ホーチミンはまだまだ発展途上!
ベトナム・ホーチミンはまだまだ近代化が遅れている印象ですが、ホーチミン人民委員会庁舎の周辺を中心に確実に近代化の波が押し寄せてきています。
昔ながらの街並みや近代的な建物が交差するホーチミンの魅力について、実際に滞在した筆者がおすすめの観光地10カ所とともに紹介します!ぜひ観光の参考にしてください。
フランス植民地時代の建物群
1.ホーチミン人民委員会庁舎(Ho Chi Minh City Hall)
フランス植民地時代の1902~1908年に建設されたフレンチコロニアル様式の市庁舎。一般には公開されていませんが、ホーチミン観光の中心地になるため、多くの観光客が訪れる人気スポットになっています。夜になるとライトアップされ、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。
庁舎前にあるホーチミン像については、生誕100周年を記念して設置されたもの。なお、広場は市民の憩いの場になっており、母子の微笑ましい姿、ベトナムの民族衣装「アオザイ」を着た女性達がダンスの練習などを行っている光景もみられました。
■夜のホーチミン人民委員会庁舎
2.サイゴン・オペラハウス(Saigon Opera House)
フランス植民地時代1898年に建設された劇場。フランス人建築家のウジェーヌ・フェレ(Eugene Ferret)が設計を担当。ホーチミンで最も訪れるべき場所として評価されています。外観だけでも十分楽しめますが、ベトナムの生活を描いたショーなどが開催されており、そちらも合わせて鑑賞するといい思い出になるかもしれません。
なお、第二次世界大戦中には旧日本軍に向けた連合国軍の攻撃により破壊され、1955年に修復されています。1956年からは南ベトナム共和国の下院議会として使用され、1975年のベトナム統一以降は再び劇場として利用されるようになりました。1996~1998年にも改修工事が実施されています。
3.サイゴン大聖堂(Notre-Dame Cathedral Basilica of Saigon)
フランス植民地時代の1863年~1880年に建設されたロマネスク様式の大聖堂。英名はNotre-Dame Cathedral Basilica of Saigon。聖母マリア教会とも呼ばれています。
高さ約58メートルの2つの鐘楼が特徴。全ての建材はフランスから輸入され、赤色が際立つレンガはマルセイユ産のもの。ベトナムの新郎新婦が記念撮影を行う場所にもなっています。サイゴン中央郵便局や統一会堂に近く、ホーチミン観光では押さえておきたい場所です。なお、拝観時間は指定されているので注意が必要になります。
4.サイゴン中央郵便局(Saigon Central Post Office)
フランス植民地時代の1886年~1891年に建設された郵便局。フランス・パリのエッフェル塔を設計したギュスターヴ・エッフェル(Gustave Eiffel)が設計を担当したとも言われています。
構内はフランスの鉄道駅を思い出させるような構造をしており、アーチ状になっている天井が特徴的。電信施設としても利用されていたため、古い電話ブースが残っているほか、豪華な床のタイル装飾も見所です。郵便局ということもあり、はがきや切手などをお土産として購入するのがおすすめ。その他お土産コーナーもあり、観光客が気軽に入れることもポイントです。
5.ホテル・マジェスティック・サイゴン(Hotel Majestic Saigon)
フランス植民地時代の1925年に建設されたセレブ御用達の5つ星ホテル。1994~1995年に全面改装が実施されました。国営企業の「サイゴンツーリスト」傘下。
ドンコイ通り沿いに建ち、目の前にはサイゴン川が広がっています。評価の高いホテルですが、ベトナムの物価安もあり、1万円台から宿泊することができます。なお、第二次世界大戦中は「日本ホテル」と改名され、日本軍の兵舎などとして利用されていました。1975年のベトナム統一後には政府のゲストハウスとしても利用されました。
■ホーチミンの5つ星ホテル
ホーチミンには、レックス・ホテル(REX HOTEL)、カラベル・サイゴン(Caravelle Saigon)、グランド・ホテル・サイゴン(Grand Hotel Saigon)、ルネッサンス・リバーサイド・ホテル・サイゴン(Renaissance Riverside Hotel Saigon)、シェラトン・サイゴンホテル&タワーズ(Sheraton Saigon Hotel & Towers)などの5つ星ホテルがあります。
その他おすすめ観光地
6.統一会堂(Reunification Palace)
旧南ベトナムの大統領官邸であり、サイゴン陥落時(1975年4月30日)の象徴的な場所。フランス官僚のために1868~1873年に建設されたノロドン宮殿が起源。ノロドン宮殿は1962年2月に発生したクーデターの際に破壊され、現在の建物は1962~1966年に再建されたものになります。
現在はAPEC首脳会議など重要な国家イベントに使用されているほか、一部が一般にも公開されています。なお、日本語の無料ガイドツアーもあるため、ベトナムの歴史を知る上でも訪問すべき場所とも言えます。
7.ホーチミン市博物館(Ho Chi Minh City Museum)
1978年に設立された博物館。設立当時はホーチミン市革命博物館という名称でしたが、1999年に現在の名称に変更されています。フランス植民地時代、ベトナム戦争関連などベトナムの歴史を学ぶことができます。さらに、民族衣装や楽器、硬貨、生活品なども展示されています。
なお、バロック様式の建物はフランス人建築家「アルフレッド・フルー(Alfred Foulhoux)」が設計し、1885〜1890年に建設されたものになります。ホーチミン人民委員会庁舎の隣に位置しており、立地面からもおすすめしたい博物館になります。
8.戦争証跡博物館(War Remnants Museum)
ベトナム戦争の歴史を知ることができる博物館。旧アメリカ行政機関の建物。ベトナム戦争で使用された戦闘機やヘリコプター、戦車などが屋外に展示されています。また、枯葉剤の影響を示す展示物、最上階には報道写真家である石川文洋氏のベトナム戦争に関する写真が250点以上展示されています。
なお、ベトナム戦争に関するものだけでなく、第一次インドシナ戦争に関する展示物もあります。プロパガンダ色はありますが、ベトナム戦争の悲惨さを知ることができる博物館になっています。
9.サイゴン動植物園(Saigon Zoo and Botanical Gardens)
1865年に設立された動植物園。ベトナムで最大規模。1927年には日本政府から約900種類の植物が寄贈されています。現在は120種以上の動物、250種以上の植物が展示されています。見所はホワイトタイガー、コビトカバなど。爬虫類も豊富です。さらに、直接触ることのできる動物がいるため、ファミリー層におすすめしたい場所になります。
10.ビテクスコ・フィナンシャル・タワー(Bitexco Financial Tower)
2007~2010年に建設された高層ビル。カルロス・ザパタ・スタジオ(Carlos Zapata Studio)がデザインを担当。地上68階(高さ262.5メートル)、地下3階で、ホーチミンで2番目に高い建物(2019年8月6日現在)。1~4階にはショップやレストラン、映画館などが入っています。ホーチミンの近代化を象徴するような建物であり、観光では外せないポイントです。
スカイデッキについて
49階にはスカイデッキがあり、360度のパノラマビューを堪能できることから観光客に人気のスポット。街並みも確認できる日没前後の入場なら、夜景まで楽しむことができます。さらに、50~52階にはレストランやカフェ、バーなどもあり、そちらは入場料が不要のため、昼食や夕食で利用するのも一つの手。
滞在後記
フランス植民地時代からベトナム戦争、そして進む近代化、様々なベトナム・ホーチミンの姿が上記の観光スポットを通して感じることができます。
ホーチミンの見所は多くありませんが、徒歩5~10分ほど中心地から離れると、ローカル色が一気に強くなります。また、サイゴン川沿いを歩いて散策するのもおすすめです。釣りを楽しんでいる人も多く、のどかな風景を楽しむことができます。
治安は安定しているので、観光スポット以外の場所も散策して、昔ながらの東南アジアの生活を垣間見ると面白い観光ができると思います。ぜひ上記を参考にホーチミン観光を楽しんでください。
※上記のおすすめ観光地の場所は以下のグーグルマップ(赤色)にまとめています。