スペインシナゴーグは世界で最も美しいシナゴーグの一つ!
スペインシナゴーグは美しい装飾が見所?!1980年代に閉鎖されるも、復活した要因とは?歴史資料に日本と関連するものがあった?
今回はチェコ共和国の首都「プラハ」にあるスペインシナゴーグについて紹介します。簡単な歴史から見所、開館時間などの基本情報をお伝えします。プラハ観光を計画されている方はぜひ参考にしてください!
スペインシナゴーグ(Španělská synagoga)について
スペインシナゴーグは、プラハのブランド店街「パジージュスカー通り」近く、ユダヤ人街に位置するシナゴーグです。スペインシナゴーグがある場所にはプラハ最古のシナゴーグの一つがありましたが、収容人数を拡大させるために取り壊され、1868年に現在の建物が建設されました。
様式はムーア様式で、外観からもよく分かります。ヴォイチェフ・イグナーク・ウルマン(Vojtěch Ignác Ullmann、1822年〜1897年)、ヨゼフ・ニクラス(Josef Niklas、1817年〜1877年)、ヤン・ベルスキー(Jan Bělský、1815年〜1880年)が設計を担当しています。
第二次世界大戦中はユダヤ人街から押収された家具などの財産を保管する場所となり、戦後の1955年にユダヤ博物館が建物を取得。共産主義の影響か、1970年代に建物は放置され、1982年にシナゴーグは閉鎖されました。その後、ビロード革命(民主化革命)を契機に建物は修復され、1998年に改めて開館しています。
スペインシナゴーグのおすすめポイント
写真からも分かりますが、スペインシナゴーグの見所は何と言っても内部装飾の美しさです。アントニン・バウム(Antonín Baum、1830年〜1886年)、ベドリッヒ・ミュンツベルガー(Bedřich Münzberger、1846年〜1928年)が内部装飾のデザインを担当。1882年から1893年にかけて製作され、アラベスク模様のイスラム芸術に影響を受けたデザインになっています。写真では分かりづらいですが、所々にユダヤ教のシンボルである「ダビデの星(六芒星)」が描かれています。
また、スペインシナゴーグは1階、2階で構成されており、各階でユダヤ教に関する歴史、プラハにおけるユダヤ人の歴史や資料などを見ることができます。なかには日本の上海無国籍避難民処理事務所が第二次世界大戦中に発行した移動猶予書などもあります。そこにはチェコのことがチェッコと書かれており、今と昔の言い方の違いなどを見ることができ、とても印象に残りました。なお、第二次世界大戦中の中国・上海には、「上海ゲットー」と呼ばれる日本軍勢力下にあったユダヤ人居住区がありました。
そのほか、以下のステンドグラスなども見所になります。
■ステンドグラス
基本情報
スペインシナゴーグ | |
開館時間 | 9:00〜18:00(土曜日は定休日)※時期により異なる |
料金 | 400チェココルナ(旧ユダヤ人墓地等との共通券) |
住所 | Vězeňská 1, 110 00 Staré Město(地図) |
アクセス | 地下鉄A線「Staroměstská」駅から徒歩5分 |
完成 | 1868年 |
様式 | ムーア様式 |
設計者 | ヨゼフ・ニクラス、ヤン・ベルスキーなど |
公式サイト | https://www.jewishmuseum.cz/ |
■所在地(マップ)
滞在後記
筆者は9時半過ぎに訪問しました。入口の扉が閉められていたため、入口が分かりづらく、建物を一周してしまいました。筆者は入口の扉に係員の男性が立っていたので、中に入っていいですか?と質問をしてから中に入りました。
※入口は写真のカフカ像のある通り沿い、写真右の木製のドアになります。
中に入ると、ショップ兼チケット売場があります。チケット購入時にオーディオガイド(日本語はありません)をしつこく勧められるので注意が必要です。オーディオガイドがないと理解ができないと言われますが、シナゴーグ内には説明文が書かれた展示物も多く、オーディオガイドの必要性はあまり感じませんでした。
中には約30人ほどの訪問者がいましたが、見学しづらいといった状況にはならず、写真もスムーズに撮影することができました。なお、入口で撮影する時はNo Flashでお願いしますと言われます。
スペインシナゴーグは入って良かったと思える場所でしたが、旧ユダヤ人墓地やマイゼルシナゴーグなどとの共通券になるため、日本円で約2600円とやや高額です。ユダヤの歴史を知りたいと思う方にはおすすめですが、興味のない方は見送られた方が無難だと思います。
以上、上記を参考にスペインシナゴーグへの訪問を計画してみてください!