スペイン南部・アンダルシア地方に位置する都市「マラガ」!
マラガには古代ローマ時代やイスラム教徒支配時代の遺跡、中世に起源を持つ教会の数々、そしてマラガが生んだ天才画家ピカソ関連の施設など見所は多くあります。
都市の規模としては大きくありませんが、観光地がコンパクトにまとまっており、観光のしやすさが高ポイントです。今回は実際に滞在した筆者がおすすめしたい観光地を15カ所選定していますので、ぜひマラガ観光の参考にしてください。
おすすめの定番観光地
1.ヒブラルファロ城(Castillo de Gibralfaro)
イスラム教徒支配時代である14世紀にグラナダ王国のユースフ1世によって建設された城。ローマ時代以前から要塞は存在していたとされています。マラガの旧市街や港を一望できるため、マラガ観光で最大の見所になります。
城(軍事博物館含む)やアルカサバ(マラガ砦)の入場は有料ですが、無料でも景色を楽しむことができます。ローマ劇場横の道からアルカサバ(マラガ砦)を通って行くことができますが、足場が滑りやすいので注意してください。
■ヒブラルファロ城から見た景色
2.マラガ砦(Alcazaba de Málaga)
イスラム教徒支配時代の11世紀に建設されたアルカサバ(城塞)。フェニキア人によって建設された要塞が起源とされています。宮殿やきれいな中庭が見所。博物館などもあり、城塞全体でみると規模は大きいです。イスラム建築のレベルの高さを感じることができる建物であり、マラガの文化を知る上でも訪れておきたい場所になります。
3.ローマ劇場(Teatro Romano de Málaga)
ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスの時代(1世紀)に建設された劇場。マラガ最古の遺跡になります。3世紀まで使用され、その後はアルカサバ(城塞)を再建するための採石場にもなり、長い間がれきの下に埋もれていました。1951年の庭園制作中に発見され、発掘調査などが行われています。
4.マラガ美術館(Museo de Málaga)
1972年に州立美術館と州立考古学博物館が統合して誕生。アンダルシア地方で最大の博物館。絵画や彫刻などファインアートコレクションは2000点以上、考古学コレクションは15000点以上。
ルイス・デ・モラレス(Luis de Morales)、バルトロメ・エステバン・ムリーリョ(Bartolomé Esteban Murillo)、ルカ・ジョルダーノ(Luca Giordano)などの絵画、3世紀頃に造られた鳥のモザイク画などが見所になります。
ピカソ関連の観光地
5.マラガ・ピカソ美術館(Museo Picasso Málaga)
世界的なスペイン人画家「パブロ・ピカソ(Pablo Picasso、1881~1973年)」はマラガで生まれ、幼少期(10歳まで)を過ごしています。こちらの博物館にはピカソの家族から寄贈された作品を中心に、彫刻や絵画、陶器など280点超のコレクションが保管されています。
毎週日曜日の閉館前2時間、アンダルシアの日(2月28日)、国際博物館の日(5月18日)、世界観光の日(9月27日)は入場無料になります。なお、マラガの旧市街の道は少し分かりづらいので、地図やグーグルマップの利用をおすすめします。
6.ピカソ生家(Museo Casa Natal de Picasso)
メルセー市場(Mercado de la Merced)の隣に位置するピカソの生家。現在は博物館などとして利用されており、作品や写真、洗礼式の衣装などが展示されています。写真正面の黄色っぽい建物がピカソの生家になります。生家以外にもメルセー広場にはピカソ財団関連の建物があり、分かりづらいので注意してください。
7.メルセー広場(Plaza de la Merced)
幼少のピカソが遊んでいた広場。広場中央にあるトリホスの記念碑はラファエル・ミトハナ(Rafael Mitjana)が設計し、1842年に建てられたもの。広場にはベンチに座るピカソの銅像もあります。
広場は清掃員の方が大量の水を使用して掃除しているので、きれいな状態を維持しています。散策中の休憩、メルセー市場やスーパーマーケットで購入したものを食べる場所としてもおすすめです。
おすすめの教会
8.マラガ大聖堂(Catedral de la Encarnación de Málaga)
ゴシック、ルネサンス様式の教会。カテドラル、エンカルナシオン大聖堂とも呼ばれています。1528年に建設が開始されたものの、資金難などで2つの鐘塔のうち一つが未完成のまま1782年に工事終了となりました。そのため、片腕の婦人という意味のラ・マンキータ(La Manquita)というニックネームを持っています。旧市街の中心的な場所に位置し、きれいなインテリア、祭壇画などが見所。博物館も併設されています。
9.サン・フアン・バティスタ教会(Iglesia de San Juan Bautista)
16世紀に建設されたゴシック様式のカトリック教会。1680年の地震により鐘楼などが崩壊し、1732~1776年の間にバロック様式で再建されました。現在の教会の外観はその際に築かれたもの。白をベースとした内壁が特徴になります。
マラガ港付近の観光地
10.マラガ港(Puerto de Málaga)
景観の美しさからおすすめしたい場所。港を囲うようにレストランなどの飲食店が軒を連ねており、昼食や夕食を食べる場所としても利用できます。海を見れば多くの魚達が優雅に泳ぎ、停泊する豪華客船には心が踊る、日々のストレスを忘れさせてくれる景色がここにはあります。なお、こちらの港からはアフリカ大陸モロッコに隣接するスペイン領メリリャ(Melilla)行きの船が出ています。
11.マラガ灯台(La Farola de Málaga)
1816年に完成した灯台。高さは33メートルで、マラガのシンボルの一つ。1884年に発生した地震、1930年代のスペイン内戦などの被害に遭い、その後修復されています。
12.マラゲータ海岸(Playa de la Malagueta)
全長約1.2キロのビーチ。トイレ、シャワーあり。アルボラン海を見渡すことができ、水平線や夕日を見るポイントとして人気。夏場は多くの海水浴客で賑わっています。ビーチ沿いにあるレストランでは、名物となる「いわしのエスペト(炭火串焼き)」などのシーフードを味わうことができます。遊歩道もあり、ちょっとした散策にもおすすめです。
13.マラゲータ闘牛場(Plaza de toros de La Malagueta)
1874年に完成した闘牛場。収容観客数は約1万4000人。博物館が併設されており、闘牛の歴史などを見学することができます。なお、写真はヒブラルファロ城周辺から撮影したものになります。
14.マラガ公園(Parque de Málaga)
1897~1921年に造られた全長約700メートルの大きな公園。地中海や亜熱帯種の植物が植えられており、しっかり手入れもされています。地元の人の散歩コースになっているほか、夏場は日陰になるポイントが多いため、観光客にとっては休憩場所としても重宝します。
15.マラガ市庁舎(Ayuntamiento de Málaga)
1911~1919年に建設されたネオ・バロック様式の市庁舎。気品ある建物はマラガの街においても目立つ存在。主要観光地にも近く、外観だけでも見ておく価値はあります。なお、フェルナンド・ゲレロ・ストラカン(Fernando Guerrero Strachan)、マヌエル・リベラ・ヴェラ(Manuel Rivera Vera)が設計を手掛けています。
最後に
一番の見所はヒブラルファロ城付近からの景色になり、闘牛場や旧市街の街並み、美しい公園の景色を独り占めできます。
また、細い路地が多い南欧特有の旧市街が広がっており、雰囲気はとてもいいです。街の規模が大きくないため、街をゆっくり見ることができる点もおすすめしたい要因になります。
マラガは知られている都市ではありませんが、1〜2日の滞在でも十分楽しむことができます。マドリードよりおすすめしたい都市、それがマラガです。
※上記のおすすめ観光地の場所は以下のグーグルマップ(赤色)にまとめています。