【世界遺産】チチェン・イッツァ遺跡は見所満載!観光に役立つ豆知識とは?

チチェン・イツァ遺跡(Chichen Itza)のエル・カスティージョ カンクン

メキシコ・カンクン近郊にあるチチェン・イッツァ遺跡は、1988年に「古代都市チチェン・イッツァ」として世界遺産に登録されています。さらに、2007年には世界の新七不思議にも選ばれています。

この記事をご覧になっている方のなかにも、「カンクンは知らないがチチェン・イッツァ遺跡のエル・カスティージョ(ピラミッド)は見たことがある」という人もいるかもしれません。チチェン・イッツァ遺跡はそれほど有名な遺跡であり、年間250万人以上の観光客が訪れる場所にもなっています。

今回は実際に滞在した筆者がチチェン・イッツァ遺跡の歴史、見所、アクセス方法をまとめてお伝えします。カンクン観光の際にはぜひこちらの記事を参考にしてください。

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チチェン・イッツァ遺跡の歴史について

チチェン・イッツァはマヤ最大の都市の一つになります。古典期(西暦400年代)に都市形成が成され、その後9世紀頃には地域一帯を支配する首都のような場所になりました。5万人もの人達が居住し、ユカタン半島以外からの移住者も生活していたと言われています。

チチェン・イッツァ遺跡にある建物の多くは6世紀〜10世紀に建てられたものになります。しかし13世紀以降、目立った建物は建てられておらず、1400年代中頃から急速に衰退していきました。1526年にスペイン人がユカタン半島を征服した後も、聖なる泉「セノーテ」だけは巡礼地として機能していました。

その後、遺跡群は放置されていましたが、1841年以降に発掘調査が行われ、メキシコ政府などによる修復作業で現在のような姿に蘇っています。

チチェン・イッツァ遺跡群の見所について

エル・カスティージョ(El Castillo)

チチェン・イツァ遺跡(Chichen Itza)のエル・カスティージョ

マヤの最高神「ククルカン」を祀っていることから、「ククルカンのピラミッド」とも呼ばれています。下部構造は600〜800年、ピラミッド全体は900〜1000年に完成したと言われています。高さはぴったり24メートル。頂上の神殿部分(6メートル)を含めると高さ30メートルになります。

ククルカンは羽毛を持つ蛇で、春分の日、秋分の日の年に2回、蛇の頭がある階段部分にククルカンの姿が浮かび上がる現象を見ることができます。また、ピラミッド4面には各91段の階段があり、神殿部分の1段を足すと365段になるなど、マヤ人の天体観測の正確さには驚かされます。

■観光に役立つ豆知識

階段の正面に立って手を叩くと、音の反響を楽しむことができます。4面とも同じ反響音になると思いますが、筆者はガイドさんが教えてくれた蛇の頭のある階段(写真左)で行いました。神殿部分に空いた穴の影響かは分かりませんが、そのような部分でもピラミッドの不思議な構造を感じることができます。

セノーテ(Cenote Sagrado de Chichen Itza)

チチェン・イツァ遺跡(Chichen Itza)のセノーテ

セノーテ(聖なる泉)は雨や豊作を祈願するため、生贄や宝石が投げ込まれるなど、宗教的に重要な意味を持つ場所になります。しかし、1903〜1910年に米国のメキシコ領事だったエドワード・H・トンプソン(Edward H. Thompson)が投げ込まれた金などの盗掘を行っています。なお、切り立つ崖に囲まれているため、泉を見る際は足元に注意してください。

戦士の神殿(Templo de los Guerreros)

チチェン・イツァ遺跡(Chichen Itza)の戦士の神殿

800〜1050年に建設されたと言われる神殿。戦士を描いた彫刻が施された多くの柱が立ち、階段の上には生贄の心臓を乗せたとされるチャク・モール像があります。チチェン・イッツァ遺跡の中でも重要度が高い遺跡です。

ジャガーの神殿(Templo de los Jaguares)

チチェン・イツァ遺跡(Chichen Itza)のジャガーの神殿

1000〜1150年に建てられた神殿。ジャガーの彫刻が名前の由来。内部は石で装飾されており、儀式に利用されたと考えられています。球戯場側(写真の裏側)には蛇の頭を持った2つの柱があります。

球戯場(Gran Juego de Pelota)

チチェン・イツァ遺跡(Chichen Itza)の球戯場

フエゴ・デ・ぺロタと呼ばれる球戯が行われた場所。縦146メートル、横36メートルのコートになり、メソアメリカ最大の規模。フエゴ・デ・ぺロタは腰でボールを打ち、壁に突き出している丸い輪の穴に通すゲーム。より多く通したチームが勝ちとなり、そのゲームの勝敗で生贄を決定したともされています。

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アクセス方法

チチェン・イッツァ遺跡へのアクセス方法は主に以下の2つになります。

ツアーに参加

一番簡単な方法がツアー参加になります。ツアーはオンライン、現地の空港・ホテル、ツアー会社などで予約可能です。

カンクン国際空港に降り立つと、あたかも祭りのような感じでツアーの客引きが行われています。筆者は空港でツアー予約をしましたが、ダウンタウンのホテルや市場で紹介されたツアーの方が安価でした。ネットでは日本語ツアーを予約することもできます。

現地ツアーの価格は30米ドル〜、日本語ガイドのツアーは85米ドル〜が目安になります。多くの現地ツアーはホテルまでの送り迎えになります。料金面も安く、気軽に参加できることがメリットになります。その一方、自由時間は少なく、ゆっくり遺跡観光をしたい方にはあまり向いていません。

筆者が参加したツアー

筆者は空港で予約した100ドルほどのツアーに1人で参加しました。バスの中は欧米人向けの温度設定でとても寒く、ツアーガイドは寝ている乗客に対して悪態をつくなど、常に乗客イジりを行っていました。また、昼食のビュッフェは1人で、とても寂しい思いをしたことを思い出します。遺跡観光の時間は短かったですが、満足できる観光が楽しめました。1人で参加される方は30〜40ドル台の安い現地ツアーがおすすめです。

ADOバス

ダウンタウンのADOバス・ステーション

ツアー以外では、ダウンタウン・カンクンにあるADOバスターミナルからチチェン・イッツァ遺跡へ行く方法になります。片道チケットの料金は現地購入で258メキシコペソ(約1400円)、ネット購入で175〜255メキシコペソ(約950〜1400円)ほどになります。その他路線バスでも行くことはできますが、乗り換えや時間面からおすすめできません。

■ADOバスのスケジュール

ダウンタウンカンクン発⇒チチェン・イッツァ遺跡行き:8時45分

チチェン・イッツァ遺跡発⇒ダウンタウンカンクン行き:16時30分

※乗車時間は約3時間。最新の料金、スケジュールは現地サイトで確認してください。

チチェン・イッツァ遺跡を隅々までゆっくり観光したい方はADOバスがおすすめ。その一方、料金は現地ツアーのものとあまり変わらないため、ホテルまで迎えに来てもらいたい方、英語ガイドでも問題ない方は現地ツアーの方がおすすめです。

滞在後記

チチェン・イッツァ遺跡は世界遺産に登録されているマヤ文明を代表する遺跡になります。

高度な天文学に裏付けされた建物はやはり魅力的で、ピラミッドの姿を見た時、カンクンに来てよかったと心から思えました。セノーテについては1000年前に生贄が捧げられていた場所だと知った上で訪れましたが、泉に引き込まれそうになる感覚を覚えたことも不思議な感じでした。

また、遺跡内にはイグアナが住んでいます。初見ではびっくりしますが、臆病なので近づくとすぐに逃げていきます。じっくり見るととても可愛らしいので、イグアナを見られたこともいい思い出です。

なお、上記には記載していませんが、金星観測に利用された天文台(El Caracol)も見所になります。観光客は多く、お土産屋さんも乱立していますが、カンクン旅行の際は一度訪れておくことをおすすめします。

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