モルドバの首都「キシナウ」には何がある?
モルドバ国立歴史博物館で注目すべき展示物は?トイレは無料で利用できる?ロシアのプーチン大統領が訪れた修道院がある?モルドバの英雄「シュテファン3世」の像がある公園とは?
今回はモルドバの首都「キシナウ」で印象に残った観光地を10ヵ所紹介します。博物館から教会、モニュメントなどを紹介していますので、キシナウ観光の参考にしてください。
キシナウで印象に残った観光地10選
1.モルドバ国立歴史博物館(Muzeul Național de Istorie a Moldovei)
モルドバ国立歴史博物館は1983年に設立された博物館。コレクション数は34万点超で、ローマ時代の遺物から中世、ソ連時代、独立後の展示物などがあります。
常設展、特別展ともに入場料は10レウ。写真撮影には15レウ必要でした。常設展は2階にあり、ローマ時代から歴史を辿っていくように各コレクションが展示されていました。ローマ時代の鏡、中世の焼物、中世の村のジオラマ、ソ連時代の各展示物が印象に残りました。最後の展示室に蝶々夫人(現地公演)で使用された着物も展示されていました。
そのほか、訪問者はほぼいませんでしたが、筆者が見終える頃に現地高校生が訪れており、先生がかなり大きな声で説明していたのが印象的でした。
※地下1階にトイレがあります。チケットを提示しなくても利用(無料)できました。
2.モルドバ国立美術館(Muzeul Naţional de Artă al Moldovei)
モルドバ国立美術館は1939年に設立された美術館。モルドバ、ロシア、西ヨーロッパ、中国、日本など3万9000点超のコレクションがあります。1901年に完成した旧女子中等学校の建物が使用されていますが、内部は宮殿を思わせるような造りになっています。フェデリコ・ルイス作のフランツ・ヨーゼフ1世の肖像画、アルブレヒト・デューラーの版画などが見所。モルドバ共和国大統領府庁舎近くにも国立美術館の建物があります。
3.ナスレテア大聖堂(Catedrala Mitropolitană Nașterea Domnului)
ナスレテア大聖堂は1836年に完成した大聖堂。ロシア人建築家「アブラハム・メルニコフ(Avraam Melnikov、1784年〜1854年)」が設計を担当。筆者が訪れた際は6名ほどの現地人がおり、皆が十字を切っていたのが印象的でした。フレスコ画や金装飾された祭壇などが見所ですが、内部撮影は禁止されていました。
4.チウフレア修道院(Mănăstirea Ciuflea)
チウフレア修道院は1854年〜1858年にかけて建設された修道院。アルーマニア人のテオドール、アナスタシエのチウフリ兄弟によって建てられました。2000年にモルドバ大統領とロシアのプーチン大統領が修道院を訪れている写真があるほど、モルドバにおける重要な建物の一つになっています。筆者が訪れた際は5名ほどの現地人がいました。フレスコ画は暗くて良く見えませんでしたが、イコンが印象に残りました。
5.凱旋門(Arcul de Triumf)
凱旋門は1840年〜1841年に建設された凱旋門。1828年〜1829年の露土戦争でロシアが勝利したことを記念して建てられました。高さは13メートル、門に設置されている鐘は露土戦争で鹵獲(ろかく)したトルコ軍の大砲の金属で鋳造されました。キシナウを代表するモニュメントの一つです。
6.モルドバ共和国大統領府庁舎(Clădirea Președinției Republicii Moldova)
モルドバ共和国大統領府庁舎は1984年〜1987年に建設されたモルドバ共和国大統領府の本部が入る建物。イウリ・トゥマネアン(Iuri Tumanean)などが設計を担当。モルドバ国立オペラ・バレエ劇場の隣に位置し、印象に残る建物は一見の価値あり。
7.カスケード階段(Scara Cascadelor)
カスケード階段はヴァレア・モリラー公園(Parcul „Valea Morilor”)にある218段の階段。見所が少ないキシナウにおいて特徴的な階段を訪れることは一つの選択肢になると思います。また、湖で釣りをしている人、ベンチに座って犬と戯れている人など、ゆっくりとした時間を過ごしたい人にもおすすめです。
8.シュテファン3世の像(Monumentul lui Ștefan cel Mare)
シュテファン3世の像はシュテファン・チェル・マーレ公園(Grădina Publică „Ștefan cel Mare și Sfânt”)の入口に設置してある像。モルドバ公「シュテファン3世(1430年代〜1504年)」は1457年から亡くなる1504年までモルドバを統治し、1475年のヴァスルイの戦いではオスマン帝国軍に勝利しています。なお、従兄にはドラキュラのモデルになったヴラド3世がいます。
■お札に描かれたシュテファン3世
9.軍事歴史博物館(Muzeul de Istorie Militară)
軍事歴史博物館は1995年から運営されている博物館。ソ連製の戦闘機「ミグ21」、自走砲「SU-100」などのほか、軍服や銃、剣、NKVD(内務人民委員部)による尋問の様子を知ることができるジオラマ、沿ドニエストル共和国との紛争に関する展示、レーニンの胸像などが展示されています。
10.キシナウ市歴史博物館(Muzeul de Istorie al Orașului Chișinău)
キシナウ市歴史博物館は1979年に設立された博物館。19世紀末に建てられた旧給水塔が利用され、キシナウに関する展示物が展示されています。キシナウを知るために訪れることはもちろん、歴史的建造物を見るという目的で訪れても良いと思います。
入国審査・出国審査について
■入国審査について
23時前に空港に到着。入国審査を行う場所は広くなく、とても混雑していました。20〜30分待った後、入国審査の順番になりました。担当は30代の女性で、質問は以下の通りです。
- ビザを持っていますか?
- 滞在目的は?
- 宿泊するホテルは?
- 第3国への航空券を持っていますか?
- 滞在証明はありますか?
筆者が訪れた際は日本人の短期滞在のビザが免除されていたため、日本人はビザが必要ありませんと答えました。日本人が珍しいのか、パスポートが念入りにチェックされるなど、かなり疑われた印象を持ちました。第3国への航空券までの質問までに5分は経過していたと思います。
滞在証明については必要なことを知らなかったため、その質問は理解ができませんと答えました。この時点で入国拒否を覚悟するほど、入国できる気がしませんでした。質問に答えた後、入国審査官が何かを考えた後、渋々スタンプを押してくれました。
入国審査エリアで異常に感じたことは、マシンガンを持った兵士が警備を行っていたことです。筆者は30カ国以上の国に行きましたが、警察官が拳銃を持っていることはあれど、入国審査エリアにマシンガンを持った兵士がいるのは珍しいと思います。
■出国審査について
出国審査は特に問題がなく、審査官は愛想良く「Have a nice day」と言ってくれました。ただ、搭乗ゲート以外で航空券を確認しなかったこと、出国審査後のゲートで30代くらいの女性係員に持っている現金を教えてくださいと聞かれたことには驚きました。どちらも初めてのことで、現金を答える場面ではテンパって「I don’t have money」と答えてしまいました。「I don’t have cash」と言えば良かったのですが、特に問題視はされず、普通に通してくれました。
最後に
キシナウは見所が本当にありません。街ブラをしようにも荒廃したような通りが多く、魅力的に感じる場所が少ないと感じました。また、入国審査の話の通り、観光目的で訪れる人が少ないためか、入国審査官が本気で疑ってきます。
果たして入国拒否の不安を抱えながら訪れるべき国かというと、答えはNOです。隣国のルーマニアは本当に良い国だったため、モルドバに余程の思い入れがない場合はルーマニアに行くことを強くおすすめします。
なお、今回紹介した観光スポットの場所は以下のボタン(Googleマップ)から確認してください。