旅の通知表「旅カルテ」!
今回はイタリアの首都「ローマ」を取り上げます。
ローマは日本人観光客も多く、イタリアでも人気の観光都市です。古代ローマ時代の遺跡など、古い歴史を感じることができる世界有数の都市でもあります。そんなローマの物価や治安、街並みなどを独自に評価するほか、気温や降水量も記載しているので、ローマ観光の参考にしてみてください。
ローマ観光の旅カルテ
評価項目 | 5段階評価 |
おすすめ度 | ★★★ |
治安 | ★★★ |
物価 | ★★★ |
街並み | ★★ |
交通機関 | ★★★ |
英語力 | ★★ |
日本車比率 | ★★ |
ローマの気温と降水量
※出典:気象庁ホームページ(http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/monitor/climatview/frame.php)などのデータを基に筆者作成。
ベストシーズンとは?
4~6月辺りが観光にはおすすめです。気候がいいので、観光で歩き回るには最適の時期になります。夏場(7~8月)は本当に暑いので避けた方が無難です。熱中症や脱水症状対策として市の関係者が観光客に水を無料で配っているほどです。なお、冬場の最高気温は11℃前後、最低気温は大体6℃前後になります。
ローマ観光のポイント解説
おすすめ度:★★★
トレビの泉やスペイン広場、コロッセオ、バチカン市国など誰もが知る有名な観光スポットが多いことが高ポイントになります。
その一方、観光スポット以外の場所は単調でやや刺激に欠け、活気を感じることができなかったこと、テルミニ駅周辺のイスラム化、それによる治安面の不安などをマイナス評価とし、おすすめ度は星3つとしています。
古代ローマの遺跡群も魅力の一つですが、いかんせん似通ったものばかりなので、1カ所行けば十分です。筆者はフォロ・ロマーノ(Foro Romano)とカラカラ浴場跡(Terme di Caracalla)に行きましたが、実際に行ってみると無料で見れる範囲で十分といった感じでもありました。なお、コロッセオなど観光地で入場待ちをしていると、結構な確率で割り込みされますが、文化の違いと割り切るようにしましょう。
治安:★★★
昼夜を問わず、ローマの街中を歩けるだけ歩きましたが、治安面で特に問題は感じませんでした。しかし、テルミニ駅周辺は黒人男性やイスラム系男性が多く、ガラの悪い地区になっています。警察車両に車止めを投げつけていた人もおり、テルミニ駅周辺は治安があまり良くないと感じました。※日中観光する分には問題はありません。
また、観光スポットではありませんが、二コラ・カリパリ庭園(Giardini Nicola Calipari)周辺もイスラム系住民が多いので、夜間は注意してください。テルミニ駅周辺以外についても、細く人目に付きづらい道が多くあるので、夜間は入り込まないように気を付けてください。なお、治安の悪い街の特徴としては、黒人・イスラム系住民が多いこと、落書きが異様に多いこと、ごみが散乱していることなどが挙げられます。嫌な雰囲気を感じたら、すぐにその場から立ち去ることをおすすめします。
※ローマの詳しい治安情報については以下の記事をご覧ください。
物価:★★★
ローマの物価については、フランスなどと比較して安く、日本とほぼ変わらないという印象を受けました。ローマには「Coop」や「CONAD」などのスーパーマーケットがあり、飲料品の購入など上手に使えば滞在コストを削減することができます。
食事については、スナックバーやイスラム系レストランでは6ユーロ前後、中華レストランでは12ユーロほどで食べることができます。イタリア料理レストランでは、ペスカトーレ(リゾット)とイタリアンビールで16ユーロほど。20ユーロもあれば、そこそこの物が食べられると考えて大丈夫です。
なお、ホテル代(日本円換算)の目安としては、3つ星ホテルが5000円台~、4つ星ホテルが7000円台~、5つ星ホテルが1万円台半ば~になります。
物価目安 | |
水(0.5L) | 0.60ユーロ |
コーラ(1L) | 1.10ユーロ |
ファンタオレンジ(0.5L) | 0.75ユーロ |
桃(1kg) | 1.50ユーロ |
バナナ(1kg) | 0.80ユーロ |
ピザ(サイズ小) | 1.20ユーロ |
スナックバー(食事) | 6ユーロ前後 |
レストラン | 10ユーロ~ |
3つ星ホテル | 5000円台~ |
※1ユーロ=126.50円(2020年12月11日現在)
※最新、詳しい物価情報については以下の記事をご覧ください。
街並み:★★
街を歩いていると古代ローマ時代の遺跡が点在しており、独特な景観を築き上げています。しかし、遺跡は似通ったものが多く、感動するのは最初だけかもしれません。
また、トレビの泉やスペイン広場など観光スポットは多いですが、観光地から少し離れると趣きのある建物は少なくなります。特徴のある建物は意外に少なく、地味で華やかさに欠ける街並みになっています。そこが魅力かもしれませんが、華やかなヨーロッパらしい街並みを期待する人にはやや不満が残るかもしれません。
さらに、街中は緑が少なく、落書きも多いため、観光地以外の景観はいいとは言えないことから星2つとしました。
交通機関:★★★
主要交通機関は地下鉄とバスになります。
ローマの街は意外と狭いので、パンテオン(Pantheon)を中心にすると、大体の観光地には2キロ以内で行くことができます。そのため、時間に余裕のある人は散策がてら歩いて観光することをおすすめします。普通の観光客とは違ったローマの顔を垣間見てみましょう。
なお、路線図については、ローマの地下鉄を運営するATACのホームページで確認できます。地下鉄は、「MA(オレンジ)」「MB(ブルー)」「MC(グリーン)」の3つで、グリーンのC線は建設中で一部開通しています。
共通チケットの料金 | |
1回券 | 1.50ユーロ ※100分間有効 |
1日券 | 7.00ユーロ ※刻印後24時間有効 |
2日券 | 12.50ユーロ ※刻印後48時間有効 |
3日券 | 18.00ユーロ ※刻印後72時間有効 |
※チケットは自動券売機、キオスク、バスターミナルのチケット売り場などで購入ができます。
英語力:★★
英語圏からの観光客も多く、ホテルでは英語が通じます。しかし、観光地付近ではないレストランやスナックバーでは英語が通じなかったため、簡単なイタリア語は覚えておいた方がいいかもしれません。
簡単なイタリア語 | |
こんにちは | ボンジョールノ(Buongiorno) |
ありがとう | グラッツェ(Grazie) |
いくら?(値段) | クアント コスタ(Quanto costa) |
これが欲しいです | ヴォリオ クェスト(Voglio questo) |
トイレ | トイレッテ(Toilette) |
日本車比率:★★
イタリアということもあり、フィアット車が多いです。また、オペルやフォルクスワーゲン、Smartなども目立っていました。日本車の中ではトヨタがダントツで、続いて日産という感じでした。そのほか、米フォード車を多く目にし、少し驚いたことを覚えています。
ドライバーについては、気持ちに余裕がないのか、せっかちな人が多いのか、運転の荒い人が多いとの印象を受けました。また、ローマは歩道が狭い道も多いですが、容赦なくクラクションを鳴らされるので、車には注意して歩くようにしてください。
総括
ローマは歴史を感じる見所の多い観光地であることは間違いありません。
しかし、観光地は点と点という形になっており、街全体としての魅力につながっていない印象を受けました。
人それぞれ感じ方は違いますが、観光地以外の景観についておすすめできる場所は少ないと感じたほか、テルミニ駅を中心としたイスラム化もマイナス要因になります。
2、3日あれば大体の観光地に行くことができるので、短期間の滞在が適しています。その他イタリアの都市にも同様のことが言え、7~10日間で3都市くらい周遊すると満足度の高いイタリア観光ができると思います。