世界一周の気になる費用を大公開!ビジネスクラス利用でいくら?

ジョン・F・ケネディ国際空港で撮影した全日空の機体 世界一周の話

世界一周の費用について、疑問に持たれたことはありませんか?

各航空連合が提供するエコノミークラスのチケットを利用すれば30万円台から世界一周ができる、そのようなうたい文句もよく目にします。確かにチケット代はそうですが、ホテル代や食費などを含めた総額で30万円台はほぼありえないと言えます。

また、格安航空券で乗り継ぎができる都市だけの移動、短期間の世界一周なども皆さんがイメージされる世界一周とは異なると思います。そのような疑問を解決するためにも、世界一周の費用について筆者のケースをモデルに解説していきます。

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世界一周費用の内訳(約4カ月)

項目 費用
世界一周航空券(ビジネスクラス) 81万円
ホテル代 72万5000円
飲食費 25万円
交通費 11万円
お土産代 12万円
デジカメなど携行品 9万円
海外旅行保険 6万円
その他雑費 5万円
合計 221万5000円

※端数については切り上げ、切り捨てで計算

世界一周航空券で全体の36%、ホテル代で全体の32%を占め、2つ合わせて全体の約70%を占める結果になりました。エコノミークラスにした場合、航空券以上にホテル代が高くつく可能性があります。

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世界一周費用の詳細

筆者が行った世界一周旅行の費用は約221万円でした。ホテル代など1日辺りの予算は計算していましたが、なかなか思い通りには行かず、想定していたより高額になっていました。これから、その内訳について解説していきます。

世界一周航空券(ビジネスクラス)

出費額は約81万円。筆者はスターアライアンスのビジネスクラス(STAR2=34000マイル以内)を利用しましたが、料金はルート(マイル)により異なります。

■利用区間(16区間)

羽田⇒ロサンゼルス(アメリカ)⇒カンクン(メキシコ)⇒サンホセ(コスタリカ)⇒ボゴタ(コロンビア)⇒リスボン(ポルトガル)⇒バルセロナ(スペイン)⇒ジュネーブ(スイス)⇒ローマ(イタリア)⇒アテネ(ギリシャ)⇒イスタンブール(トルコ)⇒ドバイ(UAE)⇒シンガポール⇒バンコク(タイ)⇒ホーチミン(ベトナム)⇒香港⇒羽田

世界一周航空券は主に、ANAなどが加盟するスターアライアンス、JALなどが加盟するワンワールド、デルタ航空などが加盟するスカイチームなどが販売しています。価格はエコノミークラスで「30万円台」、ビジネスクラスで「60~80万円台」、ファーストクラスで「100万円台」から利用することができます。

なお、格安航空券を購入する手もありますが、航空連合のチケットの方が安くなる場合があること、信頼ある航空会社を利用できること、チケットが一括管理できるなど、メリットが多いことから航空連合の世界一周旅行券を強くおすすめします。

※昨今の円安や物価高で航空券の料金が値上がりしています。スターアライアンスの世界一周航空券は、エコノミークラスが「50万円〜60万円台」、ビジネスクラスが「90万円台」が目安になります。

スターアライアンスで世界一周をした理由

多大陸の移動が可能であることが最大の決め手になりました。その他航空連合は大陸制になっていたり、プラン作成ページが分かりづらかったりしたため断念。アフリカ、オセアニア、南米などマイルを考慮せず世界一周をしたいならワンワールドがおすすめです。

なお、各旅行会社がコンサルティングサービスも行っていますが、相談に手数料が掛かる場合が多く、料金面などからおすすめはしません。そもそも、航空連合のプラン作成ページを利用しながら、インターネットで情報収集をし、自分自身でルートを作成した方が断然面白いです。また、そのルート決定こそが世界一周の醍醐味でもあります。

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ビジネスクラスを利用するメリットとデメリット

■メリット

  • 1区間当たりで計算すれば格安
  • ラウンジ利用ができる
  • 専用のチェックイン

筆者の場合、1区間当たり約5万円でビジネスクラスに搭乗することができた計算になります。区間にもよりますが、東京(羽田・成田)~ロサンゼルス間の料金は往復で20~30万円台であることから、その割安度が分かります。また、空港内に設置してあるビジネスクラス専用のラウンジや専用のチェックインなどを利用できる点もメリットになります。

■デメリット

  • エコノミーと比較した場合、費用は高額
  • 短距離移動の場合、座席はほぼエコノミーと同様

ビジネスクラスでは1区間約5万円でしたが、エコノミークラスにすれば2万円台前半になります。費用面ではエコノミークラスのメリットが圧倒的です。

また、ヨーロッパ内など比較的短距離の移動の場合は、座席がほぼエコノミーと変わらないことには注意が必要です。ビジネスでも区間の約半分の座席はエコノミーとほぼ変わらなかったため、ビジネスクラスで世界一周をするメリットはあまり感じることができませんでした。

よって、迷っている人にはエコノミーをおすすめします。なお、格安航空券との比較でも、1区間2万円台で移動できるこのチケットは割安感が強いです。

※ビジネスクラスとして満足できたのは、羽田⇒LA、ボゴタ⇒リスボン(パナマ乗り換え後)、イスタンブール⇒ドバイ、ドバイ⇒シンガポール、シンガポール⇒バンコク、香港⇒羽田の区間になります。なお、各エアラインのサービスについてはANAが断トツで良かったです。

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■香港⇒東京(羽田)のビジネスクラス

ビジネスクラスのシート

■ジュネーブ⇒ローマのビジネスクラス

ジュネーブからローマに向かう機内(ビジネスクラス)

■アテネ⇒イスタンブールの機内食(ビジネスクラス)

アテネからイスタンブールに向かう際の機内食(ビジネスクラス)

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ホテル代

イギリスのホテルルーム

出費額は約72万円。1日当たりの費用は約6000円でした。

数人との相部屋となるホステルを使用すれば、1日当たり1500~3000円くらいまでコストを抑えることもできますが、1人部屋にこだわって部屋を予約した結果になります。観光のしやすい地域、かつ治安面などを考慮した場合、1泊4000~5000円台が最低ラインになります。

また、スイス・ジュネーブやイギリス・ロンドン、フランス・パリ、スペイン・バルセロナ、イタリア・ベネチア、ドバイ、シンガポール、香港などはホテル代が高いです。ドバイについては1泊1万円以上のホテルがおすすめです。ドバイは気温が高く、安いホテルは排水口から異常なほどの悪臭を放っているところが多いためです。

その一方、メキシコ・カンクン(ダウンタウン)やベトナム・ホーチミンなどでは、ホテル代が比較的割安です。先進国では、ポルトガル・リスボン、スペイン・マラガ、イタリア・ナポリ、フィレンツェなどのホテル代は安い印象を受けました。

途上国の場合はホテル代と治安が連動する場合があります。治安の悪い地域のホテル代は安くなり、治安の良い地域は高くなります。よって、途上国でもある程度の出費は必要になります。

※ホテル代についても値上がりしています。上記の料金から2〜3割増しを想定すれば良いと思います。

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飲食費

ナポリのピザ

出費額は約25万円。1日当たりの予算を2000円として考え、出費の管理を徹底した結果になります。

ヨーロッパのレストランは最低でも15ユーロ程度必要なところが多く、レストラン探しに苦労したことを覚えています。食費を節約したい方は中華料理店やケバブ店が比較的安く、美味しいのでおすすめです。また、スーパーマーケットは日本とほぼ同様の品揃えのところが多く、値段も安いため、食費を抑えるのに役立ちました。

物価が高いと言われているフランス・パリに滞在する際には、「Carrefour(カルフール)」や「MONOPRIX(モノプリ)」を活用すれば、飲食費は抑えることができます。水は日本より安く、サンドウィッチやサラダ、惣菜なども安く売られています。また、究極はカップラーメンという手もあります。

その一方、東南アジアなど気温が高い場所では衛生面にも気を付ける必要があります。そのため、コンビニ弁当やデパート内のレストランを併用する形になり、思ったほど食費は節約できませんでした。

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交通費

イタリア・ミラノ中央駅

出費額は約11万円。

主な内訳は、ジュネーブ~パリ間、パリ~ロンドン間、スペイン国内、イタリア国内の鉄道費に加え、ロンドン~マルセイユ間、ニース~ジュネーブ間の飛行機代です。そのほか、各都市の1日乗車券や回数券なども含まれています。筆者はスペインやイタリアを周遊し、パリ〜ロンドン間なども鉄道で訪問したため、これほどの交通費が必要になりましたが、周遊しなければ費用を抑えることもできます。

なお、鉄道周遊であれば、イタリアがおすすめ。筆者の場合は、ローマ~ナポリ間、ナポリ~フィレンツェ間が29ユーロ、フィレンツェ~ベネチア間、ベネチア~ミラノ間が19ユーロ、ミラノ~ローマ間が49ユーロ(ビジネスクラス利用のため少し高額)で利用することができました。

ただし、ミラノ発の電車に指定された座席がなかったことには驚かされました。車掌に確認すると、「適当なところに座ってていいよ」とのことでしたが、文化の違い、そんないい加減さを許容できる人にイタリア周遊はおすすめです。

お土産購入費

出費額は約12万円。ヨーロッパ滞在中にプラダやグッチの財布を購入したほか、ドバイで22金のネックレスを家族向けに購入した費用がほとんどです。

旅の醍醐味と言えば、世界各国でのお土産購入ということになりますが、世界一周では大きい物、壊れやすい物、かさばる物は購入できません。筆者はギリシャの旧通貨(ドラクマ)やバチカン市国の記念コインなど小さな硬貨を購入したほか、使い切ることができなかった各国の硬貨をセットにして、欲しいと言ってくれた人にお土産として渡しました。はがきや切手なども、その国の特徴が表れていて、かさばらない良いお土産になると思います。

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デジカメなど携行品

出費額は約9万円。ソニーのミラーレスカメラ、SDカードなどがメインです。また、宿泊先で洗濯するために、乾きやすい衣服を購入したほか、機内持ち込みサイズを考慮して30Lのバックパックを購入しました。

移動を繰り返す世界一周では、乾きやすい衣服が非常に重要になります。また、バックパックは取り扱いが楽ですが、世界一周の終盤になると重量に苦しめられることになります。発展途上国でも比較的道はいいので、キャリーケースでも問題ありません。

デジタルカメラなどの盗難については、訪問した全ての国でカメラを持ち歩きながら歩いていましたが、問題はありませんでした。もちろん窃盗に警戒する必要はありますが、せっかくの世界一周です、いいカメラでいい景色を、いい記念を残しましょう。

また、パソコンやiPadなどの電化製品についても、持ち運びが可能であれば持って行くと何かと便利です。撮影した写真を取り込めばSDカードの節約にもなります。筆者はパソコンを持って行かなかったため、SDカードを何枚も買い足すことになりました。

海外旅行保険

出費額は約6万円。海外旅行保険については渡航先で何があるか分からないので、出発前に契約することをおすすめします。病気はもちろん、窃盗被害や飛行機の遅延による損害などにも対応している場合があり、いざという時のために入っておくと安心です。

なお、筆者はAIU海外旅行保険で契約しましたが、決め手は料金と期間でした。インターネット申し込みにより料金が抑えられているほか、期間も1日~6カ月まで対応しています。その他の保険会社は3カ月までであったり、料金が高かったりして、筆者のニーズには合いませんでした。

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その他雑費

AT&Tパーク内

出費額は約5万円。こちらはアメリカ大リーグの観戦チケット代や世界各地で利用したツアー代、博物館の料金などがメインです。訪問した都市全ての博物館などを巡っていないため、博物館メインで世界一周をすると10万円近くになる可能性もあります。

なお、バスツアーなどは比較的安く提供しているところも多いので、現地で予約することをおすすめします。そのようなツアーは主要観光地周辺やホテルなどで取り扱っていることが多いです。ただし、現地語、もしくは英語がほとんどで、言葉に不安がある人は日本語ツアーに参加することをおすすめします。

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最後に

筆者の場合は約221万5000円の出費になりましたが、飛行機をエコノミークラスにしたり、ホテルをホステルなどにすれば、費用を削減することもできます。それでも、4カ月ほど滞在する場合は100万円程度の出費になると思います。その逆で、飛行機はファーストクラスにして、ホテルは5つ星にして、とすれば費用は500万円を超えてきます。

また、4カ月でも比較的速足で各都市を周ることになるため、事前に行くべき場所や行き方などは調べておいた方がいいと思います。効率的に周り、残った時間でその国の文化を楽しめば、きっとより良い世界一周旅行になるはずです。

そのほか、海外旅行中の支払いなどについては、海外専用プリペイドカードがおすすめです。クレジットカードのように利用でき、利用する金額だけチャージしておけば、不正利用などへのリスクを最小限にすることができます。

なお、これらは筆者のケースをモデルとしているので、全ての世界一周旅行に合致しないことはご理解ください。当記事が少しでも世界一周旅行を計画する際の参考になれば幸いです。