トルコの首都「イスタンブール」で世界遺産巡りをしませんか?
トルコ・イスタンブールの旧市街は「イスタンブール歴史地区」として1985年に世界遺産に登録されています。
「遺跡公園地区」、「スレイマニエ・モスクと付属保護地区」、「ゼイレック・モスクと付属保護地区」、「大城壁地区」の4つから成っています。今回は印象に残った歴史的建造物を中心に、エリア別に分けて10ヵ所の世界遺産を紹介します。ぜひイスタンブール観光の参考にしてください!
遺跡公園地区(スルタンアフメト地区)
1.トプカプ宮殿(Topkapı Sarayı)
トプカプ宮殿は1400年代に建てられた宮殿。ドルマバフチェ宮殿が建てられるまで王宮として利用されていました。現在は博物館として利用されており、預言者ムハンマドの剣のほか、スプーン屋のダイヤモンド(86カラット)、トプカプの短剣などが展示されています。特にダイヤや世界最大のエメラルドなど豪華な宝飾品が見所になります。
■チケットは高騰
その一方、チケットの価格が高騰しており、ハレムなどとの共通券が日本円で約7000円もします。大きな宝石が見たければオーストリアのウィーンに行けば2000円ほどで見ることができます。そのため、簡単におすすめできない場所になってしまいました。
■美しいタイル装飾、トプカプ宮殿から見た景色(アジア側)
2.アヤソフィア(Ayasofya Müzesi)
アヤソフィアはローマ皇帝「コンスタンティウス2世(337年〜361年)」によって360年に建てられた教会が起源。焼失などを経て500年代にビザンツ様式の大聖堂として再建され、ギリシャ正教の総本山として信仰されていました。その後、オスマン帝国時代にモスクへと転用され、改築などが繰り返され現在のような姿になっています。ビザンツ帝国時代のモザイク画が見所でしたが、現在は出口付近にあるフレスコ画が唯一見ることができるものになっています。
3.スルタンアフメト・モスク(Sultan Ahmet Camii)
スルタン・アフメト・モスクは、アフメト1世(1590年〜1617年)の命で1609年~1617年にかけて建設されたモスク。ブルーモスクとして知られ、世界で最も美しいモスクとの評価もあります。観光客が入場可能な時刻は入口の表に記載されており、入場の際は服装や荷物をチェックを受けて、靴を脱いで内部に入ることになります。
■ここがポイント!
壁、天井装飾の美しさはイスタンブールNo.1。観光客が多く並んでいますが、裏を返せばそれだけ入りやすいということ。そのため、初めて拝観するモスクとしておすすめします。なお、筆者は中東、東南アジアで多くのモスクを訪問しましたが、そのなかでこちらのブルーモスクが一番美しいと感じました(2番はイェニ・モスク)。
■ブルーモスク内部
4.スルタンアフメット広場(Sultanahmet Meydanı)
スルタンアフメット広場はビュザンティオン時代から競馬場などがあり、東ローマ帝国時代には競馬や戦車競走が開催されていた場所。アト・メイダヌなどとも呼ばれています。また、皇帝の即位式や凱旋式、野生動物と戦うショー、公開処刑場などとしても利用されていました。広場にはトルコ・イスラム美術博物館があるほか、3本のオベリスクや蛇の柱(Yılanlı Sütun)などが見所になります。
■トルコ・イスラム美術博物館、蛇の柱
5.イスタンブル地下宮殿(Yerebatan Sarnıcı)
イスタンブル地下宮殿は、東ローマ帝国時代の6世紀に建設された貯水池。台座として使用されているメデューサの頭部像などが見所。宮殿内の貯水池には魚が泳いでいます。なお、宮殿内は写真より暗く、特にメデューサ像付近の床は濡れていてすべりやすいので注意してください。
■メデューサの頭部像
スレイマニエ・モスクと付属保護地区
6.スレイマニエ・モスク(Süleymaniye Camii)
スレイマニエ・モスクは、1550~1557年に建設された古典的なオスマン建築のモスク。オスマン帝国の第10代皇帝「スレイマン1世(1494年〜1566年)」の命によって建設されました。1660年の火災や1766年の地震、第一次世界大戦中の火災などに見舞われ、その都度修復が繰り返されています。モスクの近くにはスレイマン1世の墓、絶景スポットなどがあります。
■スレイマン1世の墓、絶景スポット
ゼイレック・モスクと付属保護地区
7.ゼイレック・モスク(Zeyrek Camii)
ゼイレック・モスク(Zeyrek Camii)は、1100年代前半に建設された修道院が起源。東ローマ帝国コムネノス王朝の第2代皇帝ヨハネス2世コムネノスの皇后エイレーネーによって建造されました。現存するビザンチン時代の修道院では最古のもの。コンスタンティノープル陥落後はモスクとして転用されました。
8.ヴァレンス水道橋(Valens Su kemeri)
ヴァレンス水道橋は、368年に完成したローマ帝国時代の水道橋。第14代ローマ皇帝ハドリアヌス(76~138年)の時代にはすでに建設が開始されていました。地下宮殿などに水を供給していたほか、オスマン帝国時代にも修復されながら使用されていた歴史を持っています。
大城壁地区
9.テオドシウスの城壁(Theodosius surları)
テオドシウスの城壁は、413年に完成した城壁。東ローマ帝国時代のものとして貴重な遺跡になります。城壁の名前は、東ローマ帝国テオドシウス朝の第2代皇帝テオドシウス2世の統治中に建設されたことが由来になっています。437、447年の地震で壁の大部分が壊れたほか、その後も地震や洪水などの被害を受けました。その都度修復されていましたが、コンスタンティノープル陥落後は荒廃していきました。なお、筆者が訪れた際は写真の可愛い猫が遊んでくれました。
10.カーリエ博物館(Kariye Müzesi)
カーリエ博物館は5世紀に建設された修道院が起源。オスマン帝国時代にモスクとして転用されました。14世紀頃に描かれたモザイクやフレスコ画は漆喰で塗りつぶされていたため、モスクに転用された際に破壊を免れています。なお、博物館として利用されていましたが、再度モスクになるという情報があります。
滞在後記
イスタンブールは、ローマ帝国時代、オスマン帝国時代など様々な歴史の移り変わりを感じることができる世界的にも珍しい場所です。
上記以外にも、街を歩けばローマ時代の城壁の名残、中世に建設されたモスクなどがあります。特にモスクは無料で入れるところが多いので、礼拝者の邪魔にならないように静かに見学させてもらうと良いと思います。
なお、世界トリップではイスタンブールの世界遺産以外の観光地、買い物スポット、治安、気候などの記事も配信しています。ぜひ以下のリンクからご覧ください。
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