チャウシェスク時代の巨大な建物は必見?!
エル・グレコやルーベンスが展示してある美術館がある?チャウシェスク独裁時代に建てられた巨大な議事堂とは?規格外の廃墟もあった?
今回はブカレスト滞在で印象に残った観光地を10カ所紹介します。押さえておきたい博物館からチャウシェスク独裁時代の建物、噴水ショー、教会などを掲載しています。ぜひブカレスト滞在の参考にしてください。
ブカレストで印象に残った観光地10選
1.ルーマニア国立美術館(Muzeul Național de Artă)
ルーマニア国立美術館は1948年に設立された美術館。ルーマニア王「カロル1世(1839年〜1914年)」のコレクションを中心に所蔵しています。「ヨーロピアンアートギャラリー」と「ルーマニア現代美術ギャラリー」で構成されており、ヨーロピアンアートギャラリーにはエル・グレコやルーベンス、レンブラントなどの作品が展示してあります。主な展示作品や開館時間などの情報は以下の記事をご覧ください。
2.ルーマニア国立歴史博物館(Muzeul Național de Istorie a României)
ルーマニア国立歴史博物館は社会主義時代の1972年に開館した博物館です。建物は歴史的建造物の郵便局宮殿(Palatul Poștelor)が利用されています。コレクション数は69万点超で、古代から現代までのルーマニアの歴史に関する展示物を見ることができます。特に金細工や宝飾品などが見所になります。展示物の一部や開館時間、チケットの料金などは以下の記事をご覧ください。
3.議事堂宮殿(Palatul Parlamentului)
議事堂宮殿はルーマニア社会主義、ニコラエ・チャウシェスク独裁時代の1984年に建設が開始され、1997年に完成した建物です。ルーマニアの建築家「アンカ・ペトレスク(Anca Petrescu、1949年〜2013年)」が設計を担当、行政の建物として世界トップクラスの大きさを誇っています。国立現代美術館が併設されているほか、宮殿から伸びる通りには噴水もあるため、ブカレスト観光で一度は訪れておきたい場所だと思います。
4.チャウシェスク邸(Casa Ceaușescu)
チャウシェスク邸は、ルーマニア社会主義共和国の大統領で独裁者の「ニコラエ・チャウシェスク(Nicolae Ceaușescu、1918年〜1989年)」の邸宅です。1960年代半ばに建設され、ニクソン米国大統領やシャルル・ド・ゴール仏大統領など各国の要人が迎え入れられた場所でもあります。贅を尽くした豪華な内部が見所です。なお、ギフトショップには無料で入ることができますが、お土産は民族衣装やコップ、キーホルダー程度で、商品は多くありませんでした。
5.凱旋門(Arcul de Triumf)
ブカレストの凱旋門はフランス・パリの凱旋門をモデルに、1922年〜1936年にかけて建設されました。高さは27メートル、幅は26メートルです。2014年〜2016年にかけて改修工事が行われていたため、写真の通り外観はとても綺麗です。なお、正面にはルーマニア王「フェルディナンド1世(1865年〜1927年)」とルーマニア王妃「マリア(1875年〜1938年)」のメダリオン(※写真)があります。そのほか、フェルディナンド1世の言葉などが彫られています。
6.アテネ音楽堂(Ateneul Român)アテニウム
アテネ音楽堂は1888年に開業したブカレストを代表するコンサートホールです。フランスの建築家「アルベール・ガルロン(1846年〜1930年)」が設計を担当、様式は新古典主義です。ブカレストを代表するシンボルの一つであり、筆者が訪れた際は建物前で記念撮影をしている人もいました。魅力的な建物なので、一度は訪れてみても良いと思います。
7.ブカレストの噴水(Fântânile București)
議事堂宮殿から伸びるウニリイ通り(Bulevardul Unirii)沿い、ブカレスト旧市街の南に位置する噴水になります。夜になると写真のような噴水ショーが開催されているので必見です。なお、筆者が滞在した際は多くの人で賑わっていたため、女性一人で訪れても問題ない雰囲気でした。手荷物だけには注意してください。なお、ハイシーズンの5月〜10月のみ開催されている可能性があります。行かれる方は事前にグーグルマップなどで時間を確認してください。
8.スタヴロポレオス教会(Biserica Stavropoleos)
スタヴロポレオス教会は18世紀前半、ギリシャの修道士によって建設された東方正教会の教会。守護者は大天使ミカエルとガブリエルです。ブカレスト旧市街に位置し、観光客にとってアクセスしやすい点がポイント。フレスコ画などが見所になりますが、信者の方も訪れる場所であるため、迷惑にならないように訪問させてもらいましょう。
9.ラドウ・ヴォダ修道院(Mănăstirea Radu Vodă)
ラドウ・ヴォダ修道院はワラキア公「アレクサンドル2世ミルチャ(1529年〜1577年)」と妻「エカテリーナ」によって設立されました。オスマン帝国やタタール人による略奪や破壊を経て、17世紀に再建され、現在の外観は1967年〜1974年に修復されたものになります。
10.廃墟
■カーサ・ラジオ(Casa Radio)
カーサ・ラジオはルーマニア社会主義共和国時代、ルーマニア共産党の博物館として利用することを目的に建てられた建物。ルーマニア革命後は様々な国の企業などとプロジェクト契約が締結されたようですが、上手く行かず、現在は廃墟になっています。なお、写真右側にも同じような廃墟があります。
■旧ドナウホテル(Hotel Dunărea)
旧ドナウホテルはブカレスト北駅近くに位置する1935年〜1940年に建設された建物です。1977年の地震で深刻な被害を受け、それ以降放置されているようです。なお、2016年に高級アパートとして改装されるはずでしたが、実現しなかったようです。
番外編:アンリ・コアンダ国際空港から北駅へ
アンリ・コアンダ国際空港から北駅へは電車で向かうことができます。チケットは売店(クレジットカードのタッチ決済可)でも購入できますが、電車の車内に写真のようなクレジットカード対応の改札機があります。筆者はVISAのタッチ決済を利用しました。少し時間が掛かりましたが、タッチし続ければ問題ありませんでした。なお、係員がチケット検査で回ってきますが、「改札機にVISAカードをタッチしました」という内容のGoogle翻訳アプリを見せれば問題ありませんでした。
最後に
ブカレストは見所の多い都市とは言えませんが、訪れて一番驚いたのは良さそうな人が多いということです。旧共産圏だったにも関わらず、冷たそうな目をしている人が本当に少なかったです。また、治安面も問題なく、深夜まで普通に観光が楽しめたのは嬉しい誤算でした。
なお、クレイジージャーニーで放送されていたブカレストのマンホールタウンは無くなっていると思われます。北駅周辺のマンホールは全てちゃんと閉じられているほか、北駅周辺にあった建物の壁(ホームレスが住んでいた?)もしっかり埋めてありました。警察や政府がきちんとした対策をしているという印象を受けたため、観光客は安心してブカレスト観光が楽しめると思います。
ぜひ皆さんもブカレストに行ってみてください。なお、今回紹介した観光スポットの場所は以下のグーグルマップをご覧ください。