。建設当時は5つの教会や4つの塔、病院、弾薬庫、行政機関などがあり、ポルトガルのマラッカ統治における中心地になっていました。オランダ統治時代の1670年に改装・再建されたものの、1806年頃にサンティアゴ門を除いて破壊されています。
■ここが見所!
門の上部にはオランダ東インド会社の紋章が刻まれ、門の枠の部分には「ANNO 1670」と刻まれています。
5.ビクトリア要塞(Victoria Bastion)
ビクトリア要塞(写真左)は、ポルトガル統治時代に築かれたファモサ要塞の一部。この海からの攻撃を防ぐ目的で造られた要塞は、セント・フランシス・ザビエル教会(Church Of St. Francis Xavier)とマラッカ川(Malacca River)の間に位置しています。
オランダ広場近くにあるミドルバーグ要塞(Bastion Middleburg)、ザ・ショア・ショッピング・ギャラリー近くにある1700年に建設されたセント・ローレンス教会跡(The Ruins Of St.Lawrence’s Chapel※写真右)など、マラッカには多くの遺跡が残されています。遺跡巡りもマラッカ観光の醍醐味であるため、ネットやガイドブックで取り上げられていない部分にも焦点を当ててみました。
6.ヴィラ・セントーサ(Villa Sentosa)
1920年代に建設されたマレー建築の住居、家具、衣類、織物などが公開されている私設博物館。マレー民族博物館(The Malay Living Museum)とも呼ばれています。実際の住居はここまできれいではないと思いますが、高床式住居の下の部分がどのようになっているか、家具類などは見る価値があり、おすすめしたい観光スポットの一つです。
なお、伝統的なマレー様式の住居が軒を連ねるカンポン・モーテン(Kampung Morten)に位置しており、周辺の建物を見ているだけでも面白いため、マラッカ観光の際はぜひ訪れてみてください。
料金:無料(寄付制)
住所:Lorong Tun Mamat 1, Kampung Morten, 75300 Melaka(地図)
アクセス:オランダ広場から徒歩15分
7.マラッカタワー(Malacca Tower)
2008年4月にオープンした観光名所。高さは110メートルあり、展望台は360度回転する仕組みになっており、最終的には80メートル上空からマラッカの街並み、マラッカ海峡を見ることができます。
8.マラッカ川(Malacca River)
マラッカの中心部を流れる川。オランダ広場の先にある橋から見る景色がおすすめ。マラッカ・リバー・ウォークとして川沿いを歩くことができるほか、約9キロ(往復約45分)のクルーズも楽しめます。
おすすめの博物館
9.スタダイス(The Stadthuys)
オランダ広場に位置する歴史的建造物。オランダ総督の公邸として1600年代半ばに建設され、建設当時から政治の中心的役割を担っていました。建物は1982年に歴史博物館に改装され、現在に至っています。なお、マラッカ時計台もこちらの建物の一部として位置付けられているほか、東に位置するオランダ建築として一番古い建物だと言われています。
料金:10リンギット(5つの博物館と兼用)
住所:Jalan Gereja, Banda Hilir, 75000 Melaka(地図)
アクセス:オランダ広場からすぐ
10.マラッカ・スルタン・パレスミュージアム(Melaka Sultanate Palace Museum)
マラッカ王国の宮殿を復元した博物館。建設当時の建築技術、材料が用いられ、マラッカ王国が繁栄していた15世紀、スルタン・マンスール・シャー(Sultan Mansur Shah)の宮殿が復元されています。1986年にオープンし、1300点以上の展示物があり、武器や伝統衣装、宝飾品などマラッカ王国当時の歴史や文化などを学ぶことができます。
11.ババ・ニョニャ・ヘリテージ・ミュージアム(Baba And Nyonya Heritage Museum)
1896年に建設されたタウンハウスを改装した博物館。15世紀辺りから移住してきた中華系住民の子孫「ババ・ニョニャ(プラナカン)」の伝統的な衣装、アンティーク家具などを見ることができます。
12.マラッカ海洋博物館(Muzium Samudera)
1994年にオープンした海洋博物館。略奪品を積んでマラッカ海峡で沈没したポルトガル船「フロール・デ・ラ・マール号」のレプリカが特徴的。様々な船の模型や海図、陶磁器等が展示されています。
おすすめの教会
13.マラッカ・キリスト教会(Christ Church Melaka)
オランダ植民地時代に建てられたキリスト教会。オランダがポルトガルに代わってマラッカを占領した1641年から100年後になる1741年に建設が計画され、1753年に完成しています。もともとは白い外観でしたが、1911年に現在の赤い外観に変更されています。内部は見所に乏しいですが、教会の床にはポルトガル語などで書かれた墓碑が組み込まれています。オランダ広場に位置する重要度の高い歴史的建造物になります。
料金:無料(寄付推奨)
住所:Gereja Christ, Jalan Gereja, Banda Hilir, 75000 Melaka(地図)
アクセス:オランダ広場からすぐ
14.セント・ポール教会跡(St. Paul’s Church)
1521年にポルトガル人「ドワーティ・コエーリョ(Duarte Coelho)」によって建設された教会。その後、教会は1548年にイエズス会へ引き渡され、1556年に改築されました。しかし、オランダ統治時代には礼拝所として使用されなくなり、英国統治時代には弾薬庫などとして利用されていました。歴史とともに廃れていき、現在のような形になっています。
なお、フランシスコ・ザビエルはこちらを拠点の一部とし、日本や中国で布教(侵略)活動を行っていました。中国・上川島でザビエルが亡くなった際、遺体が一時的に保管されていた場所(写真右)でもあります。埋葬地としても利用されていたため、教会跡には墓石がいくつかあるほか、日本司教であった「ペドロ・マルティンス」もこちらで眠っています。
15.セント・フランシス・ザビエル教会(Church Of St. Francis Xavier)
セント・フランシス・ザビエル教会(Church Of St. Francis Xavier)は、1856年にフランスの司祭によって建設された教会。内部の見所は特になく、ネオゴシック様式の外観が見所。敷地内にはザビエル、日本人「ヤジロウ」像があります。なお、教会は向かってやや右側に傾いています。
■ザビエルとヤジロウ像
料金:無料
住所:12, Jalan Banda Kaba, Banda Hilir, 75000 Melaka(地図)
アクセス:オランダ広場から徒歩4分
16.セント・ピーターズ教会(St. Peter’s Church, Melaka)
1710年に建設された教会。ポルトガル人移住者の子孫によって建てられたマレーシアで最も歴史のあるカトリック教会になります。1608年に製造された鐘があり、内部は木の温もりが感じられる造りになっています。
料金:無料
住所:166, Lorong Bendahara, Kampung Bukit China, 75100 Melaka(地図)
アクセス:オランダ広場から徒歩14分
おすすめのモスク、寺院
17.チェン・フー・テン寺院(Cheng Hoon Teng Temple)
1646年に建設されたマレーシアで最も古い中国仏教寺院。華人を統括するカピタン「Tay Kie Ki」などが建設し、寺院建設には中国から建材が運ばれ、職人についても中国南部から呼び寄せられています。風水に従って造られているため、パワースポット的な場所としてお参りすると御利益があるかもしれません。なお、カンポン・クリン・モスク、マレーシア最古のヒンドゥー教寺院が同じ通りにあるため、通りは「ハーモニー・ストリート」とも呼ばれています。
18.カンポン・フル・モスク(Masjid Kampung Hulu)
1728年に建設されたマレーシア最古のモスク。中国やジャワ様式などをミックスさせたような外観が特徴的。オリジナルは木造でしたが、1892年に現在のコンクリート製の建物に改装されています。
19.カンポン・クリン・モスク(Masjid Kampung Kling)
1748年にインドのイスラム商人によって建設されたモスク。1872年、1908年に再建・改装され、木造からコンクリート製に変更されています。ジャワ様式を思わせる外観が特徴的です。
20.マラッカ海峡モスク(Melaka Straits Mosque)
人工島「プラウ・マラッカ」に位置するモスク。2003〜2006年に建設され、海の上に造られていることから水上モスクとも呼ばれています。また、海とモスクのコントラストの美しさから写真撮影場所としても人気です。
高さ30メートルのミナレット(塔)がありますが、内部の見所はほぼありません。そのため、水上に浮かぶモスクの写真を撮影するためだけに訪れるモスクだと言えます。なお、ガイドの方がイスラム教について熱心に教えてくれるため、イスラム教への理解を深めたい人にもおすすめです。
滞在後記
ポルトガル、オランダ統治時代の建物、遺跡が多く残る歴史都市マラッカは滞在して良かったと心から思える場所でした。観光客は思ったほど多くなく、どの観光地もスムーズに巡ることができた点は評価ポイントです。また、物価はクアラルンプールより安く、気に入ったお土産があれば、マラッカで購入することをおすすめします。
個人的には、セント・ポール教会跡からファモサ要塞跡にかけてのアトラクション感、ヴィラ・セントーサがあるカンポン・モーテンが思い出に残りました。さらに、セント・フランシス・ザビエル教会で「ヤジロウ」さんについて知ることができた点は良い発見でした。
クアラルンプールからバスで2時間前後、約350円(片道)で行けるため、日帰りでもマラッカを訪れてみてください。きっといい思い出になるはずです。