ポーランド南西部の古都「ヴロツワフ」は、美しい旧市街と豊かな文化遺産が魅力の都市。中世の面影を残す旧市街広場や歴史ある旧市庁舎、フレスコ画が美しい七選帝侯の長屋など、歩くだけでタイムスリップしたような気分が味わえます。
また、世界遺産「百周年記念ホール」やオーデル川沿いの美しい遊歩道も見逃せません。さらに、ヴロツワフはショッピングも充実。大型モール「ヴロツラヴィア」や「ガレリア・ドミニカンスカ」に加え、地元密着型の市場「ハラ・タルゴヴァ」ではグルメが楽しめます。
本記事では、そんなヴロツワフの観光名所と買い物スポットを厳選して10カ所紹介。初めての訪問でも楽しめる充実ガイドになっています!
ヴロツワフ中心地の観光スポット
1. 旧市街広場(Rynek)
ヴロツワフの中心に位置する旧市街広場(リネク・Rynek)は、13世紀に整備された歴史ある広場で、街の観光や散策の出発点として最適なスポット。ポーランドで最も美しい広場の一つとされ、広場を囲むように建つカラフルな古い長屋(タウンハウス)が見所。中世の面影を色濃く残しながらも、現在はカフェやレストラン、ショップが軒を連ね、地元の人々や観光客で常に賑わっています。
もう一つの見所は、広場の中央に建つゴシック様式の旧市庁舎(ラトゥシュ・Ratusz)です。精巧な彫刻と美しい時計塔が目を引き、内部は博物館として公開されており、ヴロツワフの歴史を学ぶことができます。旧市街広場はポーランドで訪れた広場で最も美しかったです。この広場を見るだけでもヴロツワフを訪れる価値があると思います。
以下で旧市街広場で見ておきたい旧市庁舎、長屋の一部を紹介します。
旧市庁舎(Ratusz)
旧市庁舎は、13世紀末から16世紀にかけて建設されたゴシック様式の建築で、ポーランドでも屈指の美しさを誇る市庁舎です。精巧なファサードや高い時計塔が特徴で、長年にわたり市政の中心として機能してきました。現在は博物館として一般公開されており、中世の会議室や装飾彫刻、歴史的な展示を見学できます。旧市庁舎南側にある熊の噴水(Fontanna Niedźwiadek)なども見所です。
七選帝侯の長屋、青い太陽の下の長屋
- 七選帝侯の長屋
- 青い太陽の下の長屋
■七選帝侯の長屋(Rynek 8)
七選帝侯の長屋は中世13世紀に建設されたルネサンス様式の長屋。1672年以降の大改修で描かれたハプスブルク家の神聖ローマ皇帝「レオポルド1世(1640〜1705年)」と七選帝侯(皇帝を選ぶ際の投票権を持つ7名)のフレスコ画が見所です。
■青い太陽の下の長屋(Rynek 7)
青い太陽の下の長屋は七選帝侯の長屋の隣に位置し、14世紀に起源を持つ歴史的な長屋です。建物は15世紀後半に再建され、1804年の改築で帝政様式に変更されています。
Rynek 18の長屋、Rynek 5の長屋
- Rynek 18の長屋
- Rynek 5の長屋
■Rynek 18の長屋
Rynek 18の長屋(写真中央)は14世紀に建設された長屋。第二次世界大戦時に破壊され、1952〜1955年に再建されています。バロック様式のファサードはヴロツワフ旧市街広場で最も目を引く長屋の一つです。
■Rynek 5の長屋
Rynek 5の長屋は13世紀に建設された長屋。14〜15世紀、16世紀などに改修が行われ、第二次世界大戦後にバロック様式で再建されています。
2. ソルニ広場(Plac Solny)
ソルニ広場は、中世13世紀から続く歴史的な広場で、かつては塩の市場として栄えました。第二次世界大戦中にほとんどの建物が破壊されましたが、1960〜1961年に建物は再建されています。広場を囲むカラフルなネオバロック様式の建物の美しさ、広場の一角にある花屋さんなどが見所。旧市街広場近くにあり、休憩場所としても適しています。
旧証券取引所
旧証券取引所はソルニ広場に位置するネオルネッサンス、新古典主義様式の歴史的建造物。1822年に旧宮殿が取り壊され、1822〜1824年にかけて建てられました。
世界遺産
3. 百周年記念ホール(Hala Stulecia)
百周年記念ホールは1911〜1913年に建設された巨大な多目的施設。ヴロツワフの百周年記念ホール(Centennial Hall in Wrocław)として2006年に世界遺産に登録されています。建築家「マックス・ベルク」が設計を担当。現在もコンサートや展示会、スポーツイベントなど多彩な用途で使用されています。
世界遺産や建築物が好きな方にはおすすめしたい場所になりますが、旧市街広場から離れた場所にあること、建物自体の魅力に乏しいことから、時間の無い方は訪問を見送った方が良いかもしれません。その一方、筆者が訪れた際は、建物西側にある記念碑「Iglica」周辺で骨董市が開催されていました。日曜日限定開催の可能性がありますが、骨董市を訪れるついでに百周年記念ホールを訪れると満足度が高くなるかもしれません。
その他おすすめの観光スポット
4. ハヴェリ・ドゥニコフスキ遊歩道(Bulwar Xawerego Dunikowskiego)
ハヴェリ・ドゥニコフスキ遊歩道はオーデル川沿いに位置する遊歩道です。ポーランドの彫刻家・芸術家の「ハヴェリ・ドゥニコフスキ(Xawery Dunikowski)」にちなんで名付けられています。遊歩道からは大司教宮殿(Pałac Arcybiskupi)やヴロツワフ大聖堂、トゥムスキー橋(Most Tumski)などを眺めることができ、筆者が旧市街広場の次に訪れて良かった場所になります。
5. ヴロツワフ歌劇場(Opera Wrocławska)
ヴロツワフ歌劇場は1839〜1841年に建設された新古典主義様式のオペラ座。プロイセンの建築家「カール・フェルディナンド・ランハンス」が設計を担当。1871〜1872年、1954〜1956年、1997〜2006年などに大規模な改修が行われています。
6. ヴォロシチ広場(Plac Wolności)
ヴォロシチ広場は旧市街南側、ヴロツワフ歌劇場の裏側に位置する広場。19世紀には市民集会やパレードの場として利用され、現在は市民や観光客の憩いの場として再整備されています。広場には「ヴロツワフ・フィルハーモニー管弦楽団の小人たち」というブロンズ彫刻があります。ヴロツワフには小人像が街の至る所に設置されています。ヴロツワフ観光ではこのような像を探してみるのも面白いと思います。
おすすめ買い物スポット
7. ヴロツラヴィア(Wroclavia)
ヴロツラヴィアは2017年に開業した大型ショッピングセンター。ヨーロッパ各地を結ぶバスが発着するバスステーションがあるほか、ヴロツワフ中央駅近くに位置しています。館内には200以上の店舗が並び、ファッション、雑貨、レストラン、カフェなど多彩なショップが充実しています。
・昼食時は席の確保が難しい?
フードコートはマクドナルド、KFC、ケバブ屋さんなどがありましたが、昼食時は席の確保が難しそうでした。また、トイレは無料ですが、ランチタイムなどは混雑していました。男性用小便器も個室だったのには少し戸惑いました。
8. ガレリア・ドミニカニスカ(Galeria Dominikańska)
ガレリア・ドミニカニスカは2001年に開業したショッピングモール。マックスマーラやGUESS、ベネトン、ロクシタンなどのショップのほか、スターバックス、レストラン、家電量販店などのテナントが入っています。特にスーパーマーケット「カルフール(Carrefour)」が入っている点がポイント。さらに、混雑している可能性がありますが、無料トイレが利用できます。旧市街広場から徒歩圏にあるため、押さえておいて損はしないモールです。
9. オワフスカ(Oławska)
オワフスカは旧市街広場からスポウェチュニ広場(Plac Społeczny)を結ぶ全長約850メートルの通り。旧市街広場からガレリア・ドミニカニスカ付近までは歩行者天国になっており、多くの観光客が行き交っています。通りにはギフトショップやスーパーマーケット「Biedronka」、薬局などがあり、印象に残ったのはチムニーケーキ専門店「Chimney Cake Bakery」の行列でした。その他パン屋さんもあり、軽食を購入する場所としておすすめです。
10. ハラ・タルゴヴァ(Hala Targowa)
ハラ・タルゴヴァ(=屋内市場)は、1906〜1908年に建設されたマーケットホール。ヴロツワフで最も大きな青果市場の一つです。館内には新鮮な野菜・果物・精肉・鮮魚などの生鮮食品を扱う店舗が多数並び、ポーランド料理が味わえるレストランもあります。地元の暮らしを体感できるマーケットとして、パンなどの軽食を購入する場所としておすすめです。
最後に
ヴロツワフは、中世の面影を残す旧市街の美しさと、世界遺産を含む豊かな建築遺産、そして現代的なショッピングモールや市場が共存する魅力的な都市です。歴史的な建造物を巡った後には、オーデル川沿いの散策や地元グルメの食べ歩きも楽しめ、観光と買い物の両方を満喫できます。
ヴロツワフは文化や歴史に興味のある方はもちろん、買い物や街歩きを楽しみたい旅行者にもおすすめの街です。本記事で紹介した10のスポットを参考に、ぜひ自分だけのヴロツワフの魅力を見つけてください。きっと思い出に残る素敵な旅になると思います。