剱岳登山を写真で振り返る!
別山尾根ルートの全13カ所の鎖場はどんな感じ?「カニのたてばい」、「カニのよこばい」どっちが怖かった?愛らしい雷鳥のヒナ達に遭遇!
今回は写真で振り返る剱岳登山の登山日編になります。73枚の写真で筆者の登山を紹介していきます。全ての鎖場の写真を掲載していますので、初めて剱岳に挑戦される方はぜひ参考にしてみてください。なお、室堂から剱沢キャンプ場までの道のりを紹介した初日編は以下の記事をご覧ください。
※当記事は悪天候時の登山を勧めるものではありません。
剱岳登山(登山日)
■1.剱沢キャンプ場からスタート
撮影日時:2021年9月2日7時48分
雨が小雨になるのを待ってから出発。写真の赤い屋根の建物は「剱澤小屋」です。
■2.剣山荘へ向かう道(1)、3.剣山荘へ向かう道(沢)
撮影日時(2):2021年9月2日7時57分
沢へ向かう道になります。
撮影日時(3):2021年9月2日7時58分
増水時はルートを若干変更する必要がありそうです。岩から岩へジャンプして渡るのは危ないため、靴を脱いで渡るのも一考だと思います。
■4.剣山荘へ向かう道(2)
撮影日時:2021年9月2日8時04分
写真のように黄色のペンキで目印が塗ってあります。そのため、道に迷うことはありませんでした。
■5.剣山荘へ向かう道(3)、6.剣山荘横の登山道
撮影日時(5):2021年9月2日8時10分
写真右の建物が剣山荘。この辺りはやや緑が生い茂るエリアになっていました。
撮影日時(6):2021年9月2日8時16分
剣山荘横にある剣岳への登山道。いよいよ登山の開始です。
■7.一服剱に向かう道(1)、8.一服剱に向かう道(2)
撮影日時(7):2021年9月2日8時22分
撮影日時(8):2021年9月2日8時24分
相変わらず視界は悪いですが、ハイキングを楽しんでいるといった状況です。
■9.剱岳別山尾根ルート「1番目鎖場」
撮影日時:2021年9月2日8時25分
1番目の鎖場ですが、鎖を使わなくても大丈夫でした。
■10.一服剱に向かう道(3)
撮影日時:2021年9月2日8時29分
ペンキの矢印を参考に進んでいきます。写真のような動きづらい岩のペンキは参考になりますが、動くような岩に書かれたペンキはルートが変わっている可能性があるので注意が必要です。先を見越したルート作成を心掛けておけば大丈夫でした。
■11.剱岳別山尾根ルート「2番目鎖場」
撮影日時:2021年9月2日8時32分
こちらの鎖場もまだまだ厳しくありません。本番はこれからといったところでしょうか。
■12.一服剱に向かう道(4)、13.一服剱
撮影日時(12):2021年9月2日8時37分
大きい岩を登っていきます。
撮影日時(13):2021年9月2日8時39分
一服剱に到着。これから前剱を目指します。しかし、剱岳どころか前剱も見えません。
■14.前剱に向かう道(1)、15.前剱に向かう道(2)
撮影日時(14):2021年9月2日8時45分
ハイマツなど緑が多いエリアです。熊の好物「ベニバナイチゴ」もありました。
撮影日時(15):2021年9月2日8時50分
尾根を進みます。この辺りには仙人が修行をしていそうな大きな岩があり、とても幻想的でした。
■16.前剱に向かう道(3)、17.前剱に向かう道(4)※浮石注意
撮影日時(14):2021年9月2日8時51分
撮影日時(15):2021年9月2日8時55分
こちらは「前剱にかけて浮石、落石に注意してください」という看板があるエリアになります。
■18.前剱に向かう道(5)、19.前剱に向かう道(6)
撮影日時(14):2021年9月2日8時58分
ペンキを参考に、足が掛けられる場所を探しながら登っていきます。見た目ほど難しい場所ではありませんでした。
撮影日時(15):2021年9月2日9時05分
こちらは大き目の岩がゴロゴロしているエリアになり、体力が奪われやすい場所でした。
■20~21.剱岳別山尾根ルート「3番目鎖場」
撮影日時:2021年9月2日9時11~14分
遠目から見ると難しそうでしたが、実際に登ってみるとそうでもありませんでした。
■22.前剱に向かう道(7)
撮影日時:2021年9月2日9時20分
この辺りで中年男性に遭遇。早く先へ行けと言わんばかりの態度でした。休みたかったのですが、仕方なく先へ行き、振り返ってみると…男性はトイレの真っ最中。立山周辺は野糞が多くて嫌になりました。男性は連れの女性を先に行かせていましたが、頂上や帰り道で会うことはありませんでした。
■23.剱岳別山尾根ルート「4番目鎖場」
撮影日時:2021年9月2日9時22分
■24.前剱に向かう道(8)、25.前剱に向かう道(9)
撮影日時(24):2021年9月2日9時23分
目の前の目印(白色のペンキ)ではなく、さらに先の目印を目指し、ルートを考えて岩場を進みます。その際、若干遠回りになっても、自分にとって安全で進みやすいルートを選ぶようにすると良いと思います。
撮影日時(25):2021年9月2日9時33分
「やつ」(5番目鎖場)の姿が見えてきました。
■26.剱岳別山尾根ルート「5番目鎖場」
撮影日時:2021年9月2日9時35分
谷からの風が吹き付け、鎖場は断崖絶壁。後にも先にも、引き返すことを考えたのはここだけでした。ひとまず鎖場の足場を確認すると、見た目以上に足場はしっかりしていたため、鎖を利用しながら慎重に進むことにしました。
■27.前剱に向かう道(10)
撮影日時:2021年9月2日9時45分
「剣へ」の文字。何気ない言葉に勇気付けられます。
■28.剱岳別山尾根ルート「6番目鎖場」
撮影日時:2021年9月2日9時45分
下りの鎖場。雨ということもあり、慎重に下っていきます。
■29.前剱に向かう道(11)
撮影日時:2021年9月2日9時46分
■30.前剱に向かう道で出会った雷鳥の親子
撮影日時:2021年9月2日9時51分
遂に雷鳥に遭遇!3羽のヒナに、右側はお母さん雷鳥でしょうか。こちらの一家を合わせて、この辺りでは7~8羽ほどの雷鳥を見ることができました。どのヒナも順調に成長している様子でした。
■31.前剱に向かう道(12)、32.前剱に向かう道(13)
撮影日時(31):2021年9月2日9時57分
雷鳥にストレスを与えないように早く先へ進みます。
撮影日時(32):2021年9月2日10時01分
また尾根に出てきました。前方に薄っすらとですが、ケルンが見えます。
■33.前剱のケルン、34.前剱にある案内板
撮影日時(33):2021年9月2日10時04分
前剱のケルン。山頂の看板は見当たりませんでしたが先に進みます。
撮影日時(34):2021年9月2日10時05分
まっすぐ行くと行き止まり。左脇の道を進みます。
■35.剱岳に向かう道(1)
撮影日時:2021年9月2日10時06分
平蔵の頭が見えてきました。
■36.剱岳別山尾根ルート「7番目鎖場(平蔵の頭)」
撮影日時:2021年9月2日10時08分
左側の鎖は下山専用になるため、ペンキに従って右側の鎖に向かいます。
■37~38.剱岳別山尾根ルート「7番目鎖場(平蔵の頭)」
撮影日時(37):2021年9月2日10時09分
鉄筋を利用して作られた足場。足を滑らせないように慎重に登ります。
撮影日時(38):2021年9月2日10時11分
続いて下りの鎖場。写真では分かりづらいですが、こちらの岩は滑りやすいので注意が必要です。
■39.剱岳に向かう道(2)、40.剱岳に向かう道(3)
撮影日時(37):2021年9月2日10時12分
写真の鎖場は下山時に通る「12番目鎖場(平蔵の頭)」。
撮影日時(38):2021年9月2日10時14分
断崖絶壁の写真中央が「8番目鎖場(平蔵のコル)」。難しい場所ではありませんが、足を踏み外さないように慎重に進みます。
■41.剱岳別山尾根ルート「8番目鎖場(平蔵のコル)」
撮影日時:2021年9月2日10時16分
写真でも分かりますが、足場はしっかりしています。
■42.剱岳に向かう道(4)、43.剱岳に向かう道(5)
撮影日時(42):2021年9月2日10時18分
目印を頼りに岩場を進みます。
撮影日時(43):2021年9月2日10時20分
ついに剱岳頂上の文字が。
■44.前方に「カニのたてばい」
撮影日時:2021年9月2日10時22分
事前に調べて知っていた剱岳登山の最難関「カニのたてばい」。とうとうやってきたという気持ちの中、気を引き締め直します。
■45.剱岳別山尾根ルート「9番目鎖場(カニのたてばい)」
撮影日時:2021年9月2日10時22分
高所恐怖症の方は厳しいかもしれませんが、鉄筋の足場があるので登ること自体は難しくありませんでした。筆者はセルフビレイの道具を用意していましたが、使うことなく登りました。理由は登ることよりカラビナやコードに気を取られる可能性があったこと、足場がきちんと確保できる場所だったためです。なお、指先で自分自身の体重を支えられない人は登らない方がいい、そのような場所だと感じました。
■46.剱岳別山尾根ルート「9番目鎖場(カニのたてばい)」
撮影日時:2021年9月2日10時30分
崖のような場所を登った後も鎖場は続きます。
■47.カニのよこばい
撮影日時:2021年9月2日10時33分
視線の先には難関と言われている「カニのよこばい」(下山ルート)。
■48.剱岳に向かう道(6)、49.剱岳に向かう道(7)
撮影日時(48):2021年9月2日10時37分
ゴツゴツした岩場を下ります。
撮影日時(49):2021年9月2日10時42分
ペンキが書かれた岩は動いていたため、あまり参考にせず、とにかく上を目指します。なお、カニのたてばいを登った先が剱岳の頂上だと思い込んでいたため、このエリアを見た時は嘘だろ~と感じたことを思い出します。
■50.剱岳に向かう道(8)、51.剱岳に向かう道(9)
撮影日時(50):2021年9月2日10時46分
ゴロゴロした岩場をひたすら登ります。登っている時は気付きませんでしたが、写真中央右に頂上の姿が見えます。
撮影日時(51):2021年9月2日10時50分
前方に何やら屋根のある建物が。
■52.前方に剱岳山頂の姿
撮影日時:2021年9月2日10時51分
やっと頂上のお社を確認!
■53.剱岳頂上で記念撮影
撮影日時:2021年9月2日10時54分
剱沢キャンプ場から約3時間で登頂!記念として自撮りをしておきました。頂上に人はいませんでした。道中、懸念された雨はほぼ降らず、危険な目に遭うこともなく、順調に登ることができました。なお、お社の前にあるトレッキングポールとヘルメットは筆者のものになります。
■54.剱岳山頂周辺の景色(1)、55.剱岳山頂周辺の景色(2)
撮影日時:2021年9月2日10時55分
撮影日時:2021年9月2日11時04分
登頂しても靄がなくなることはありません。天候の良い日はどのような景色が見れるのでしょうか。休憩を兼ねて10分ほど頂上に滞在し、いよいよ下山です。
■56.剱岳別山尾根ルート「10番目鎖場(カニのよこばい)」
撮影日時:2021年9月2日11時15分
「カニのよこばい」も難関として紹介されています。写真はやや下りの簡単そうな鎖場ですが、危険な場所は写真を撮る余裕がなかったため、撮影できませんでした。筆者にとっては「カニのたてばい」より、「カニのよこばい」の方が怖かったです。
■57.カニのよこばい後にある梯子
撮影日時:2021年9月2日11時20分
梯子は濡れているため、踏み外さないように一段一段慎重に降りていきます。
■58.下山道にあるトイレ
撮影日時:2021年9月2日11時25分
梯子と鎖場を下った場所にあるトイレ。利用していないため、綺麗か汚いかは分かりません。
■59.剱岳別山尾根ルート「11番目鎖場(平蔵のコル)」
撮影日時:2021年9月2日11時30分
こちらも滑らないように慎重に下ります。
■60~61.剱岳別山尾根ルート「12番目鎖場(平蔵の頭)」
撮影日時(60):2021年9月2日11時32分
撮影日時(61):2021年9月2日11時33分
角度のある岩場を数十メートル登ります。凸凹した岩場のため、足場は容易に確保できます。踏み外さないように慎重に登ることだけ注意します。
■62.帰り道で出会った雷鳥達、63.岩に立つ雷鳥
撮影日時(62):2021年9月2日11時46分
撮影日時(63):2021年9月2日11時49分
悪天候だったためか、剱岳は雷鳥天国か?と思えるほど雷鳥に会うことができました。雷鳥に癒されつつも、天候悪化の可能性があるため下山を急ぎます。
■64.剱岳別山尾根ルート「13番目鎖場(前剱の門)」
撮影日時:2021年9月2日12時00分
13番目、最後の鎖場「前剱の門」になります。写真の通り、鎖を使わなくても登ることができる鎖場です。
■65.剱沢キャンプ場への帰り道(1)、66.剱沢キャンプ場への帰り道(2)
撮影日時(65):2021年9月2日12時02分
平坦な道ですが、登頂後なので油断はできません。
撮影日時(66):2021年9月2日12時03分
上からの落石注意です。
■67.前剱の頂上
撮影日時:2021年9月2日12時10分
行きに見ることができなかった前剱頂上の看板。しかし、気持ちいいくらい何も見えません。
■68.剱沢キャンプ場への帰り道(3)、69.剱沢キャンプ場への帰り道(4)
撮影日時(68):2021年9月2日12時22分
聞き違いの可能性が高いですが、この道を下った辺りで熊らしき声が聞こえた気がしました。そのため、石を叩いて大きな音を出し、トレッキングポールや投げるのに丁度良い石を準備しました。
撮影日時(69):2021年9月2日12時43分
景色を楽しむことなく、下山を急ぎます。
■70.剱沢キャンプ場への帰り道(5)、71.剱沢キャンプ場に到着
撮影日時(70):2021年9月2日13時12分
69枚目の写真からここまでの間に、4羽の雷鳥を見かけています。写真左には剣山荘の姿が薄っすらと見えています。
撮影日時(71):2021年9月2日13時49分
剱岳頂上から約2時間45分ほどで剱沢キャンプ場に戻ってきました!テントや荷物が無事だったことを確認し、一安心しました。
■72.剱沢キャンプ場とテント
撮影日時:2021年9月2日14時42分
剱沢キャンプ場でゆっくり休んでいると、空が晴れてきました。
■73.剱沢キャンプ場から撮影した空
撮影日時:2021年9月2日15時08分
登っている時に晴れてくれれば良かったのですが、無事に帰ることができたこと、雷鳥に会えたことで十分満足です。
剱岳登山を終えて
結果、剱岳登山は往復6時間弱掛かりました。歩くことには慣れているため、道中、息が上がったりすることはありませんでした。剱岳に関するネット情報はやや誇張されているという印象を持ちましたが、断崖絶壁のような場所を進むことが多いため、足場をきちんと確保するという点では常に注意が必要でした。
別途記事を作成する予定ですが、登山初心者の筆者が剱岳を登頂できた要因としては、裏山で遊んだ経験が豊富だったこと、最小限の荷物(水、ヘルメット、トレッキングポール、セルフビレイの道具、カメラ、スマートフォン、財布)しか持って行かなかったことなどが挙げられます。テントや寝袋などを入れた8キロほどのバックパックを背負っていたら、登頂は難しかったと思います。盗難リスクはありますが、事故防止のためにも荷物はキャンプ場に置いておくべきだと思います。
なお、今回の登山で地味に活躍したのが、CW-Xのスポーツタイツでした。膝をしっかりサポートしてくれたため、登山中はもちろん、登山後も膝が痛くなることはありませんでした。タイツを履く、履かないで天と地の差があります。試されたことのない方はぜひ試してみてください。
■CW-Xのスポーツタイツ(HCO779)