みなさんはイタリアの首都「ローマ」の物価について、どのようなイメージをお持ちですか?
ローマは古代遺跡のみならず、フェンディやブルガリ、ヴァレンティノなど世界的に人気の高いブランドが本店を構え、世界中から観光客が訪れる都市になります。
今回は実際に何度も滞在した筆者がホテル代から飲食費、主要観光地の入場料を中心に、ローマの物価について紹介。飲料水などの価格はテルミニ駅に併設されているスーパーマーケット「コープ(Coop)」で調査しています。さらに、お土産の価格、炭酸水の見分け方なども掲載していますので、ローマ観光を計画する際の参考にしてください。
ローマの物価について
■物価の高さ(5段階評価):★★
ローマの物価については外食費の高さがマイナス要因になりますが、ホテル代の安さは魅力です。その他ヨーロッパ都市の滞在費(1週間のモデルケース)と比較しても3〜5万円ほど安いため、ローマは物価が安いという評価をしています。もちろん東南アジアなどの方が物価は安いですが、今回はあくまでヨーロッパ都市との比較でこのような評価をしています。
また、物価を語る上で欠かせないのがビッグマックの価格になりますが、ビッグマックセット(M)は6.9ユーロ(約820円)になり、ヨーロッパではやや安めになります。飲料水は1.5リットル0.28ユーロ(約33円)ほど。スーパーマーケットで売られていた飲料水やジュース、ビール、パン類などはその他ヨーロッパ都市とあまり変わらずといった印象を受けました。
■付加価値税について
付加価値税(消費税)は22%(標準税率)になり、商品によっては軽減税率10%、4%が適用されます。食肉や薬、果物、鮮魚などは10%、生鮮野菜や牛乳、書籍、パンなどは4%になります。ブランド物などは免税手続きをすれば、支払った税金の一部が返金されます。
滞在費のモデルケース(1人で1週間滞在した場合)
- 4つ星ホテルの料金(6泊):6万円
- 飲食費(飲料水、食事):3万6000円
- 交通費(空港間移動含む):5500円
- お土産・その他費用:1万円
合計:11万1500円
4つ星ホテルは1泊1万円で計算(チップ考慮)。飲食費は1日45ユーロ、最終日は少なめにして合計300ユーロで計算。交通費は6日分の1日乗車券(36ユーロ)、バスによる空港間移動(往復10ユーロ)で計算。お土産・その他費用は予想される許容範囲の金額で計算しています。
なお、上記の金額は比較的ゆとりを持ったプランになります。ホテルのグレードや飲食費、お土産などの費用を削減すれば、もっと安く滞在することも可能です。これからホテル代、飲食費、電車賃などを紹介しますので、そちらから滞在費をイメージしてみてください。
ローマのホテル代について
ランク | 1泊あたりの料金(目安) |
5つ星ホテル | 1万円台後半〜3万5000円 |
4つ星ホテル | 6000円〜1万2000円 |
3つ星ホテル | 5000円前後 |
2つ星ホテル | 5000円前後 |
ホステル | 1500円前後 |
※宿泊する場所やホテルによって料金は異なります。上記は一つの目安として参考にしてください。
ドミトリー形式のホステルは安いところで1泊1000円以下、探せば1人部屋でも1泊3000円台で宿泊することができます。2〜4星ホテルは1万円以下で宿泊できるところが多く、ローマのホテル代はその他ヨーロッパ都市と比較してやや安めとの印象を受けました。
5つ星ホテルについてはラ・グリフェ・ローマ・Mギャラリーが1万5000円ほど、グランド・ホテル・リッツが1万6500円ほどで宿泊できます。変わったところではブランドのフェンディ本店(※写真)に併設されている「フェンディ・プライベート・スイーツ(Fendi Private Suites)」になり、1泊5万円ほどで宿泊することができます。
ローマの飲食費について
品目 | 料金 |
飲料水(1.5L) | 0.28ユーロ |
コカ・コーラ(1.5L) | 1.62ユーロ |
オレンジジュース(1L) | 1.18ユーロ |
ハイネケン(330ml✕3) | 3.44ユーロ |
バナナ(1kg) | 2.48ユーロ |
サンドイッチ | 3ユーロ前後 |
ビッグマックセット(M) | 6.9ユーロ |
レストラン | 25ユーロ |
下町バーのカクテル | 6ユーロ |
※1ユーロ=123.95円(2020年11月27日現在)
飲料水は1.5リットルで0.28〜0.56ユーロほど。コープ以外では1.5リットル0.17ユーロで販売しているスーパーマーケットもありました。ヨーロッパはどこもそうですが、基本的に飲料水は日本より安い傾向があります。
上記以外ではファンタオレンジ(1.5L)が1.44ユーロ、2個入りのカップヨーグルトは0.67ユーロ、変わったところではヤクルト(65ml✕7本)が4.29ユーロでした。なお、コープでは日本と同じく、賞味期限の迫った商品に半額シールが貼ってある場合があります。その日に消費するものについてはシールの貼ってある商品を購入すると、滞在費を節約することも可能です。
レストラン系については、マクドナルドのビッグマックセット(M)が6.9ユーロと、ヨーロッパでは若干安い価格になります。その他ランチ(パスタなど)では10ユーロ台で食べられるレストランもあります。ヨーロッパのレストランは基本的に高いですが、スナックバーやイスラム系レストランでは10ユーロ以下で食べることができます。
そのほか、下町「トラステヴェレ」のレストランでは、ピザ(マルゲリータ)が7.5ユーロ、パスタ(カルボナーラ)が9ユーロほどでした。バーのカクテルは6ユーロ、ショット(ウォッカなど)は2ユーロになります。夜のトラステヴェレは多くの人で賑わっていますので、ローマ滞在の際にはぜひ夜の街に繰り出してみてください。
炭酸水の見分け方
ヨーロッパを旅行していると普通の飲料水を購入したつもりが、いざ飲んでみると炭酸水だったということが多々あります。筆者は炭酸水が苦手なため、何本も我慢して飲んだことがあります。
普通の飲料水と炭酸水を見分ける方法はとても簡単で、「ナトゥラーレ(Naturale)」が炭酸なし、「フリッツァンテ(Frizzante)」が炭酸入りになります。以下の写真のように表示されていますので、購入する際は気をつけるようにしてください。
■普通の飲料水「ナトゥラーレ(Naturale)」※ラベルの緑色の部分
■炭酸入りの飲料水「フリッツァンテ(Frizzante)」※パック中央のやや下
ローマの主要交通機関の料金
ローマの主要交通機関は地下鉄、バス、トラムになります。チケットは共通になるため、バスやトラムも気兼ねなく乗ることができます。主なチケットの料金は以下の通りです。
- 1回券:1.50ユーロ(※100分間有効)
- 1日券:7.00ユーロ(※刻印後24時間有効)
- 2日券:12.50ユーロ(※刻印後48時間有効)
- 3日券:18.00ユーロ(※刻印後72時間有効)
※チケットは自動券売機、キオスク、バスターミナルのチケット売り場などで購入ができます。
地下鉄やバス、トラムはありますが、中心部のアクセスはあまり良くありません。ローマの街は意外と狭く、パンテオンを中心にすると大体の観光地に2キロ以内で行くことができます。そのため、滞在期間の長い方は散策がてら歩いて観光するのもおすすめです。
なお、路線図や最新のチケット料金などはローマの地下鉄を運営するATACのホームページで確認してください。
フィウミチーノ空港からテルミニ駅へ
フィウミチーノ空港からローマ・テルミニ駅へは鉄道、バスで行くことができます。
鉄道は直通列車「レオナルド・エクスプレス」があり、料金は片道14ユーロ、所要時間は約32分、15〜30分間隔で運行されています。フィウミチーノ空港発は始発が6時8分、終電が23時23分。テルミニ駅発は始発が5時20分、終電が22時35分。ストライキ中も運行は保証されていますが、バスでの代替輸送になる可能性があります。
バスは片道7ユーロ、往復9〜10ユーロになり、所要時間は50分ほど。写真はバスのチケット売り場になり、ガラス部分に次の便の時間、チケットの料金などが貼られています。チケットの料金はあまり変わらないため、すぐに乗れるバスを選べばいいと思います。なお、バス会社「Terravision」のスケジュールは、フィウミチーノ空港発の始発が5時35分、終電が23時。テルミニ駅発が4時40分、終電が21時50分になります。
ローマの主要観光地の入場料
観光地 | 料金 |
コロッセオ | 12ユーロ(フォロ・ロマーノ等を含む) |
サンタンジェロ城 | 10.5ユーロ〜 |
カラカラ浴場 | 8ユーロ |
真実の口 | 2ユーロ |
サン・ピエトロ大聖堂 | 6ユーロ〜(教会は無料) |
バチカン美術館 | 17ユーロ |
ボルゲーゼ美術館 | 15ユーロ |
ローマ国立近代美術館 | 10ユーロ |
イタリア国立21世紀美術館 | 10ユーロ |
ローマ動物園 | 16ユーロ |
ローマの遺跡、博物館を巡る場合はローマパスがおすすめです。
48時間券(28ユーロ)、72時間券(38.5ユーロ)があり、48時間券は最初に訪問した博物館が無料、72時間券は最初、2番目に訪問した博物館が無料になります。それ以降に訪問した博物館などは割引になるため、通常訪問よりお得に遺跡、博物館巡りが楽しめます。
さらに、地下鉄やバス、トラムも乗り放題になりますので、気になる方はローマパスの公式サイトをチェックしてみてください。なお、ボルゲーゼ美術館は利用不可、コロッセオは要予約になっていますので、計画されている方は注意してください。
お土産の値段について
お土産の定番になるマグネット、コロッセオや真実の口などの置物、キーホルダーは1ユーロで購入することができます。ローマのロゴが入ったTシャツは7ユーロ、パーカーは16ユーロほどで販売されています。
しかし、お土産屋さんの多くは中国人、中東系移民が運営しています。中国製のお土産より、イタリア製のお土産を購入する方が相手にも喜ばれ、良い思い出にもなると思います。そのなかで、ローマに本店を構えるレザーブランド「デル・ジューディチェ(DEL GIUDICE)」がおすすめ。カードホルダーが22ユーロ、コインケースが30ユーロほどで販売されています。価格のみならず、デザイン性の高さや丁寧な縫製、イタリア製という部分でもおすすめです。
なお、デル・ジューディチェの詳細、ローマに本店を構えるブランドについては以下の記事をご覧ください。
総括
- ローマはホテル代が安い!
- 飲料水(1.5L)はスーパーで購入すれば約30円!
- ビッグマックセット(M)はやや安め(ヨーロッパ内で)
上記の通り、ローマの物価はホテル代の安さが特徴です。飲食費についてはその他ヨーロッパ都市とあまり変わりません。外食費は高くなるため、コープ(Coop)やコナッド(CONAD)などのスーパーマーケットを利用すれば、滞在費を抑えることができます。
シーズン次第ですが、東京・ローマ間の往復航空券は4万円台で販売されています。ローマはおそらく一番安くヨーロッパに行くことができる都市だと思います。また、イタリア国内の鉄道料金は安く、ローマからフィレンツェ、ベネチア、ミラノなどの都市を周遊するのもおすすめです。
ぜひ、当記事を参考にしていただき、ローマ観光を計画してみてください!