フィレンツェはルネサンス芸術の中心地!
ドゥオーモの内部はどんな感じ?ミケランジェロやガリレオ・ガリレイが眠る教会があった?ヴィーナスの誕生で知られる美術館とは?
今回は「おすすめの教会」「おすすめの博物館」「その他おすすめの観光地」「おすすめの買い物スポット」のカテゴリーに分けて、フィレンツェのおすすめ観光地を紹介。筆者が撮影した写真も掲載しますので、ぜひフィレンツェ観光の参考にしてください!
※新型コロナウイルスの影響により、教会や博物館などの開館時間が異なる場合があります。訪問の際は公式ホームページなどで開館時間を確認してください。
フィレンツェ歴史地区
イタリア中部のトスカーナ州に位置するフィレンツェ(Firenze)は、ルネサンス(14~16世紀)の中心都市であり、「屋根のない博物館」とも称されています。
そして、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(Cattedrale di Santa Maria del Fiore)を核とする市街地は、「フィレンツェ歴史地区」として1982年に世界遺産に登録されています。今回はフィレンツェ歴史地区の主要スポットを中心におすすめ観光地を紹介していきます。
おすすめの教会
1.サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(Cattedrale di Santa Maria del Fiore)
1296年に建設が開始され、1436年に完成した教会。ドゥオーモとも呼ばれるこちらの建物が最大の見所になります。アルノルフォ・ディ・カンビオ(Arnolfo di Cambio)が設計を担当し、フィレンツェのシンボルとして多くの人から愛されています。
白、ピンク、緑の大理石で装飾されたネオゴシック様式の外装は、フィレンツェの建築家エミリオ・デ・ファブリス(Emilio De Fabris)により19世紀に制作されたものになります。なお、大聖堂の最上部にあるブロンズ製の球体はヴェロッキオ工房が製作を担当。ヴェロッキオの弟子であったレオナルド・ダ・ヴィンチが何らかの形で製作に携わった可能性があります。
■ドゥオーモ内部
2.サンタ・クローチェ教会(Basilica di Santa Croce di Firenze)
13世紀に建設された礼拝堂が起源。フランシスコ会の創設者「アシジの聖フランシスコ(Francesco d’Assisi)」により設立されたとも伝わっています。現在の教会は1294年に建設が開始され、1443年に奉献されたもの。
ネオゴシック様式の大理石ファサードはユダヤ人建築家ニコロ・マタス(Nicolò Matas)により1857~1863年に建設されたものになります。なお、ミケランジェロ(Michelangelo)、ガリレオ・ガリレイ(Galileo Galilei)、マキャヴェッリ(Machiavelli)、ジョアキーノ・ロッシーニ(Gioachino Rossini)などが眠っています。
3.サン・ロレンツォ教会(Basilica di San Lorenzo)
393年に奉献された教会が起源。11世紀にはロマネスク様式で再建され、15世紀にはルネサス様式で再建されました。その際、ミケランジェロも階段や図書館デザインなどで関わっています。メディチ家代々の菩提寺でもあり、メディチ家礼拝堂が付属しているのも特徴です。
■メディチ家礼拝堂
4.サンタ・マリア・ノヴェッラ教会(Basilica di Santa Maria Novella)
9世紀に建設された教会が起源。2人のドミニコ会修道士によって設計され、13世紀~14世紀にかけて建設されたもの。ドゥオーモのドーム設計を担当したフィリッポ・ブルネレスキが製作した「キリスト磔刑像」、マザッチョ作「聖三位一体」などが見所になります。
5.サン・ミニアート・アル・モンテ教会(Abbazia di San Miniato al Monte)
8世紀に建設された礼拝堂が起源。現在の教会は11世紀~12世紀に建設されたもの。鐘楼は1499年に崩壊した後、1523年に再建されました。ロマネスク様式の傑作の一つとして評価されています。
6.サンタ・マリア・デル・カルミネ教会(Chiesa di Santa Maria del Carmine)
1268年に建設が着工された教会(ファサードは未完成)。1328年、1464年に食堂などが拡張されています。16~17世紀にはバロック様式に改装され、1771年の火災を受けてその後ロココ様式で再建されています。マザッチョ、マソリーノのフレスコ画が見所。ルネサンスの巨匠「ミケランジェロ」が模写をするために通ったほどの名作になります。
おすすめの博物館
7.ウフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi)
ジョルジョ・ヴァザーリ(Giorgio Vasari)の設計で1560年に着工し、1580年に竣工したフィレンツェの行政機関事務所が起源。サンドロ・ボッティチェッリ作「ヴィーナスの誕生」が有名。その他、レオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロなどの作品が展示されています。ルネサンス芸術を見たい方は必見の美術館になります。
8.大聖堂付属博物館(Museo dell’Opera di Santa Maria del Fiore)
ドゥオーモ広場にある大聖堂付属博物館。彫刻家ドナテッロ作「悔悟するマグダラのマリア」、ミケランジェロが手掛けた彫刻「ピエタ(未完)」、ロレンツォ・ギベルティ作「天国の扉(オリジナル)」などが見所です。さらに、レオナルド・ダ・ヴィンチも一部製作に携わったとされる200キロの銀を使用した祭壇も展示されています。
■サン・ジョヴァンニ洗礼堂の「天国の扉(レプリカ)」
9.ヴェッキオ宮殿(Palazzo Vecchio)
アルノルフォ・ディ・カンビオ(Arnolfo di Cambio)によって1299~1314年に建設された宮殿。フィレンツェ共和国の政庁舎として使用され、メディチ家の宮殿として利用されました。現在はフィレンツェ市庁舎として使用されています。なお、特徴的なタワーは1353年に造られたものですが、1667年にゲオルク・レダール(Georg Lederle)によって造られたレプリカと交換されています。
10.ピッティ宮殿(Palazzo Pitti)
銀行家ルカ・ピッティ(Luca Pitti)により15世紀に建設が着工された宮殿。その後、ルカ・ピッティの死によって建設が中断されましたが、16世紀にメディチ家当主により買い取られ、建設が再開されました。1859年までトスカーナ大公の宮廷として利用されました。
11.ダンテの家(Museo Casa di Dante)
「神曲」で知られる詩人「ダンテ・アリギエーリ(Dante Alighieri)」が暮らした家。ダンテの死後は家の一部が売却され、拡張・改修などが行われますが、その後放置されていました。1911年に再建され、1965年から一般公開されています。博物館は3フロアで構成され、ダンテの生涯・中世のフィレンツェ、亡命、神曲などのテーマに分けられています。ダンテファンの方はもちろん、中世フィレンツェの歴史が好き人にもおすすめの博物館です。
その他おすすめの観光地
12.ミケランジェロ広場(Piazzale Michelangelo)
フィレンツェの下町情緒が残るサン・ニッコロ(San Niccolò)地区近くに位置する広場。フィレンツェ旧市街が一望できる広場として観光客に人気の場所になります。写真の通り、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂、ヴェッキオ宮殿、ヴェッキオ橋といった観光スポットを見ることができます。夜景のみならず、日中も訪れる価値があるため、一度は訪れておきたい場所だと言えます。
13.ヴェッキオ橋(Ponte Vecchio)
ローマ時代に建設されたと伝わる橋。この橋の存在が最初に登場するのは996年の文献でのこと。その後、洪水などの被害を受けて1117年、1345年に再建されました。現在は宝石店が軒を連ねており、観光客にも人気のスポットになっています。
※以下の記事でフィレンツェの夜景について紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
おすすめの買い物スポット
14.ザ・モール(THE MALL)
フィレンツェ中心部からバスで40〜50分ほどの場所にあるアウトレット。グッチやサルヴァトーレ・フェラガモ、エミリオ・プッチなどイタリアブランドを中心としたブランドが揃っています。割引率は全体的に40%オフほどが主体。ザ・モールとは別扱いになりますが、すぐ近くにはプラダ、モンクレールなどのアウトレットもあります。接客態度はあまり良くありませんが、ブランド数の多さからおすすめしたいアウトレットになります。
なお、ザ・モールのブランド一覧、行き方などは以下の記事をご覧ください。
15.トルナブオーニ通り(Via de’ Tornabuoni)
フィレンツェのブランド店街。アンティノーリ広場、サンタ・トリニタ橋を結ぶ全長約300メートルの通りになります。こちらの通りにグッチやサルヴァトーレ・フェラガモ、エミリオ・プッチの本店があります。歴史的建造物も多く、ブランド好きな方のみならず、フィレンツェの歴史に興味のある方にも訪れていただきたい通りになります。
なお、トルナブオーニ通りのブランド一覧については以下の記事をご覧ください。
最後に
ドゥオーモを中心とする市街地は「屋根のない博物館」と言われる通りの景観が広がっています。ミケランジェロ広場からはそれらの街並みを一望することができ、フィレンツェを訪れて良かったと心から思わせてくれます。
地下鉄やトラムがなく不便ですが、観光地は小規模にまとまっています。そのため、3日程度の滞在なら、徒歩でほぼ全ての観光地を回ることは可能です。中世ヨーロッパの景色を色濃く残す街並みは一見の価値ありです。ぜひ、みなさんもフィレンツェを訪れてみてください!
※上記のおすすめの観光スポットの場所は以下のグーグルマップ(赤色)にまとめています。