みなさんはスペインの首都「マドリード」の観光地について、どのようなイメージをお持ちですか?
マドリードと言えば、サッカーのレアル・マドリードをイメージする人も多いですが、マドリードの魅力はそれだけではありません。
中世からの歴史を持つ建物も多く、教会巡りも根強い人気があります。今回は実際に滞在した筆者がみなさんにおすすめしたい観光地を15ヵ所選定しています。ぜひマドリード観光の参考にしてください。
おすすめの建物
1.王宮(Palacio Real de Madrid)
9世紀にコルドバのムハンマド1世の命により前哨基地が築かれたことが起源。その後、16世紀にアルカサル(Alcazar)=城が建設されましたが、1734年に全焼しています。現在の宮殿はフェリペ5世の命により、1735~1764年に建設されたものになります。
国王は居住しておらず、一般に公開されていますが、現在も式典や公式行事などで使用されています。見所は世界で唯一、弦楽五重奏が揃っているストラディヴァリウスのほか、兵器や磁器、時計、家具など歴史的重要性の高いコレクションになります。なお、広大な宮殿には3400以上の客室があります。
2.シベーレス宮殿(Palacio de Cibeles)
旧コムニカシオネス宮殿。1917年に完成した建物。アントニオ・パラシオス(Antonio Palacios)、ホアキン・オタメンディ(Joaquín Otamendi)が設計・構築を担当。
2007年までマドリッド中央郵便局が置かれ、現在はマドリード市庁舎として利用されています。8階には時計塔を囲む展望デッキがあり、360度マドリードの街並みを楽しむことができます。なお、無料Wi-Fiがありますが、接続が悪いため利用できないと考えた方がいいかもしれません。
3.スペイン銀行本店(Banco de España)
スペインの中央銀行。1800年代後半に建設された建物。建築家セベリアノ・サインツ・デ・ラ・ラストラ(Severiano Sainz de la Lastra)、エドゥアルド・デ・アダロ(Eduardo de Adaro)が設計を担当。拡張工事などを経て現在のような姿になっています。その美しい外観はマドリードの建物群の中でも高い評価を得ています。
おすすめの博物館
4.プラド美術館(Museo Nacional del Prado)
スペイン絵画を中心に展示している国立美術館。16~17世紀にかけて収集されたスペイン王家のコレクションがもとになっています。現在は3万点以上のコレクションを誇り、スペイン絵画の三大巨匠であるエル・グレコ、ゴヤ、ベラスケスのほか、ボッシュやティツィアーノ、ルーベンスなどの作品が見所になります。
5.国立考古学博物館(Museo Arqueologico Nacional)
1886~1892年に建設された新古典主義様式の博物館。古代エジプト、ギリシャ、ローマのほか、中世のコレクションもあります。特に紀元前の彫刻作品などが見所です。
おすすめの広場・公園
6.マヨール広場(Plaza Mayor)
1580~1619年に建設された広場。その後、火災などを受けて再建されています。建設当時は闘牛や演劇、異端審問、公開処刑の場としても利用されていました。現在は広場を囲うようにレストランやカフェが軒を連ねており、多くの観光客が訪れる場所になっています。なお、広場の中央にはフェリペ3世騎馬像が立っています。
7.ビリャ広場(Plaza de la Villa)
中世マドリードの中心地。ルハーネスの塔、シスネロスの家など歴史ある建物に囲まれています。ゴシック・ムデハル様式のルハーネスの塔(邸宅含む)は15世紀に建てられたもので、マドリードで最も古い建物の一つ。また、シスネロスの家は1537年に建設された建物です。
8.レティーロ公園(Parque de El Retiro)
プラド美術館(Museo Nacional del Prado)近くに位置する公園。フェリペ4世の宮殿と庭園がありましたが、1808年のナポレオン戦争時に要塞として使用するために破壊されました。なお、現在は公園になっており、地元の人の憩いの場になっています。
おすすめの教会など
9.アルムデナ大聖堂(Catedral de la Almudena)
1879年に建設が開始され、1993年に完成した教会。1993年6月15日にローマ教皇ヨハネ・パウロ二世によって奉献されました。外装は新古典主義様式、内装はゴシック・リヴァイヴァル様式。ドームから見るマドリードの景色が観光客に人気。博物館は祭具や聖具が中心です。
10.デスカルサス・レアレス修道院(Monasterio de las Descalzas Reales)
1557~1564年に建設されたルネッサンス様式の修道院。スペイン国王カール5世(Karl V)の娘ジョアンナ(Joanna)が設立しました。17世紀には若い未亡人や未婚女性が持参金とともに多く集まり、ヨーロッパで最も裕福な修道院の一つになりました。そのため、遺物や宝石、芸術品などがコレクションされ、現在は修道院の一部が博物館として開放されています。
11.サン・ヘロニモ・エル・レアル教会(San Jerónimo el Real)
1503~1505年に建設されたゴシック様式の教会。ナポレオン戦争時(1808年)に被害を受けたため、1848~1859年、1879~1883年の2度に渡り修復作業が行われました。18世紀に描かれた絵画やネオゴシック様式のランプやステンドグラスが見所。プラド美術館の裏手に位置するため、合わせて見学しておきたい場所です。
12.ラス・カラトラバス教会(Iglesia de las Calatravas)
1670~1678年に建設されたバロック様式の教会。建設当時は立地の良さからマドリード内で人気の建物になり、宗教的な中心地の一つになっていました。黄金に輝く祭壇やフレスコ画、光が差し込む真っ白なドームが見所です。
13.サン・ヒネス教会(Iglesia de San Ginés de Arlés)
1641~1672年に建設された教会。火災や戦争の影響を受けて、1870年、1956~1964年に再建されました。マドリード生まれの劇作家「ロペ・デ・ベガ(Lope de Vega)」が結婚式を挙げた場所としても知られています。なお、エル・グレコの絵画や歴史的価値が高い聖具などが見所になります。
14.デボー聖堂(Templo de Debod)
古代エジプトの神殿を解体し、1970~1972年にマドリッドで再建した建物。王宮などマドリッドの景色を一望することができます。また、庭園や公園に隣接しており、ゆっくり散策を楽しむことができます。月曜日は休館になりますが、公園内は立ち入り可能です。
■デボー聖堂付近から見た景色
サッカースタジアム
15.エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウ(Estadio Santiago Bernabéu)
1947年にオープンしたサッカー・レアルマドリードのホームスタジアム。収容客数は8万人超。ベルナベウ・ツアー(自由見学)に参加すれば、歴代のトロフィーのほか、ロッカールーム、記者会見場、ピッチなどを見学できます。また、ベンチに座ることも可能なので、座って写真を撮ればいい記念になると思います。
■ベルナベウ・ツアーで撮影した写真
番外編
プエルタ・デル・ソル(Puerta del Sol)
マドリードの中心地。スペイン国道の起点になっており、スペイン版日本橋とも言える広場になります。広場にはカルロス3世騎馬像、クマとイチゴノキの像があり、アップルストアなどもあります。周辺はホテルが多く、筆者もこちらの広場周辺に滞在しました。利便性、治安面からもおすすめしたい宿泊エリアです。
最後に
戦争や火災の影響でほとんどが再建されたものですが、1500~1600年代から続くなど歴史を持つ教会が多くあります。歴史を感じることができる建物が多く、マドリード観光では教会巡りがおすすめです。
教会に興味のない方も、街中を歩くだけで特徴的な建物を見つけることができるので、観光スポットを気にせずに散策してみるのもいいと思います。買い物スポットの記事と合わせてマドリード旅行を計画する際に役立ててください。
※上記おすすめ観光地の場所は以下のグーグルマップ(赤色)にまとめています。