イタリア第4の都市「トリノ」で教会巡りをしてみませんか?
都市伝説で有名なキリストの聖骸布が保管されている大聖堂があった?トリノ市内最大の教会とは?ドイツ人芸術家が手掛けたライトアップが幻想的な教会って?
今回は実際に滞在した筆者がトリノでおすすめしたい教会を5つ紹介。番外編としてライトアップがきれいな教会、その教会前の広場から見ることができる絶景も紹介します。ぜひトリノ観光の参考にしてください!
トリノのおすすめ教会5選
1.サン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂(Cattedrale di San Giovanni Battista)
1491〜1498年に建設された大聖堂。4世紀に建設されたキリスト、洗礼者聖ヨハネ、聖母マリアに捧げられた3つの教会が起源。3つの教会は大聖堂の建設に伴い、1490〜1492年に取り壊されています。
アメデオ・ディ・フランチェスコ・ダ・セッティニャーノ(Amedeo di Francesco da Settignano、1430〜1501年)が設計を担当。様式はルネサンスとバロック。鐘楼は1468〜1470年に建設されたものになります。なお、サヴォイア公国の王室関係者が埋葬されているほか、トリノ出身でフィアットの元会長「ジャンニ・アニェッリ(Gianni Agnelli、1921〜2003年)」の葬儀が行われた場所でもあります。
■聖骸布について
大聖堂はキリストの遺体を包んだとされる聖骸布が保管されている場所として知られています。聖骸布はリネン製で、サイズは縦4.41メートル、横1.13メートル。1453年からサヴォイア家が所有し、1983年にローマ教皇へ所有権が移されています。
通常はレプリカが公開されており、実物は見ることができません。実物の公開時期はローマ教皇によって決定され、近年では2010年、2015年に一般公開されています。なお、都市伝説では聖骸布の人物はキリストではなく、第23代目テンプル騎士団総長「ジャック・ド・モレー(Jacques de Molay)」ではないかとも言われています。作成方法など不明な点が多く、現在も論争が続いています。
料金:無料
住所:Piazza San Giovanni, 10122 Torino(地図)
アクセス:トラム4・7番線「Duomo-Musei Reali」駅から徒歩1分
■サン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂の内部、聖骸布のレプリカ
2.サン・ロレンツォ教会(Real Chiesa di San Lorenzo)
1668〜1687年に建設されたバロック様式の教会。1177年以前に建設された教会が起源。グアリーノ・グアリーニ(Guarino Guarini)が設計を担当。1557年にサン・カンタンの戦いに勝利した後、エマヌエーレ・フィリベルト(Emmanuel Philibert)が教会を修復。1634年に基礎石が置かれ、教会が建設されています。アンドレア・ポッツォ(Andrea Pozzo、1642〜1709年)が手掛けた祭壇画などが見所になります。
料金:無料
住所:Via Palazzo di Città, 4, 10122 Torino(地図)
アクセス:トラム4・7番線「Garibaldi」駅から徒歩1分
■サン・ロレンツォ教会の内部
3.サンタ・クリスティーナ教会(Chiesa di Santa Cristina)
1715〜1718年に建設されたバロック様式の教会。クリスティーヌ・ド・フランス(Christine Marie de France、1606〜1663年)によってプロジェクトが開始され、カルロ・ディ・カステッラモンテ(Carlo di Castellamonte)が設計を担当。18世紀にリボリオ・グリサンテ(Liborio Grisante)が製作したパイプオルガンなどが見所です。
料金:無料
住所:Piazza San Carlo, 10123 Torino(地図)
アクセス:トラム4・15番線「Arcivescovado」駅から徒歩2分
■サンタ・クリスティーナ教会の内部
4.サン・フィリッポ・ネリ教会(Chiesa di San Filippo Neri)
1675〜1730年に建設されたバロック、新古典主義建築の教会。マリー・ジャンヌ・バティスト・ド・サヴォワ=ヌムール(Marie Jeanne Baptiste de Savoie-Nemours、1644〜1724年)の支援によって建設され、フィリッポ・ユヴァラ(Filippo Juvarra、1678〜1736年)などが設計を担当。長さ69メートル、幅37メートルでトリノ市内で最大の教会になります。カルロ・マラッタ(Carlo Maratta、1625〜1713年)作の祭壇画などが見所です。
料金:無料
住所:Via Maria Vittoria, 5, 10123 Torino(地図)
アクセス:トラム13・15番線「Castello」駅から徒歩4分
5.グラン・マドレ・ディ・ディオ教会(Chiesa della Gran Madre di Dio)
1818〜1831年に建設された新古典主義建築の教会。ヴィットーリオ・エマヌエーレ1世(Vittorio Emanuele I、1759〜1824年)の王位回復を祝して建設され、フェルディナンド・ボンシニョール(Ferdinando Bonsignore、1760〜1843年)が設計を担当しています。以下の写真で少しだけ見ることができますが、ドーム部分の装飾などが見所になります。
料金:無料
住所:Piazza Gran Madre di Dio, 4, 10131 Torino(地図)
アクセス:トラム13番線「Gran Madre」駅からすぐ
■グラン・マドレ・ディ・ディオ教会の内部
番外編
サンタ・マリア・デル・モンテ教会(Chiesa di Santa Maria del Monte dei Cappuccini)
1583〜1656年に建設されたバロック様式の教会。アスカニオ・ヴィットッツィ(Ascanio Vittozzi、1539〜1615年)が設計を担当。古代ローマ時代に寺院が建てられるなど、古くから聖地のような場所でした。見所はドイツ人アーティスト「レベッカ・ホーン(Rebecca Horn、1944年〜)」が手掛けたネオンサークルによるライトアップ。また、教会前の広場からはトリノの街が一望できることもあり、夜景スポットとしても人気です。
料金:無料
住所:Piazzale Monte dei Cappuccini, 3, 10131 Torino(地図)
アクセス:トラム13番線「Bonsignore」から徒歩10分
■サンタ・マリア・デル・モンテ教会前の広場から見た夜景
滞在後記
トリノは観光スポットが充実している都市ではないため、教会巡りはトリノ観光を楽しむための重要なポイントになります。
筆者はサン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂に聖骸布のレプリカがあることを知らず、訪問時はお!公開時期未定のはずなのに聖骸布が飾ってある!と興奮しましたが、帰国後にそれがレプリカだと知りました。確かに聖骸布の実物が飾ってあるにしては人が少な過ぎたので、怪しいとは思っていましたが…
そのほか、印象に残っているのは番外編で紹介したサンタ・マリア・デル・モンテ教会のライトアップと教会前の広場から見たトリノの夜景になります。青く照らし出された幻想的な教会、広場から見るとんがり帽子が特徴的なトリノのランドマーク「モーレ・アントネリアーナ」は一見の価値があります。
以上、トリノには上記以外の教会がまだまだあります。教会巡りを通して現地の文化に触れることも観光の醍醐味だと思います。訪問の際は大声を出さないなど、最低限のマナーに注意して訪問してみてください。