アゼルバイジャンの首都「バクー」は安全?それとも危険?
みなさんはバクーの治安について、どのようなイメージをお持ちですか?アルメニアとの軍事衝突による影響、ロシアやイランに挟まれていることによる各種リスクを心配している方が多いと思います。
今回は筆者がバクーの治安について現地で調査(2024年)。筆者が感じた点、警察官や防犯カメラによる警備の状況、夜の街の姿などを中心にお伝えしていきます。バクー観光を計画されている方はぜひ参考にしてください。
最初に危険レベルを確認しよう
海外旅行に行く前(計画する前)は、必ず「外務省 海外安全ホームページ」で滞在予定地の危険レベルを確認してください。
バクーの危険情報は2024年5月18日現在、レベル1「十分注意」になっています。アルメニアとの軍事衝突が発生した経緯などから、レベル1で注意喚起が行われています。ただし、イスタンブールやジャカルタ、香港などもレベル1で注意喚起されている通り、観光(渡航)ができないということではありません。
なお、海外安全ホームページでは、日本の外務省がレベル1「十分注意」、レベル2「不要不急の渡航は止める」、レベル3「渡航中止勧告」、レベル4「退避勧告」の4段階評価で各地域の安全情報を開示しています。
バクーの治安について
バクーの安全度(5段階評価):★★★
バクーの安全度は、観光客がスリといった軽犯罪以外の犯罪に巻き込まれる可能性は低いと判断し、「問題なし」となる星3つで評価しています。外務省がレベル1で注意喚起をしているため星3つにしていますが、より安全度の高い星4つで評価しても良いと思うくらい、バクーの街は治安が安定していました。
■セキュリティは万全?
アゼルバイジャンはアルメニアとの軍事衝突があったことから、テロ対策を強化している印象を受けました。
そのため、警察官による厳重な警備が行われていました。特に公園周辺に多く、中心部の通りなども2人ペアの警察官が巡回していました。さらに、公園や各通りには多くの防犯カメラが設置してあります。その数はきちんとチェックができているのか疑問に感じるほどでした。そのほか、ショッピングモールや地下鉄の駅の入口では荷物検査(バックパックなど大きめの荷物のみ)が実施されていました。
世界中の様々な都市を訪問しましたが、警察官による警備は一番厳重だと感じました。さらに、夜は人通りが多く、女性一人で歩いても不安を感じることはないと思うほど、バクーの治安は安定していました。
■注意点は?
現地の友人(女性)は地下鉄に乗車すると、男性が痴漢目的?で体を寄せてくるため、移動はタクシーを使うと教えてくれました。女性が地下鉄に乗車する際は念の為、周囲に注意した方が良いと思います。
■アゼルバイジャン人のアルメニア嫌いは想像以上?
アゼルバイジャン人のアルメニア嫌いは想像以上です。アゼルバイジャン人がアルメニアに行くことはありえない、アルメニアの全てが嫌い、アルメニア人は過去にこんな悪どいことをしたなど、現地の友人達が教えてくれました。極めつけは、スパイとして疑われるからアルメニアの写真は送らないで欲しいと事前に注意されたことでした。
アゼルバイジャンではアルメニアとの紛争で亡くなった人達に関するモニュメントが数多く存在しています。よってアゼルバイジャンでは、アルメニアについて話さない方が良いと思います。
夜のバクーの様子
ファウンテンズ・スクエアとMammadamin Rasul-Zadehは街の中心部、ハイランドパークはバクーの街が一望できる観光客に人気の場所、ダブルゲートは旧市街の入口になります。どれも観光客が訪れる場所になります。余程遅い時間ではない限り、写真のような人混みでした。そのため、旧市街の狭い路地を除いて、女性一人で夜の街を歩いても問題ないと思います。
最後に
最後に出国時の話ですが、荷物検査は空港入口と出国手続き前の2回ありました。空港入口の荷物検査ではノートパソコンの電源を入れられて調べられるほど、厳重に検査が行われていました。筆者はよくノートパソコンを海外に持っていきますが、電源を入れられたのは初めてでした。
出国審査ではどこから来たか、これからどこに行くか、チケット(ジョージア行き)を見せろと言われたほか、パスポートは顔写真のページを念入りに調べられました。ターミナル2を利用する日本人が少ないからか、アルメニアとのことがあるからか、とにかくアゼルバイジャンはテロ対策などをしっかりしているという印象を受けました。
外務省による注意喚起が行われていますが、上記の通りレベル1は渡航中止勧告ではありません。街の人は本当にフレンドリーで、カメラを持っているとよく写真を撮ってくれと頼まれたくらいです。テロには十分注意する必要がありますが、基本的にバクーは女性一人でも観光が楽しめる街だと思います。
ぜひ皆さんもバクー観光を楽しんでください。