ベルギーの運河都市「ブルージュ」の世界遺産をまとめて紹介!
ブルージュ歴史地区でおすすめしたい景色とは?ブルージュの鐘楼は高さ何メートル?白塗りの住居が美しいベギン会院は入場無料だった?
今回はブルージュにある世界遺産「ブルージュ歴史地区」、「ブルージュの鐘楼」、「ブルージュのベギン会院」について紹介します。各世界遺産の歴史や見所を筆者が撮影した写真とともに掲載しますので、ぜひブルージュ観光の参考にしてください!
ブルージュの世界遺産について
ブルージュには3つの世界遺産があります。一つは「ブルージュ歴史地区」になり、旧市街全体が世界遺産として登録されています。
そのほか、世界遺産「ベルギーとフランスの鐘楼群」の一つとして「ブルージュの鐘楼」が、世界遺産「フランドル地方のベギン会修道院群」の一つとして「ブルージュのベギン会修道院」が世界遺産登録されています。これからブルージュにある世界遺産について説明していきます。
1.ブルージュ歴史地区(Historisch centrum van Brugge)
ブルージュの中心部になる旧市街は、2000年に「ブルージュ歴史地区」として世界遺産に登録されています。ブルージュは中世に交易・金融の一大拠点として繁栄した後、アントワープの発展により衰退します。しかし、街が衰退したことで中世の街並みが残され、現在でも「屋根のない美術館」と呼ばれる美しい街並みを見ることができます。
また、ブルージュは「北のベネチア」とも呼ばれる運河の街。街歩きでは運河を見ながら中世の街並みを楽しみたいところです。そこでおすすめしたいのが、ダイフェル(Dijver※写真)周辺、ヤン・ファン・エイク広場(Jan van Eyckplein)周辺になります。双方ともに運河と中世の街並みが同時に楽しめる場所になりますので、ぜひ訪れてみてください。
ブルージュの歴史について
ブルージュの歴史は9世紀のバイキング侵攻を受けて、初代フランドル伯爵「ボードゥアン1世」が紀元前から存在したローマ要塞を強化したことに始まります。要塞強化等により街は発展、その後はイングランドや北欧諸国との貿易で栄えていきます。
特に12〜15世紀は黄金時代と呼ばれ、貿易の一大拠点にまで成長。また、「人」「物」が集まれば、「お金」も集まります。貿易と同時に金融も発展し、世界最古と言われる証券取引所もブルージュで開設されています。
交易の一大拠点として栄えたブルージュですが、アントワープの発展により15世紀以降は衰退していくことになります。19世紀半ばにはベルギーで最も貧しい都市の一つになりましたが、1892年にジョルジュ・ローデンバックが「死都ブリュージュ」を出版し、中世から残る美しい街並みが再度見直され、観光客が集まるようになりました。
ベルギーとフランスの鐘楼群
2.ブルージュの鐘楼(Belfort van Brugge)
「フランドル地方とワロン地方の鐘楼群(※後に名称変更)」の一つとして1999年に世界遺産登録された鐘楼。13世紀に建設された木造の鐘楼が起源。1280年の火災、1493年の落雷、1741年の火災の度に再建されています。現在のネオ・ゴシック様式の鐘楼最上部は1822年に改築されたものになります。
鐘楼の高さは83メートルで、ウォレ通り(Wollestraat)側に若干傾いています。なお、鐘楼の展望台には歩いて登ることができます。366段の螺旋階段を登ったところに展望台があり、そこからブルージュの街並みが一望できます。ただし、エレベーターがないこと、ハイシーズンは混み合うことから、広場から鐘楼を眺めるだけというのも一考です。
料金:12ユーロ
住所:Markt 7, 8000 Brugge, Belgique
アクセス:マルクト広場からすぐ
フランドル地方のベギン会修道院群
3.ブルージュのベギン会院(Begijnhof van Brugge)
ブルージュのベギン会院は1998年に「フランドル地方のベギン会修道院群」の一つとして世界遺産に登録されています。約30の白塗りの住居群が見所になり、登録されたベギン会院群の中で最も美しいと称されています。敷地内には礼拝堂や博物館(入口に隣接している住居)もあります。なお、フランドル伯爵夫人「マルグリット2世(Marguerite II、1202〜1280年)」が1245年に創設、現在はベネディクト会修道院として利用されています。
■ベギン会修道院の礼拝堂
料金:無料(博物館は2ユーロ)
住所:Begijnhof 30, 8000 Brugge, Belgique
アクセス:ブルージュ駅から徒歩12分
滞在後記
ブルージュ歴史地区(旧市街)の街並みは本当に美しく、あたかも中世にタイムスリップしたかのような錯覚に陥るほどです。また、交易・金融で栄えていた12〜15世紀をイメージしながら旧市街の建物群を見ると、より街歩きを楽しむことができます。
ブルージュの鐘楼は迫力がすごく、圧倒的な存在感を誇っていました。夜になると幻想的なライトアップが行われており、昼とは違った魅力を感じることができました。ベギン会院については、白塗りの住居群も見所ですが、周辺の運河の景色が特におすすめです。
なお、マルクト広場周辺は観光客が多いですが、広場から少し離れると静かな街並みが広がっています。運河沿いには公園や中世に起源を持つ門など、注目スポットもあります。マルクト広場周辺以外でも、中世の街並みを感じることのできる場所は多いため、ブルージュ観光の際はぜひゆっくりと街を散策してみてください。
※上記の世界遺産の場所は以下のグーグルマップ(黄緑色)を確認してください。