エストニアの首都「タリン」は、中世の街並みが美しく残る旧市街だけでなく、デザイン性に優れた地元ブランドや個性豊かなショッピングスポットが点在する魅力あふれる街です。洗練されたファッションや雑貨、エストニア産の食品、伝統工芸品まで幅広く揃い、観光と合わせてショッピングを楽しむのに最適な都市と言えます。
こちらの記事では、タリンで訪れるべきおすすめの買い物スポットを厳選して10カ所紹介します。人気の地元ブランドや最新トレンドを発信するエリア、ローカルな雰囲気を味わえる市場まで、各スポットの特徴や魅力を分かりやすく解説しています。
今回は「ブランド本店」「ショッピングストリート」「マーケット、ショッピングセンター」のカテゴリーに分けてタリンの買い物スポットを紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
ブランド本店
1. イヴ・ハンソン(Eve Hanson)
イヴ・ハンソンはタリン発のサステナブルブランド。ミニマルかつタイムレスなデザインに、ドレーピング技法を取り入れた個性的なアイテムを展開。上質で機能的な天然素材を用い、品質と着用の持続性を重視。全てエストニア国内で生産されている点も特徴。参考価格はトレンチコートが410ユーロ、コットンパンツが170ユーロ、リネンブラウスが160ユーロ。サステナブルファッションに興味がある、長く着られる服を探している方などにおすすめです。
2. カリス・ラヴェルト(KARIS LAVERT)
カリス・ラヴェルトはタリン発のサステナブルファッションブランド。ウールやリネンなど天然素材を用い、丁寧な縫製とミニマルで洗練されたデザインが特徴。エストニアの地元素材と手仕事にこだわり、デザインから製造までタリンで行っています。自然体で上質な服を求める大人の女性、地元エストニアのクラフトマンシップを重視する方におすすめのブランドです。
3. ポフヤンヘイモ(POHJANHEIMO)
ポフヤンヘイモは、タリン拠点の高級ファッションブランド。イタリアや日本から厳選したカシミアやシルク、コットンなどの上質素材を使用し、伝統的な技術と現代的なデザインを融合。手作業による丁寧な仕立てが特徴。参考価格はジャケットが2000ユーロ、スカートが980ユーロ、Tシャツが240ユーロ。特別な一着を探す大人の女性におすすめのブランドです。
4. リート・アウス(Reet Aus)
リート・アウスは、環境活動家のリート・アウス(ブランド名と同じ)が2012年に設立したサステナブルファッションブランド。独自のUPMADE技術を用い、工場の廃棄布を再利用したアップサイクル製品を展開。参考価格はデニムコートが250ユーロ、ジーンズが100ユーロ、シャツが95ユーロ。実用的でスタイリッシュな日常着が揃っており、サステナブルな暮らしを望む大人におすすめのブランドです。
5. ヴェタ(Veta)
ヴェタは1996年に設立されたエストニアの衣料品ブランド。ニットウェアが主力商品。リネン、コットン、ウール糸などの天然素材をヨーロッパの大手メーカーから仕入れ、タリンの自社工場で商品を生産。コレクションは少量生産で、独創的なデザインが特徴。参考価格はニットカーディガンが81ユーロ、ウールのスカートが81ユーロ、手袋が20ユーロ台になります。高品質のニットを探している方におすすめしたいブランドです。
ショッピングストリート
6. ヴィル通り(Viru tänav)
ヴィル通りはタリン旧市街の東側に位置し、中世の雰囲気が残る石畳のメインストリート(旧市街)。14世紀に築かれた「ヴィル門」が通りの入口に立っています。通り沿いには、エストニア雑貨店や土産店、地元ブランドのブティック、レストランやカフェが軒を連ね、観光と買い物の両方が楽しめます。特に民芸品や琥珀アクセサリー、リネン製品などの購入におすすめ。歴史ある街並みを感じながらショッピングを楽しみたい人に最適なエリアです。
マーケット、ショッピングセンター
7. バルティック駅市場(Balti Jaama Turg)
バルティック駅市場(Balti Jaama Turg)は、タリン中央駅近くに位置するマーケット。19世紀の石灰岩倉庫跡を活用し、1993年に開業、2017年に全面改装された歴史とモダンが融合する市場です 。地下はスーパーマーケット、1階は魚・肉・野菜・ストリートフード、2階はエストニアの工芸品やアンティーク、衣料品が並んでいます。地元産の新鮮食材を買うのはもちろん、エストニア産の蜂蜜、チーズ、漬物、琥珀やヴィンテージ雑貨などを購入したい方におすすめです。
8. ナウティカ・ショッピングセンター(Nautica Keskus)
ナウティカ・ショッピングセンターは、大規模な改修を経て2017年に開業したタリン港近くに位置するショッピングセンターです。店舗数は約60店舗。特にスーパーマーケット「Rimi」は豊富な品揃えで滞在中の強い味方になってくれます。そのほか、H&Mなどのファッション、スポーツ用品、化粧品、家庭用品など多彩なショップが揃っています。港を利用する方、近くに宿泊されている方におすすめしたいショッピングセンターです。
9. ヴィル・ショッピングセンター(Viru Keskus)
ヴィル・ショッピングセンターは、タリン中心部「ヴィル広場」に位置するショッピングセンター。2004年に開業し、2023年にブランドポートフォリオの変更を伴う大規模な改装が行われています。店舗数は100店舗超で、ZARAやMANGO、Tommy Hilfigerなどのファッションブランドが入っています。雑貨も販売している書店は利用価値があると感じました。なお、地下にバスターミナルがあります。
10. ロッテルマン・クォーター(Rotermann Quarter)
ロッテルマン・クォーターは、タリン旧市街、ヴィル広場、タリン港をつなぐ19世紀の工業地帯を再開発した都市複合エリアです。1829年にクリスティアン・ロッテルマンが製粉・製塩・蒸留など複数の工場を設立、その後も製材所やリネン加工場、ウォッカ蒸留所など多様な工場群が集まりました。ソ連時代には荒廃しましたが、2000年代から保存と再開発が進展。日本人建築家「林知充」氏も再開発事業に携わっています。
このエリアには上記で紹介したブランド「Eve Hanson」のほか、ファストファッションブランドの「Bershka」や「Pull & Bear」、人気パン屋「RØST Bakery」、人気チョコレートショップ「Kalev Rotermanni kvartal šokolaadipood」などがあり、特に地元ブランドの衣料品などが揃う「Tallinn Design House(※写真右)」がおすすめです。おしゃれなレストランやカフェもあり、散策しながら地元文化に触れたい人、建築好きの方におすすめしたい場所です。
最後に
タリンには、歴史的な雰囲気と現代的な感性が調和した買い物スポットが数多く存在します。旧市街のクラフトショップから再開発エリアの洗練されたブランドのブティック、大型市場やモールまで、訪れる場所ごとに異なる魅力があり、散策するだけでも十分に楽しめます。
旅の思い出としてエストニアならではのアイテムを手に入れたり、地元のライフスタイルを感じられる場所を訪れたりと、ショッピングは旅の楽しみをより豊かなものにしてくれます。今回紹介した買い物スポットを参考に、ぜひタリンでショッピングを楽しんでみてください。観光地巡りだけでは味わえない、もう一歩深いタリンの魅力に触れられると思います。
なお、今回紹介した場所は以下のグーグルマップで確認してください。