ジュネーブで高級時計ブランドの本店巡りをしませんか?
スイスは時計大国であり、ジュネーブにも高級時計ブランドの本店、本社が多くあります。
今回は世界三大高級時計ブランドの一角であるパテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンなど、ジュネーブに本店、本社を置くブランド10社を紹介しますので、ぜひ観光の参考にしてください!
本店を構える高級時計ブランド
1.パテック・フィリップ(PATEK PHILIPPE)
スイスの高級時計メーカーで、世界三大高級時計ブランドの一角。本店はローヌ通り(Rue du Rhône)沿いに位置しています。圧倒的な豪華さにより店舗内は入りづらいですが、ウインドーショッピングだけでも十分楽しめます。
■ブランドについて
アントワーヌ・ノルベール・ド・パテック(Antoine Norbert de Patek)とフランチシェック・チャペック(Franciszek Czapek)が1839年に事業を開始したことが始まり。
その後2人は袂を分かち、1845年にパテックはキーレス巻き上げ機構を発明したジャン・アドリアン・フィリップ(Jean Adrien Philippe)と出会い、1851年にパテック・フィリップを設立。
1851年にロンドン万博博覧会に出品した際、英国のヴィクトリア女王(1819~1901年)が同社の懐中時計を購入したことで評判が一気に広がりました。その後、ローマ教皇ピウス9世(1792~1878年)、イタリア国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世(1869~1947年)、アインシュタイン、ワーグナー、チャイコフスキー、ウォルト・ディズニーなどに愛用されています。
2.ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)
世界三大高級時計ブランドの一角。本店はトラム「Bel-Air」駅近くに位置していましたが、現在はロンジュマル広場(写真)にあるブティックが唯一のものになります。
■ブランドについて
ジャン=マルク・ヴァシュロン(Jean-Marc Vacheron、1731~1805年)が1755年に創業した高級時計メーカー。現在はスイスのリシュモングループ傘下。
1819年にヴァシュロンの孫であるジャック・バルテルミー・ヴァシュロン(Jacques Barthelemy Vacheron)が共同経営者としてフランソワ・コンスタンタン(Francois Constantin)を迎えたことにより、ヴァシュロン&コンスタンタン(Vacheron et Contantin)に社名を変更。1970年に社名の“&”が削除され、ヴァシュロン・コンスタンタンになりました。
ナポレオン・ボナパルト(ナポレオン1世、1769~1821年)やローマ教皇ピウス11世(1857~1939年)、英国国王エドワード8世(1894~1972年)などに愛用されました。
3.フランク・ミュラー(FRANCK MULLER)
フランク・ミュラー(Franck Muller、1958年7月11日~)によって1991年に設立された高級腕時計メーカー。本店はトラム「Bel-Air」駅近くに位置しています。木を基調とした落ち着いた内装で入店するのは少し憚られますが、ウインドーショッピングをするだけでもジュネーブ観光のいい思い出になると思います。
■フランク・ミュラーについて
フランク・ミュラーは1975年にジュネーブ時計学校に入学、3年で履修すべき単位を1年間で修得し、最高賞などを授与され首席で卒業。卒業後はコレクターや博物館などから依頼された希少な時計の修理などを手掛け、1980年代には彼自身の設計によるトゥールビヨン腕時計を製作しています。
特徴的な同社の腕時計は、第43代アメリカ大統領のジョージ・W・ブッシュ、メドベージェフ元ロシア大統領、エルトン・ジョン(Elton John)、ラッパーの50 Centなどが愛用。日本でも多くの芸能人などが着用しています。
4.ショパール(Chopard)
1860年に時計職人「ルイ・ユリス・ショパール(Louis-Ulysse Chopard、1836~1915年)」が設立した時計、宝飾品ブランド。本店(写真中央の建物)はローヌ通り(Rue du Rhône)沿いに位置し、周囲にはハリー・ウィンストン、ピアジェなどそうそうたる宝飾品店が軒を連ねています。
■ブランドについて
ルイ・ユリス・ショパールが製作した時計は芸術性や機能性が評価され、多くの顧客に支持されることとなり、最後のロシア皇帝「ニコライ2世(1868~1918年)」にも愛用されました。
1937年に創業地のスイス・ソンヴィリエ(Sonvilier)からジュネーブに移転し、高級時計の製造を開始。1963年にショパール家がドイツ人の金細工・時計職人のカール・ショイフレ3世(Karl Scheufele III)に会社を売却。それから現在までショイフレ家が会社を所有しています。
5.フランソワ・ポール・ジュルヌ(F.P. Journe)
フランソワ・ポール・ジュルヌ(François-Paul Journe、1959年~)が設立した高級時計ブランド。本店はモンブラン橋(Pont du Mont-Blanc)付近(旧市街側)のロンジュマル広場(Place de Longemalle)に位置しています。ヴァシュロン・コンスタンタンと合わせて訪れてみてください。
■ブランドについて
フランソワ・ポール・ジュルヌは1976年にパリ時計学校を卒業し、1977年から叔父のアンティーク時計の修理工房で仕事を開始。1982年には初の時計となるトゥールビヨン懐中時計を製作し、1985年に最初の工房(パリ)を開設。その後、ジュネーブに工房を設立し、本社もジュネーブとしています。
2003年には世界初となるブティックを東京・南青山にオープンさせており、日本にもファンが多い知る人ぞ知る時計ブランドです。
6.ロジェ・デュブイ(ROGER DUBUIS)
スイス人時計師ロジェ・デュブイ(Roger Dubuis)がカルロス・ディアス(Carlos Dias)と設立した高級腕時計ブランド。本店はローヌ通り(Rue du Rhône)とマルシェ通り(Rue du Marché)の間にあるフュストゥリー広場(Place de la Fusterie)に位置しています。
■ブランドについて
ロジェ・デュブイはロンジンやパテック・フィリップで勤務した後、1980年に時計工房を開設。1995年に会社を設立し、現在はヴァシュロン・コンスタンタンと同様にスイスのリシュモングループの傘下になっています。
本社を構える高級時計メーカー
7.ロレックス(ROLEX)
泣く子も黙る高級腕時計の雄。本社はパテック・フィリップ・ミュージアムから徒歩11分の場所にあり、ガラス張りの社屋が特徴的です。
■ブランドについて
1905年にドイツ人の時計職人ハンス・ウィルスドルフ(Hans Wilsdorf)、イギリス人のアルフレッド・デイビス(Alfred Davis)がイギリス・ロンドンで創業したウィルスドルフ&デイビスが起源。
1908年に「ロレックス」を商標登録し、スイスに事務所を構えました。そして、第一次世界大戦中の1915年には、ドイツの名称であるウィルスドルフではイギリスとの取引に支障が出るため、社名をロレックス・ウォッチカンパニーに変更。そして、1919年にスイス・ジュネーブに会社を移転させています。
8.ロマン・ジェローム(ROMAIN JEROME)
2004年に設立された高級腕時計ブランド。本店はサン・ピエール大聖堂近く、グランリュ通り(Grand-Rue)沿いに位置していましたが、現在は閉鎖されています。
■ブランドについて
ハイエンドな時計製造技術と芸術性などが世界的に評価されています。国内では、広島東洋カープの黒田投手(当時)の日米通算200勝を記念した腕時計を200万円(税抜き)で受注生産すると発表したことでも話題になりました。
9.ボーム&メルシエ(BAUME&MERCIER)
1830年にルイ=ヴィクトール、セレスタン・ボーム兄弟が時計工房を開いたことが始まり。1918年に創業者の孫になるウイリアム・ボームがポール・メルシエと共に「ボーム&メルシエ」をジュネーブで設立。現在はリシュモン傘下。価格帯は10万円台〜200万円台。大半のモデルは20〜50万円ほどになります。
10.ベダ&カンパニー(BEDAT & CO)
シモーヌ・ベダ(Simone Bédat)、彼女の息子クリスチャン・ベダ(Christian Bédat)が1996年に設立したレディース時計ブランド。最初のコレクションで「N°3」、「N°7」を発表。2009年にマレーシア企業「Luxury Concepts」が買収しています。価格帯は30〜300万円ほどになります。
最後に
今回紹介した高級時計ブランドの本店、本社は旧市街の中心地に集中しています。
華やかなものからシンプルなものまで幅広い高級時計がショーウインドウに展示されているので、それらを見学するだけでも思い出深いジュネーブ観光ができると思います。ジュネーブ観光の際は、高級時計ブランドの本店巡りを楽しんでみてください。
※高級時計ブランドの本店、本社の場所は以下のグーグルマップ(黄色)にまとめています。