旅の通知表「旅カルテ」!
今回はギリシャの首都「アテネ」を取り上げます。みなさんはアテネにどのようなイメージをお持ちですか?オリンピックやパルテノン神殿といった答えが多いかもしれません。
今回は身近とは言い難いアテネを観光した感想に加えて、治安や物価などを独自に評価。また、平均気温と降水量も合わせて記載しますので、アテネ観光の参考にしてください!
アテネ観光の旅カルテ
評価項目 | 5段階評価 |
おすすめ度 | ★★ |
治安 | ★★★ |
物価 | ★★★ |
街並み | ★★ |
交通機関 | ★★★ |
英語力 | ★★ |
美女・イケメン比率 | ★★★ |
日本車比率 | ★★ |
アテネの気温と降水量
※出典:気象庁ホームページ(http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/monitor/climatview/frame.php)などのデータ(15~16年、平年値)を基に筆者作成。
ベストシーズンとは?
4~5月、10~11月辺りがアクティブに観光するには適しています。夏場は最高気温が34℃以上になる日もあり、海のアクティブティ以外の目的ではあまりおすすめできません。その一方、冬場の最低気温は7℃台であり、気になるほどの寒さではありません。なお、夏場の最高気温は33℃前後、最低気温は24℃前後。冬場の最高気温は14℃前後、最低気温は8℃前後になります。
アテネ観光のポイント解説
おすすめ度:★★
見所の少なさと街並みの退屈さ、直行便がないことによる訪問ハードルの高さを考慮し、おすすめ度は星2つとしました。
3400年以上の歴史を持つ古代都市アテネということもあり、古代遺跡は多いです。しかし、肝心のパルテノン神殿は修復によって全面レプリカのようになっており、世界一周の旅で一番のがっかりスポットでもありました。また、経済状況も悪く、街は決して栄えているとは言えません。パルテノン神殿周辺のお土産屋さんやレストランは営業していますが、観光地から少し離れるとシャッターを閉じている店も多く、街に活気は感じられませんでした。
その一方、地下鉄やトラムがあり、観光しやすい街になっているため、古代ギリシャの歴史が好きな人にはおすすめできる都市と言えます。パルテノン神殿の周辺には、古代アゴラ、ハドリアヌスの図書館、ゼウス神殿などの遺跡があり、古代ギリシャの息吹を感じられる場所になっています。そのほか、アテネ観光の中心地になるシンタグマ広場周辺には、高級ホテルやギリシャ議会議事堂、国立庭園、高級ブランドのブティックがあるので、目的に応じて楽しむことは可能です。
■アテネのおすすめ観光地はこちら!

治安:★★★
外務省のホームページによると、地下鉄や観光スポットにおいてスリや置き引き、ひったくりなどの被害が多発しているとされています。
また、治安が悪い場所として、オモニア広場、エクサルヒア(Exarchia)、国鉄アテネ駅周辺、ピレウス港周辺が挙げられており、ネットでもオモニア広場周辺の治安が悪いと言われています。
世界一周でアテネの街を歩き回ってみた感想
オモニア広場(写真)やピレウス港周辺には中東系を中心とした移民が多く、雰囲気がいいとは感じませんでした。
ただし、日中については、特にトラブルや治安面に不安を感じることなく観光を楽しむことができたため、アテネという街に恐怖感を持つ必要はないと思います。そのため、治安が悪いと連呼されているネットの治安情報には少し疑問を感じています。
オモニア広場周辺の治安は特に問題がなく、むしろ移民がたむろしていたピレウス港駅周辺の方が注意が必要だと感じました(特に夜間)。なお、アテネにおいても不法移民などによる犯罪が発生しているため、移民が多くいる場所は警戒が必要になります。そのほか、パルテノン神殿付近などアテネは細い路地も多いので、夜間などは一人で入り込まないように注意してください。
※ピレウス港は豪華客船などが停泊するため、外国人が犯罪のターゲットになりやすい地域でもあります。
物価:★★★
ギリシャの物価はその他ヨーロッパ都市と比較して安いです。
安いレストランでは、パスタを5ユーロほどで食べられる場所もあります。レストランについては、大まかな予算として10~20ユーロ程度を見ておけば大丈夫です。また、「Carrefour」や「OK ANYTIME MARKETS」、「AB Vassilopoulos」、「BAZAAR」などのスーパーマーケットがあり、水などの飲料水を中心に安く購入できます。
ホテル代(日本円換算)の目安としては、3つ星ホテルが3000円台~、4つ星ホテルが5000円台~、5つ星ホテルが1万円台~です。なお、写真はヒルトン・アテネになります。
物価目安 | |
水(1.5L) | 0.40ユーロ |
コーラ(1L) | 1.00ユーロ |
ファンタオレンジ(0.5L) | 0.80ユーロ |
サンドウィッチ | 1.50ユーロ前後 |
ポテトチップス | 1.20ユーロ前後 |
牛乳(1L) | 1.30ユーロ |
バナナ(1kg) | 1.60ユーロ |
レストラン | 8ユーロ~ |
3つ星ホテル | 3000円台~ |
※1ユーロ=126.50円(2020年12月11日現在)
街並み:★★
フランス・パリのような高貴な街並みではなく、日本の県営アパートのような味気ない建物が乱立している印象を受けたため、評価は星2つとしています。パルテノン神殿など古代遺跡は街中にありますが、遺跡を活かした街づくりはされていないという印象を受けました。
また、観光地周辺はお土産屋さんなどが多くありますが、観光地から少し離れると商店の数は減少し、賑わいに欠けてきます。さらに、落書きも多く、街には特徴的な建物も多くありません。そのため、歩いてアテネ市内を散策していても”わくわく感”を感じることはありませんでした。
■アテネの街並みを世界トリップ写真館でチェック!

交通機関:★★★
主要交通機関は地下鉄とトラムになります。
パルテノン神殿付近に観光スポットが集中していることもあり、地下鉄に乗る頻度は低いかもしれませんが、海側に向かう時などには便利です。5日程度滞在する予定の人は5日乗車券を購入すると良いと思います。
チケットは窓口や券売機で購入可能です。空港からアテネ中心部に行く際は、空港駅の窓口でチケットを購入する方が分かりやすいです。乗車の際は、改札で刻印を忘れないようにしてください。
なお、最新のチケット料金については、Urban Rail Transport SAのホームページで、地下鉄マップについては、Attiko Metro社のホームページで確認してください。
チケット料金(地下鉄、トラム、バス共通) | |
1回券 | 1.40ユーロ(90分間有効) |
1日乗車券 | 4.50ユーロ |
5日乗車券 | 9.00ユーロ |
英語力:★★
ホテルでは英語が通じましたが、一部レストランなどでは英語が通じませんでした。パルテノン神殿周辺などお土産屋さんが多い場所でも英語は通じますが、少し離れると通じない場所が多かったです。
また、クレジットカードトラブルで5、6カ所の警察署に行きましたが、警察官についても英語が話せない人が多いです。そのため、挨拶程度のギリシャ語は覚えておきましょう。
簡単なギリシャ語講座 | |
こんにちは | ヤーサス |
ありがとう | エフハリスト |
さようなら | アディオ |
トイレ | トゥアレッタ |
いくらですか?(値段) | ポゥショー |
美女・イケメン率:★★★
イタリアやスペイン系に似ている人も多く、顔立ちはハッキリした人が多かったです。その分、美女・イケメンとそうではない人との差が大きいと感じました。
やせ気味の人もいますが、比率としては肥満気味の人が多い印象を受けました。男性はひげを生やしている人が多く、ワイルドな感じの人が多かったです。
なお、世界一周で多くの航空会社を利用しましたが、エーゲ航空のキャビンアテンダントの方達が美しさナンバーワンでした。
日本車比率:★★
フォルクスワーゲンやオペル、プジョーなどが多いです。その他ヨーロッパ都市より日本車を見る機会はありましたが、比率としては低い印象を受けました。
タクシーを筆頭にトヨタ車が一番多く、続いて日産、ホンダなどになります。ダイハツやマツダ、スズキなども走っていました。タクシーについては、チェコの自動車メーカー「シュコダ(Škoda)」が多く、メルセデス・ベンツのタクシーもよく走っていました。
なお、ドライバーについては、運転が荒い人が多い印象です。クラクションの大きさ、車が優先だという姿勢については、経済的に余裕のない国に行くとひどくなるという特性があります。
最後に
残念ながらアテネでは古代ギリシャの魅力を感じることはできませんでした。
パルテノン神殿はレプリカのように修復され、その他遺跡群もあまりインパクトのないものでした。そのため、観光客向けの景観を楽しめる場所はほぼパルテノン神殿のみと言える状況です。また、観光地のお土産屋さんやレストラン以外は休業している商店も多く、財政危機による影響が大きいことを窺い知ることもできました。それは観光客にとって魅力が少なくなっていることを意味します。
その一方、ギリシャ人のプライドなのか、財政危機の最中でも比較的治安は守られていました。ヨーロッパ各国の人からギリシャ人はプライドが高いと言われています。ただし、アジア人に対する見方が少し厳しいものに感じたこともあり、あまり気持ちよく観光ができなかったことは残念でした。
気軽に行ける場所ではないのにも関わらず、満足度が低いということもあり、海外旅行先としてはおすすめできません。ギリシャにこだわるのであれば、ミコノス島やロドス島、サントリーニ島など島々を観光する方が満足度の高いものになるかもしれません。