ギリシャの首都「アテネ」のおすすめ観光地を紹介!
古くは新石器時代(紀元前6000年前)頃から人類が居住していたとの記録が残り、パルテノン神殿や古代アゴラなど古代ギリシャの歴史を今なお感じることができます。
古代遺跡はもちろん、オリンピック関連、議会議事堂など定番の観光スポットを中心に、「遺跡系」「絶景ポイント」「博物館」「教会」「その他観光地」のカテゴリーに分けて紹介します。筆者が訪れて印象に残った場所を選定していますので、ぜひアテネ観光の参考にしてください!
遺跡系
1.パルテノン神殿(Parthenon)
パルテノン神殿は、紀元前432年に完成した神殿。守護神アテナを祀ったアテネの象徴です。神殿が建つアクロポリスの丘は、「アテナイのアクロポリス」として1987年に世界遺産に登録されています。オスマン帝国の火薬庫として使用されていた1687年には、ベネチア共和国の攻撃により爆発し、大きな被害を受けました。1975年からギリシャ政府は本格的な修復に乗り出しています。
※2023年9月4日から入場制限(1日2万人上限)が行われています。
■筆者コメント
肝心の神殿は修復でレプリカのようになっていましたが、アクロポリスの丘からの景色は一見の価値ありです。料金は値上げされましたが、アテネと言えばここ!という場所であり、一度は訪れておきたい場所になります。なお、2023年に訪問した際はコロナ後の旅行需要回復により、パルテノン神殿周辺には本当に多くの観光客がいました。
2.古代アゴラ(Ancient Agora of Athens)
アゴラは政治や行政、商業、宗教など古代アテネの中心地。後期新石器時代(紀元前3000年)頃から住宅や埋葬エリアとして使用されていた歴史を持っています。そのなかで、ヘファイストス神殿(Temple of Hephaestus)、アッタロスの柱廊(Stoa of Attalos)などが見所になります。
■筆者コメント
こちらの遺跡の一部については周囲から無料で見ることができるため、外側から見るだけで十分だと思います。ただし、パルテノン神殿との共通券を購入すると入ることができるため、初めてのアテネ観光では遺跡巡りを楽しむのも良いと思います。
3.ハドリアヌスの図書館(Hadrian’s Library)
ハドリアヌスの図書館は、ローマ皇帝「ハドリアヌス(76年〜138年)」によって132年に建設された図書館です。ハドリアヌスは哲学等に強い関心を持ち、ローマ皇帝在位中に頻繁にアテネを訪れていました。現在は西側のファサードの遺跡が残り、柱廊が印象的です。敷地内には教会跡の遺跡があるほか、近くにはローマン・アゴラ(Ρωμαϊκή Αγορά Αθηνών)などの遺跡もあります。ハドリアヌスの図書館はアテネ観光で必ず訪れると言っても過言ではない遺跡になります。
4.ゼウス神殿(Temple of Olympian Zeus)
ゼウス神殿は、オリュンポス十二神の主神ゼウスに捧げられた神殿。紀元前550年頃に建設が始まりましたが、建設中断や放置、破壊などを経て、初代ローマ皇帝アウグストゥスの統治時代に建設が再開され、紀元後132年に完成しています。しかし、東ローマ帝国の皇帝テオドシウス2世はゼウス神殿を否定したため、その後神殿は破壊されました。
絶景ポイント
5.フィロパポスの丘(Philopappos Hill)
フィロパポスの丘は、コンマゲネ王国の王子、ローマ帝国の執政官であったフィロパポス(Philopappus、65~116年)の墓(大理石)と記念碑が建つ丘。また、古代ギリシャの哲学者ソクラテス(紀元前469年頃~紀元前399年)が入れられていた牢獄(ソクラテスの牢獄)があり、毒殺された場所でもあります。フィロパポスの丘からはパルテノン神殿がきれいに見えるため、写真撮影ポイントの一つとしてもおすすめです。
■ソクラテスの牢獄(Prison of Socrates)
■プニュクスの丘(Pnyx Hill)からの景色
プニュクスの丘は、フィロパポスの丘の近くにある絶景スポットです。アレオパゴスほど混雑しておらず、ゆっくりパルテノン神殿を見ることができます。また、守衛さんがいる小屋の近くで飲料水を飲むことができる点も嬉しいところ。20時頃でもそこそこの人がいるため、夜景撮影を行っていた際も治安面に不安を感じることはありませんでした。
6.アレオパゴス(Areopagus)
アレオパゴスは、パルテノン神殿があるアクロポリス近くにある岩の露頭です。パルテノン神殿は綺麗に見えませんが、アテネの街が一望できます。また、夜でも多くの人が訪れているため、治安面の心配はほぼ必要ありません。周囲には警察車両があるほか、筆者が訪れた際は警察官がアレオパゴスに行くための金属製の階段の入口にいました。ただ、大麻を吸っている若者、滑りやすい足場には注意する必要があります。
■アレオパゴスから撮影したアテネの街
7.リカヴィトスの丘(Lykavitos Hill)
リカヴィトスの丘は標高273メートルで、アテネ市街地で最も高い場所になります。ケーブルカーや徒歩で登ることができ、頂上にはセント・ジョージ教会(Church of Saint George)やレストランなどがあります。パルテノン神殿を含め、アテネの街を一望できるのでおすすめです。
なお、ケーブルカー乗り場は、エヴァンゲリスモ(Evangelismos)駅を下車し、プルタルウ(Ploutarchou)通りを登り終えた所にあります。ハイキングがてら徒歩でも登ることが可能です(筆者は徒歩を選択しました)。
■リカヴィトスの丘から見たパルテノン神殿、撮影場所付近にいた猫
博物館
8.アクロポリス博物館(Acropolis Museum)
2009年6月に開館した博物館。新アクロポリス博物館とも呼ばれ、アクロポリス丘やその周辺で発掘された出土品を中心に収蔵・展示しています。ベルナール・チュミ(Bernard Tschumi)などが設計を担当。収蔵点数は4200点以上。年間140万人以上の訪問者が訪れています。
9.アテネ国立考古学博物館(National Archaeological Museum)
アテネ国立考古学博物館は1829年に設立されたギリシャ初の考古学博物館です。19世紀末に建てられた新古典主義建築の建物には、先史時代からローマ時代など1万1000点を超えるコレクションが展示されています。
見所はアンティキティラ島の機械、ミケーネ文明の代表的な遺物「アガメムノンの黄金のマスク」、紀元前460年頃の銅像「アルテミシウスのポセイドン」、紀元前3世紀頃に製作されたと考えられている彫刻「テミス像」などになります。
教会
10.ミトロポレオス大聖堂(Metropolitan Cathedral of Athens)
ミトロポレオス大聖堂は、1842年のクリスマスにオソン1世と王妃アマリアにより礎石が敷設され、1862年に完成した大聖堂。生神女福音大聖堂とも呼ばれています。オスマン帝国時代にオスマン帝国により殺害された聖フィロセイ(Saint Philothei)、グリゴリオス5世(コンスタンディヌーポリ総主教、Patriarch Gregory V)の墓があります。
11.パナギア・カプニカレア教会(Church of Panaghia Kapnikarea)
パナギア・カプニカレア教会は、11世紀に建設された教会。アテネにある最も古いギリシャ正教の教会の一つ。古代ギリシャの寺院跡に建てられたと推測されています。教会内部の絵画の多くはフォティス・コントグルー(Fotis Kontoglou、1895〜1965年)によって描かれたもの。モザイク画なども見所です。
その他観光地
12.シンタグマ広場(Syntagma Square)
シンタグマ広場はアテネ中心部に位置する広場。1844年にギリシャ王国の憲法がこの場所で発布されたことに由来しています。ギリシャ語でシンタグマ(Syntagma)とは憲法のこと。広場横には5つ星ホテルの「Hotel Grande Bretagne」、「Hotel King George Athens」、「Hotel NJV Athens Plaza」が建ち並んでいます。主要観光地にも近く、治安面でも安定していることから、滞在先として適した場所と言えます。
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13.ギリシャ議会議事堂(Greek Parliament)
ギリシャ議会議事堂は、1836~1843年に建設された新古典主義建築の旧王宮。ドイツ人建築家フリードリッヒ・フォン・ゲルトナー(Friedrich von Gärtner)の設計により、初代ギリシャ国王であるオソン1世(Otto Friedrich Ludwig)と王妃アマリア(Amalie Marie Friederike von Oldenburg)のために建設されました。現在はギリシャ議会議事堂として利用されています。
14.アテネ国立庭園(The Athens National Garden)
アテネ国立庭園は、王妃アマリアの命により、1838~1840年に建設された庭園。バルト・ドイツ人の植物学者フリードリッヒ・カール・シュミット(Friedrich Karl Schmidt)が設計を担当しています。広さは24ヘクタールで東京ドーム約5個分。500品種以上の植物が植えられているほか、ベンチがあるため、食事休憩をする場所としておすすめです。
15.パナティナイコ・スタジアム(Panathenaic Stadium)
パナティナイコ・スタジアムは、紀元前6世紀に建設された競馬場が起源。紀元前250年に改築され、紀元前131年には大理石によって再建されています。1896年の第1回近代オリンピックに向けて改装され、会場として利用されました。2004年のアテネ五輪では男女マラソンのゴール地点にもなっています。
滞在後記
パルテノン神殿のチケットは値上がりしましたが、その他観光都市と比較して見所は多くないため、一度は行っておくべき場所だと思います。
また、アテネの街には派手さはありませんが、フィロパポスの丘などから見るパルテノン神殿の景色は感動するものがありました。また、古代ギリシャの面影を感じられる場所は多いので、アテネは歴史好きな人におすすめです。
最後に世界トリップではアテネの買い物スポット、治安、気候などの記事も配信しています。ぜひ以下のリンクからご覧ください。
※上記の観光スポットの場所は以下のグーグルマップにまとめています。