筆者は31歳で勤めていた会社を辞めて、世界一周に出発しました。
そこでよく質問されることがあります、「脱サラをしてまで世界一周をしたことに後悔していないか」ということです。結論から言うと、後悔はしていません。世界中のきれいな景色や文化、世界中で何が起こっているか、それらを自分自身の目で見られた一生ものの経験は、何事にも代えられない素晴らしいものでした。
これから筆者が世界一周をした理由などをお伝えしますので、仕事や人生に悩み、世界一周を計画されている方はぜひ参考にしてください。
世界一周をした3つの理由とは
何で世界一周をするのか、疑問に感じる方は多いと思います。筆者が考える世界一周に出発する理由は以下の3点です。
- 海外が好き
- 日常に不満があった
- 人生は一度きり
上記の3点が筆者が世界一周をした理由でもありました。これからその3点について説明していきます。
海外が好き
毎年、ゴールデンウィークや夏休みなどに海外旅行へ向かう人は多くいます。格安航空券やホテルのネット予約などの恩恵もあり、海外旅行のハードルはずいぶん低くなっています。そこで、短期間の海外旅行に満足出来なくなっている人も出てきていることも事実です。また、将来的な移住を考えている人が居住地を探すために世界一周をすることもあると思います。
日常に不満があった
給与水準や労働時間、退屈に感じる人生、そのような日常に満足していない人は大多数いると思います。少し楽観的ですが、介護職や運送業などは人手不足であり、仕事(賃金含む)を選ばなければ定職に就くことは難しくありません。そこで、人生に“変化”をもたらすために世界一周に出発する人もいます。
人生は一度きり
日本人には少ない考え方かもしれませんが、一度しかない人生、後悔することなくやりたいことをやろう、そんな思いを持つ世界一周旅行者も多くいます。しかし、この思いが人生を動かす上でとても大きなポイントになります。
世界一周をするには、動機・きっかけ・後押しが必要だった
世界一周を計画しても、それを実行するには「ある3つ」が揃わないといけませんでした。
- 動機
- きっかけ
- 後押し
以上の3点です。この3つが揃わないと、筆者の場合は世界一周を決断できませんでした。そして、重大な決断をする時はいつもこの3点が伴っているように思います。これらが揃った時が“タイミング”になります。
上記の3点について、筆者のケースで説明していきます。
動機は海外好きであったこと
筆者は19歳の時に初めて訪れたニューヨークに感激し、海外志向が強くなっていきました。そして、将来的に世界一周もしくはロサンゼルスなど海外都市への移住を考えるようになりました。その思いは強いと自負していましたが、【きっかけ】と【後押し】がなく、あくまで“夢”という位置付けにとどまっていました。
日常への不満がきっかけにつながる
世界一周前の筆者は、仕事上の問題を中心にストレスだけが溜まる毎日を過ごしていました。年齢も30歳を超え、職業としての将来性、転職リスクなどを考慮し、筆者は人生に“変化”をもたらす決意をしました。仕事は選ばなければある、ストレスを抱えたまま生活をするより、一旦リセットして帰国後に転職をしようと考えたのです。
人生は一度きりとの思いが後押し
その決意を後押ししたのが、人生は一度きり、せっかく地球上に生きているのだから世界を見ないと損だ、そんな意識でした。定職に就いていても、明日のことは分かりません。やらずに後悔するより、やって後悔した方がいい、そんな思いが背中を押してくれました。
定職を失うこと、今後の人生設計への不安はありましたが、筆者は会社に居続けることの方がリスクが高いと判断し、上記3つの理由から世界一周に出発しました。
ただし、世界一周を計画している人は次の3つのリスクについて考えてください。
世界一周で無視できない3つリスク
失業
数カ月休業できる人は限られていると思います。そのため、大学4年生や離職中の人などを除き、多くの人が失業リスクを背負っていることになります。
■対処法
就業中の人は会社に相談してダメだった場合、行くか・行かないか、割り切るしかありません。筆者の場合は世界一周に出発するために会社を退社しましたが、世界一周を終えてその判断は正しかったと胸を張って言えます。しかし、退社の判断は慎重にすべきであることは言うまでもありません。
病気
世界一周に出発すると、特別なルートを除いて数カ月は海外に滞在することになります。そのため、風邪や発熱、骨折、蚊を媒介としたジカウイルス感染症やデング熱などの感染症リスクもあります。
■対処法
感染症対策としては予防注射があります。骨折などは海外旅行保険で対応できるので、事前の準備をしっかりすることが必須になります。持病持ちの人は世界一周ではなく、単発的な海外旅行を繰り返すことでリスクを軽減できると思います。
薬については、念のため英語、スペイン語で用途を説明できるようにしておくと良いです(できるだけ容器に英語表記がある薬を使用しましょう)。
犯罪
スリを筆頭に、テロなどの犯罪に巻き込まれる可能性はゼロではありません。実際、筆者も世界一周中にクレジットカードの不正利用の被害に遭っています。
■対処法
外務省の海外安全情報(※)でレベル2以上の国・地域には行かないようにしてください。
※出典:外務省の海外安全ページ(http://www.anzen.mofa.go.jp/)
思っている以上にアジア人は目立つ
思っている以上に中南米、南米、ヨーロッパ、中東などではアジア人(特に日本人)は目立ちます。お金を持っていると思われやすいので、ブランド品の着用などは避けるようにしてください。海外旅行で派手にしたい気持ちも分かりますが、トラブルを避ける方が重要です。
クレジットカードの不正利用対策について
クレジットカードの不正利用については、利用時にメールが届くシステムを利用することでリスクが軽減できます。メールが届いたらWebサイトで明細を確認し、見覚えのない請求がされていた場合はすぐにカード会社へ連絡してください。また、1日の限度額をできるだけ低く設定することをおすすめします。
■海外旅行中のクレジットカードトラブルについてはこちら
その他リスク
上記3つのリスク以外にも、航空チケットやホテル代など金銭的な負担が大きいといったリスクもあります。しかし、これらのリスクをクリアすることで意義のある、楽しい世界一周が実現できます。なお、インターネット上には様々な情報が流されていますが、自分の命を守るのは自分自身であるということを忘れないでください。何事も最終的には自己責任になります。
世界一周に後悔なし
筆者は世界一周をすることで失業し、200万円超という多くのお金をつぎ込みました。それでも後悔はしていません。金額に見合ったメリットを享受できたと自分自身では思っています。
世界情勢、文化に触れるメリット
ヨーロッパのイスラム化、こちらについてはニュースで目にしたことのある人も多いと思います。実際はどうか、ヨーロッパの多くの都市でケバブ屋が軒を連ね、多くのイスラム系住民が居住していることが確認できました。彼らがいなければ街として機能しない、そんな状況になっているのではないかと思うほど、ヨーロッパのイスラム化は進んでいます。
ニュースだけでは知り得ない、己の目で見た情報をもとに将来的な判断ができる。これは筆者にとって大きなメリットになっています。また、世界各国の独自の文化に触れることで、国際化が進む日本において各文化への理解、話すネタに困らないこともメリットとして感じています。
視野とやる気の増大
小さい子供が労働を強いられている発展途上国の日常、行き交う人のなかで物乞いをする人々、何が正しくて何が悪いのか、社会貢献として自分自身に何ができるのか、より深く人生について考えるきっかけになりました。そしてそれが、広い視野につながり、仕事などへのモチベーション(やる気)にもつながっています。
世界中の知人ネットワークの構築
現在はインターネット上でも世界の人達とやりとりができます。しかし、実際に会うのと会わないのとでは違います。会って話せば関係性はより深くなり、信頼関係も構築できます。世界中の人達とネットワークを構築し、情報のやり取りをすることも今後の人生へのメリットになるはずです。
最後に
世界一周には大きなリスクとメリットがあります。動機、きっかけ、後押し、そして運命を見極めながら計画を練ることで、より良い世界一周旅行が出来るようになると思います。