モスク巡りでイスラム教について理解を深めよう!
スルタン・アフメト・モスクは世界で最も美しいモスク?アヤソフィアは出口付近に秘密あり?スレイマニエ・モスクには街が一望できる絶景スポットがある?
今回はトルコ最大の都市「イスタンブール」にあるモスクを10カ所紹介します。モスクの歴史や内部の写真、観光客のは入やすさなどを掲載していますので、イスタンブール観光を計画されている方はぜひ参考にしてください。
イスタンブールのモスク10選
1.スルタン・アフメト・モスク(Sultan Ahmet Camii)
■観光客の入りやすさ:★★★★★(5段階評価の満点)
スルタン・アフメト・モスク(世界遺産)はアフメト1世(1590年〜1617年)の命により、1609年~1617年にかけて建設されたモスク。ブルーモスクとして知られ、世界で最も美しいモスクとも言われています。壁や天井など内部装飾はイスタンブール随一の美しさです。
観光客が入場可能な時刻は入口の表に記載されており、入口付近には行列ができています。筆者が2023年10月に訪問した際の待ち時間は10分ほどでした。観光客にとってイスタンブールで最も敷居の低いモスクと言えるため、モスク巡りはこちらから始めると良いと思います。なお、入口近くにあるトイレは無料で綺麗(男性用、※大は水洗じゃない?)でした。
■スルタン・アフメト・モスクの内部
2.アヤソフィア・モスク(Ayasofya Camii)
■観光客の入りやすさ:★★★★★(5段階評価の満点)
アヤソフィア・モスク(世界遺産)は、ローマ皇帝「コンスタンティウス2世(337年〜361年)」によって360年に建てられた教会が起源。現在の建物は東ローマ帝国の皇帝「ユスティニアヌス1世(483年〜565年)」の命により、532年から537年にかけて建設されたもの。ギリシャ正教の総本山でしたが、オスマン帝国によるコンスタンティノープルの陥落(1453年)以降はモスクとして改築され、現在のような姿になっています。
1935年から博物館として公開されていましたが、2020年にモスクに回帰したため、今回はモスクとして紹介しています。なお、博物館時代には見ることができたビザンツ帝国時代のモザイク画などは見られなくなっています。ただし、出口に向かう通路を振り返ると、以下の写真のモザイク画を見ることができます。気づかない人も多いため、出口に向かう際に通る門のような場所を振り返ってみてください。
■筆者コメント
金曜日、土曜日といった休日(現地)の昼は本当に多くの人が並んでいます。筆者が確認した限りでは200メートルくらいの行列ができていました。筆者は土曜日の20時くらいに訪問しましたが、すぐに入ることができました。団体の観光客も普通に入っていたため、夜も観光客に開放されていると思います(要確認)。入った瞬間、足臭いと感じましたが、内部装飾は綺麗で感動しました。
■アヤソフィア・モスク内部、出口近くのモザイク画
3.スレイマニエ・モスク(Süleymaniye Camii)
■観光客の入りやすさ:★★★★★(5段階評価の満点)
スレイマニエ・モスク(世界遺産)は、オスマン帝国の第10代皇帝「スレイマン1世(1494年〜1566年)」の命により、1550年〜1557年に建設されたモスク。設計はオスマン帝国史上最高の建築家と言われるミマール・スィナン(Mimar Sinan、1489年〜1588年)が担当しています。
筆者は12時前に訪問しましたが、スレイマン1世の墓や景色が一望できる場所を含め、多くの人が訪れていました。お土産を販売している店舗もあり、周辺は人気観光スポットになっていました。内部はアヤソフィアと同様に足の臭いが気になりましたが、綺麗なステンドグラスが印象に残りました。
なお、トイレは5トルコリラですが、スレイマン1世の墓の先に行った場所に無料のトイレがあります。
■スレイマン1世の墓
■スレイマニエ・モスクの絶景ポイント
4.イェニ・モスク(Yeni Camii)
■観光客の入りやすさ:★★★★★(5段階評価の満点)
イェニ・モスクはオスマン帝国の第12代皇帝ムラト3世(Sultan Murad III、1546年~1595年)の妻サフィエ・スルタン(Sultana Safiye、1550年~1619年)の命により、1597~1665年に建設されたモスク。設計はミマール・スィナンの弟子「ダヴット・アーガー(Davut Ağa)などが担当しています。
見所はブルーモスクに負けず劣らずの美しい内部装飾です。なお、入口に観光客が入れる時間が書かれた看板があるため、観光客でも入りやすいモスクになります。
■イェニ・モスクの内部
5.バヤズィト・モスク(Beyazıt Camii)
■観光客の入りやすさ:★★★★★(5段階評価の満点)
バヤズィト・モスクは、オスマン帝国の第8代皇帝「バヤズィト2世(1447年〜1512年)」の命により、1501年から1506年にかけて建てられたモスク。筆者が訪れた際は40人前後の人が訪れており、見学を躊躇するということはありませんでした。グランドバザール近くに位置することで、観光客がアクセスしやすい立地である点もポイントです。なお、運が良ければ入口付近で可愛い猫に会うことができます。
6.ゼイレック・モスク(Zeyrek Camii)
■観光客の入りやすさ:★★★(5段階評価)
ゼイレック・モスク(世界遺産)は、東ローマ帝国コムネノス王朝の第2代皇帝ヨハネス2世コムネノス(1087年〜1143年)の皇后エイレーネー(1088年〜1134年)の命により、1118年から1124年にかけて建てられた修道院が起源。
現存するビザンチン時代の修道院では最古のものになり、ユネスコの世界遺産に登録されています。コンスタンティノープル陥落後はモスクとして転用されています。なお、筆者が訪れた際は、入口にカーテンがかけられており、物凄く入りづらかったです。中に人はおらず、静かな時間が流れていました。
7.リュステム・パシャ・モスク(Rüstem Paşa Camii)
■観光客の入りやすさ:★★★★★(5段階評価の満点)
リュステム・パシャ・モスクはスレイマン1世の大宰相「リュステム・パシャ(1500年頃〜1561年)」のために、1561年から1563年にかけて建てられたモスク。設計はミマール・スィナンが担当。見所は青色の装飾タイル。外に観光客の入口の案内板があるため、観光客が訪れやすいモスクになります。筆者が訪れた際はガイド付きの中国人観光客が3人、その他観光客が3人いました。なお、入口が分かりづらいので注意してください。
■リュステム・パシャ・モスクの入口
8.ファティ・モスク(Fatih Camii)
■観光客の入りやすさ:★★★(5段階評価)
ファティ・モスクはオスマン帝国の第7代皇帝「メフメト2世(1432年〜1481年)の命により、1462年から1469年にかけて建てられたモスク。この場所には330年頃にローマ皇帝「コンスタンティヌス1世(270年頃〜337年)」が奉献した聖使徒教会があり、コンスタンティヌス1世が埋葬された場所であると考えられています。その後、教会は荒廃し、ファティ・モスクの建設のために取り壊されています。
筆者がお祈りが終わるのを待っていると、ロマ族やトルコ系の少女3人の物乞いに声を掛けられるということがありました。お祈りが終わり中に入ると、内部装飾やステンドグラスの美しさに驚きました。なお、モスクの参拝者の女性は黒い服にブルカを着用するなど、厳格なイスラム教徒という印象を受けました。そのほか、外には猫の小屋が並べられており、多くの猫が生活しています。
※入口に観光客用の看板がないため、基本的には信者用のモスクと考えた方が良さそうです。
9.タクシム・モスク(Taksim Camii)
■観光客の入りやすさ:★★★★(5段階評価)
タクシム・モスクはタクシム広場に位置するモスク。トルコ系ベルギー人建築家のシェフィク・ビルキエ(Şefik Birkiye)氏などが設計を担当し、2017年から2021年にかけて建設されました。イスタンブール市長時代にモスク構想を支持していたエルドアン大統領が完成後初の金曜礼拝に訪れています。なお、筆者が訪れた際は1人しかいませんでしたが、入りづらいという感じではありませんでした。
10.ソコルル・メフメト・パシャ・モスク(Sokullu Mehmet Paşa Camii)
■観光客の入りやすさ:★★★★(5段階評価)
ソコルル・メフメト・パシャ・モスクは、スレイマン1世、セリム2世、ムラト3世に仕えたオスマン帝国の大宰相「ソコル・メフメト・パシャ(Sokollu Mehmed Paşa、1506年〜1579年)」と妻「イスミハン・スルタン(İsmihan Sultan、1545年〜1585年」によって建てられたモスク。
設計はミマール・スィナンが担当し、ミマール・スィナンが設計した最も美しい建物の一つとも言われています。筆者が訪問した際はお祈りをしていた人が1名いただけでした。筆者が帰る際、白人女性がスカーフをせず中に入ろうとして注意されていました。観光客が入りやすいモスクですが、ルールは守るようにしてください。
最後に
今回はブルーモスクやアヤソフィアなど観光客が入りやすいモスクを中心に、イスタンブールにあるモスク10カ所を紹介しました。
これらのモスクは観光客にも開放されていますが、肌の露出を控える、女性は頭にスカーフを巻く、大声で話さないといったルールを守る必要があります。また、お祈りをしているイスラム教徒の方をじろじろ見ないといった配慮も大切です。モスクを訪れる方は、訪問をさせてもらっているという気持ちで訪れてください。
なお、今回紹介したモスクの場所は以下のグーグルマップで確認してください。